[フォーミュラBMW]桜井孝太郎、初のシンガポール予選で3番手を獲得!
9月24日
F1シンガポールGPのサポートイベントとして開催された『フォーミュラBMWパシフィックシリーズ2010 第11、12戦』に、日本人最年少BMWスカラシップ・ドライバー、16歳の桜井孝太郎(桜井幸太郎)が参戦。初挑戦の市街地レースで、見事、予選3位を獲得した。
フォーミュラBMWは、F1ドライバーへの登竜門として世界各国の若手ドライバーがしのぎを削るカテゴリーで、F1で活躍するセバスチャン・フェッテル、ニコ・ロズベルグ、エイドリアン・スーティル、セバスチャン・ブエミ、ニコ・フルケンベルグ、ティモ・グロッグ、ブルーノ・セナ等もその卒業生だ。今季はWRC世界チャンピオンのカルロス・サインツを父に持つ、カルロス・サインツJr.を始め、世界15ヶ国から22人の若手精鋭が集まり、激しい戦いを繰り広げている。
今回は、桜井孝太郎にとって、初の市街地サーキット。公道レースという特殊性に加え、F1GPのサポートイベントということもあって、わずか25分間のフリー走行1セッションのみで、いきなり予選という厳しい条件下でのイベントとなった。しかもフリー走行終了直後に雨が降り、午後8時からの予選までに天候は回復したものの、まだ部分的に濡れている難しいコンディションでのアタックだった。
朝のフリー走行でブレーキトラブルを抱えながらも5番手と、まずは順調な滑り出しを見せた桜井は、刻一刻と変化する路面コンディションを冷静に判断し、予選半ばにピットインしてリヤタイヤのみ新品に交換すると、予選終了間際に見事3番手タイムを叩き出した。
ポール・ポジションはレッドブル・ジュニアのD.クビアト。2番手にはポイントリーダーで、地元シンガポール出身のチームメイト、R.ブラードレイがつけ、桜井孝太郎は明日土曜日の第一レースに、グリッド2列目、予選3番手から臨む。
●桜井孝太郎選手のコメント
「F1シンガポールGPのオンボード・カメラを何度も見て、㈱レースファイトクラブさんのご協力でシミュレーターで160周近くコースを走り込んできました(笑)。それでも初めてのストリート・サーキットということで、不安と緊張はありましたが、予選中はかなりリラックスして走れました。何台ものマシンが僕の前でスピンしたり、クラッシュしたりするのを避けながらの展開でしたが、最後のコンディションが良くなるタイミングを図ってリヤタイヤだけ交換した作戦が当たりました。予選3番手という結果には満足しています」。
「実は昨夜、まだ一度も実車でコースを走っていないのに、予選3番手になる夢を見たんですよね(笑)。チームのみんなに話したら、なんて自信過剰なんだと笑われましたが、終わってみれば本当に予選3番手を獲得できました!」
「たぶん日本人でこのシンガポールの市街地を200キロオーバーで走った史上最年少記録ですよね、僕(笑)。運転免許すら持っていませんから、公道というものを走ったのは生まれて初めてです。気持ち良かったです(笑)」。
「ナイトレースということで、フォーミュラBMWの予選も夜間走行でしたが、予想以上に明るかったですし、イルミネーションもすごくて、自分なりに問題なく走れました。ただ、しカメラのストロボが眩しかったので、F1のときは皆さんにもやめてもらいたいですね」。
「抜きにくい市街地レースでは予選が大きな鍵となるので、第11戦の予選3番手はいいポジションだと思います。セカンドタイムで決まる日曜日の第12戦では5番手スタートとなってしまいましたが、どちらも荒れるレースになるでしょうし、集中力が勝負だと思っています。感覚ではなくて頭を使って戦うレースをし、最後までミスなく走り抜けば、結果はきっとついてくると思います。皆さん応援してください」。