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浜島裕英の タイヤ”deep”トーク—-ドイツGP 

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低温の割には、タイヤはまあまあ「作動」している
浜島 えー、シルバーストーンより寒いですね!(笑) そのシルバーストーンですが、ブロウンGPは「タイヤが暖まらなかった」といってましたけど、今日の結果を見てると、そんなこと、実はなかったんじゃないかという気がしてます。やっぱり「特性」が合わなかったのではないかと、タイヤの側から見た場合には、そう思います。コースの特徴と(ブロウンというクルマが)合わなかったのではないか、ということですね。

それで、ここには、スーパーソフトとミディアムを持って参りました。走行後ですが、スーパーソフトは、「まあ暖まります」というのが(ドライバーからの)コメントです。けっこう、寒いんですけどね。もっと、暖まらないという状況になるかなと、ちょっと心配してたんですけどね。

ミディアムの方は、ウォームアップに、だいたい4〜5周かかります、と。そして、(走っても)「ずっと暖まった感じがしない」というドライバーもいます。……ということは、いつものハードと、あんまり変わらない。

二つのタイヤのラップタイム差は、フェラーリがちょっと大きいんですけど、このチームを除いてしまうと、タイム差はだいたい「0.7秒」くらいです。

「デグラデーション」は、30周走って、スーパーソフトが5秒。ミディアムは、ゼロか、あるいはちょっとよくなっていくという方向です。ですから、ゼロだとしたら、だいたい14周くらいで、(2種のタイヤのタイム差は)ちょうど”チャラ”になる、という計算でしょうか。

空力を改良したレッドブルは、タイヤにも”やさしく”なった
ほとんどのチームは、スーパーソフトでも、摩耗肌はキレイなんですけど、スーティルと──ここは今回、速いですけど、ここと、ウイリアムズ、BMWは、リヤの摩耗の状態があまりよくないです。ですから、これらのチームは、今回苦しむという可能性が高い。

レッドブルは、空力関係の改善が進んだというのが本当だったんだという感じですね。リヤの”ささくれ”、かなりよくなってます。

ちなみに、ガソリンは1周で「2.5㎏」使います。それで、重さのハンディは「0.032秒/㎏」。ですから、4周して、コンマ3秒(0.3秒)くらい速くなれば、タイヤは”タレてない”ということですね。

ミディアムのタイヤに関しては、これは全然、摩耗しません(笑)。寒さのせいで、そういう状態にならないということです。

あと、右のリヤのタイヤ、その真ん中に”ゴムかす”が付くんですよね、ここのコースでは。これについては、固まって付いてるチームと、一回剥がれて、もう一度付いてるチームと、二通りありまして。……で、固まって付いてるチームは、あんまり速くないですね。

‥‥バトンは、固まって付いていませんか?
浜島 付いてる! 一方、レッドブルは、付き方が”細い”ですね。ですから、レッドブルの方が(ここでは)いいと思いますよ。

‥‥スーパーソフトとミディアムで、フェラーリの「差」がとても大きいというのは、どのくらい?
浜島 フェラーリは、1秒半から2秒くらいになっちゃうんですね。これは、マッサのデータです。ライコネンは、今日はミディアムは履いてないので。

フェラーリは、今日はあのポジションにいますけど、現実は「3番手」くらいですね。
レッドブルとブロウン・グランプリが、やっぱり突出してる感じです。

‥‥ハミルトンが、少しよくなったようですが。とくに3セクターで?
浜島 あ、そうですね。(クルマが)”曲がる”ようになったんですかね。

‥‥それでいうと、フェッテルが3セクターで”冴えない”ですね?
浜島 ゼブラをドンドンって横切らないのは、そうやると、エンジンが(衝撃で)止まっちゃうからじゃないでしょうか。午前中にストップしたのは、縁石にドカンとやったショックで、エンジンが止まっちゃったからです。相変わらずデリケートなクルマですね、レッドブルは。

◆持ち込む2種類のタイヤを、どうセレクトするか
それと、2種類のタイヤで、タイムの差はあっていいと思うんですけど、ドライバーが走ってみて、まったく違うフィールのタイヤだ……というのは、あまりよくないと思うんですね。

たとえば、硬い方は、走っても、ずっとグリップ出ないよ。一方のソフト側は、一発のタイムは出るけど”タレる”だけ。こういう風にいわれちゃうのは、われわれの意図するところではないので。

まあ、現実には、「ハイ・ワーキング・レンジ」側のタイヤが、ちょっと”硬め”になりすぎてるという傾向はあるかもしれません。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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