MTCにセナ里帰り
マクラーレン・ホンダで二度のワールドチャンピオンを手にし、“音速の貴公子”と呼ばれたアイルトン・セナ。貧困に苦しむ母国ブラジルの国民に勇気を与え、ホンダ・パワーで活躍したことで日本でも熱狂的な人気を呼び、世界中セナ・シンドロームを巻き起こしてF1GPの歴史を語る上で欠くことのできない存在となった。
その英雄と別れた1994年のイモラから27年、古巣マクラーレンの本拠地であるマクラーレン・テクノロジー・センターに、重さ160kgの等身大の青銅製のブロンズ像に生れ変わったセナは帰って来た。
自ら搬入を指示した作者のポール・オズ(Mr.Paul Oz)氏の手で、セナのブロンズ像は、巨大なMTCのメインストリートに設置された。
作者のオズ氏は、絵画や彫刻でF1を中心とするスポーツ選手の作品を手がけるアーティストで、特にこの作品には思い入れがあるという。
「スパ-フランコルシャンのオールージュを駆け上がる瞬間の姿勢を選びました。左から右のコーナーでオールージュを駆け上がるエネルギーの中にいることを感じてもらえると思います」
セナのブロンズ像は、夭逝したイモラ・サーキットいインフィールドの雑木林の中に、ポツンと寂しそうに座っている作品がおなじみだが、こちらは、セナの現役時代のエネルギーを感じさせる躍動的な作品といえ、伝説として残されることになった。
[STINGER]山口正己
Photo by McLaren