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ザウバー「C33」 ファースト・インプレッション

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マクラーレン、フェラーリに続いて3番目に発表されたのがザウバーC33である。小林可夢偉が所属したことですっかり日本にお馴染みになったチームだが、それ以前に元ホンダF1 第二期時代を闘った後藤治が所属した チームとして知られる。

元々、メルセデスのためにグループCカーを創り、その後F1に帰したBMWのチームとしてF1を闘っていたが、BMWとジョイントした機会に、先進的な開発インフラを確立、ファクトリーにいながらにしてあたかもコースを走っているような走行状態を確認できる7ポストをいち早く採用するなど、クォリティの高さを誇っていた。

しかし、ここ数年、経済的な基盤をなくし、さらに、金銭感覚に厳しいモニシャ・カルテンボーンがチーム代表を務めるようになって可夢偉と袂を分かつことになったあたりら、チームとしてのポテンシャルが落ちていた。
元来、まったく新しい車両規則になるタイミングは、チームにとってチャンスのはずだが、チーフ・デザイナーのエリック・ガーデリンは、まさしくそのことを意識した言葉を発表段階でコメントした。

「今年の規則はデザイナーに非常にたくさんの仕事を強いた。フロントとリヤのサスペンションは、基本的に2013年のものと変化はないが、特に規則で全幅が15cm狭められたなど、細かい見直しが必要だった」。

「また、冷却のキャパシティがより多く要求されるため、ラジエターに冷却気を送るインテークは少し大きくなり、ラジエター自体も大きくなっている」。

「総重量が691kgに規制されるが、2013年から49kgの重量増は、すべてパワートレーン関係の増加であり、リヤの荷重が増えることは、デザイナーを悩ませている」。

エンジンは、2010年から供給を受けているフェラーリ。チーム代表のモニシャ・カルテンボーンは、特にシーズン序盤に、いかに安定したポテンシャルを発揮させることができるかが重要と思う、とコメントした。

[STINGER]山口正己

ザウバー「C33」スペック
■シャシー
型式:C33
モノコック:カーボンファイバー・モノコック
サスペンション(前):アッパー&ロワー・ウィッシュボーン、プッシュロッド式インボード・スプリング&ダンパー(ザックス・レース・エンジニアリング&ペンスキー製)
サスペンション(後):アッパー&ロワー・ウィッシュボーン、プルロッド式インボード・スプリング&ダンパー(ザックス・レース・エンジニアリング&ペンスキー製)
ブレーキ:ブレーキ・キャリパー(カーボン製)/カーボンパッド&カーボンディスク(ブレンボ製)
トランスミッション:フェラーリ製縦型ギヤボックス(8速/カーボン製)、カーボンファイバー製クラッチ
エレクトロニクス:MES
ERS:フェラーリ
ステアリング:ザウバー・F1・チーム
タイヤ:ピレリ P Zero
ホイール:OZ
■エンジン
型式:フェラーリ・エンジン
排気量:1600 cc
タイプ:V6 90°
口径:80 mm
ストローク:53 mm
バルブ数:シリンダーごとに4(計24)
最大回転数:15,000
ターボ・チャージング:シングルターボ
燃料流量:1時間当たり最大で100 kg
最大燃料量:100 kg
■ERSシステム
バッテリーエナジー(1周ごと):4 Mj(メガジュール)
MGU-K(パワー):120 kW(キロワット)
MGU-K(最大回転数):50,000 rpm(回転毎分)
MGU-H(最大回転数):12,000 rpm(回転毎分)
■サイズ
全長:5300 mm
全幅:1800 mm
全高:950 mm
トレッド(前):1460 mm
トレッド(後):1416 mm
重量:691 kg(ドライバー込み、燃料タンクは空の状態)
そのほかのザウバー「C33」の画像はこちら
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