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ルノー R30

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ルノー R30

ルノーR30は、1977年に始まり1985年に終わったルノーの第1期ワークス参戦時代と同じイエロー×ブラックのカラーリングを身にまとって登場した。前作の成績が芳しくなかった場合(いや、そうでなくても)、成功作を見習うのが世の流れというものだが、ルノーは相変わらず独自路線を歩んでいる。

太く低いノーズがその象徴。フロントウィング翼端板は2009年中に改良を遂げ、複雑な形状に進化していたが、R30が取り付ける翼端板は平板で飾り気がない。メイン・
エレメントとカスケード・ウィングの形状も同様で、シンプルだ。

ただし、見る角度を変えると、ユニークな処理が施されているのに気づく。メイン・エレメントの下面アウト側に複数のバーチカル・スプリッターが取り付けられているのが分かる。湾曲したその形状が、フロントタイヤ周辺の気流を効率良くコントロールしようとする狙いであることを示している。ガイドベーンと一体化したフロント・ブレーキダクトもユニークだ。

フロントのサスペンションアームは細身。マクラーレンに続きルノーも、ステアリング・ラックを下方に移動させ、トラックロッドをロワー・ウィッシュボーンに抱き合わせる旧ブラウン風の設計に変更した。

サイドポッドの絞り込みはやや強くしたよう。ただし、小さな開口部を上部に集中させるトレンドには乗らず、09年のR29と同様、”Γ型”の開口部を踏襲する。なで肩なサイドポッド外側の形状や、後方に向かってなだらかに絞り込んでいく処理は、09年後期型の延長線上にある。

シャークフィンは踏襲。リヤウィングは09年スペックをそのまま取り付けたのではないか、と思うほどにそっくりだ。昨年のルノーは、エキゾースト・パイプの出口をテーパー状にカットし、出口を上に向けてレイアウトしたり、排熱ダクトを兼ねた大きな開口部から出したりと試行錯誤が見られたが、R30は後者のソリューションを受け継いでいる。

このチームは09年、KERSに振り回されもしたが、10年は当然、非搭載を前提に設計。プレスリリースの文面からは、搭載する燃料がレース中に発熱しないよう設計に気を配った様子が伝わってくる。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】
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