浜島裕英 タイヤ”deep”トーク–トルコGP 直前スペシャル
◆ここは、フラットスポットを作ってしまったタイヤが多い!
—-何人かのドライバーが、タイヤにフラットスポットを作っちゃってるようですが?
浜島 あ、フラットスポット、それはいっぱいいますよ。
—-ベッテルは?
浜島 ベッテルのも、ちょっと出てるかな?
—-彼の、Q3の最後のセットで?
浜島 でも、それではタイムを出してない(走行してない)でしょ?
—-昨日のセッションまでで、もうタイヤとして使えないくらいのフラットスポットができたというのは、何本くらいある?
浜島 使用不可能ということなら、ハミルトンのタイヤだけ。
—-見た目ではそんなにわからないフラットスポットでも、レースでは、使わない方がいい?
浜島 使わない方がいい、ですね。
フラットスポットができちゃったタイヤは、もう一度、バランスを取るんですけど。でも、ある速度になると、物理的にそこは「平ら」なので、(タイヤとしては)ちょっとむずかしいですね。
◆ソフト=オプションは、普通の使い方なら「35周」保つ
—-リヤの”タレ”でいうと、ソフトについては、ワンタイム・アタックが正解だったんですか?
浜島 そう思います、ここ(トルコ)に関しては。
—-ソフト(オプション)は、何周くらい使える?
浜島 摩耗的に、一番短い人で20周くらい。普通の人だったら(レース距離の)半分、30〜40周くらい保つと思います。
—-プライムは?
浜島 プライムは、摩耗的には「一レース」大丈夫だけど、どうでしょう、ここの場合は、ゲージが減ってくると性能が落ちるから、適当なところ──30〜40周くらいで、換えてもらった方がいいと思いますが。
今回も、モナコで味をしめて(笑)、(他車より)早くピットに入って(タイヤを)換えようという人がいる、らしいんだけど。でも、あんまり”それ”をすると、ここはタイヤに対してきびしいサーキットなので、何が起こるかわからない。リスクはちょっと高くなりますよね。
—-このサーキットは、スタート時の路面で、有利不利があると?
浜島 ここは明らかに「奇数側」(アウト側)が有利ですよね。イン側は、きびしいです。
—-ハミルトンは、タイヤの使い方で、他チームと同じ作戦でやれる?
浜島 ハミルトン? 金曜の夜に、タイヤ、全部チェックしてるんですけど。”きびしい”タイヤは全部、切り刻んだりして見てますけど、(同じ作戦で)大丈夫だと思います。
◆サプライヤーとしてのリコメンドは、ソフト→ハード
—-今回、いつ換えるかなどのタイヤ戦略で、レース展開が変わる?
浜島 どうでしょう? ここは(コース上で)抜けないわけじゃないですからね。最終シケインの前が、割りと、抜くポイントだから。
でも、(タイヤの)性能が悪くなっても走ってるというのは、あまりよくないんじゃないですか? だから、「割る」(交換タイミングを割り振る)時期によっては、硬い方のタイヤで、後半、ずっと長く使ってると、(他車に)やられちゃうんじゃないですか?
—-お奨め、というのがあるとしたら?
浜島 うちがリコメンドするとしたら、いまはたぶん、クルマを満タンにすると、(特性が)若干、アンダー(ステア)目になるんで、そして、フィーリング的には、ソフトを付けると、フロントのグリップがよくなるって言ってるから、そのバランスのいいところ(ソフトで走る)をできるだけ長くしてもらって、そのあとでハードに換えるというのが、たぶん、一番いい作戦だと思います。
あえて、早く(ピットに)入ってハードに換えても、そのあとで、ずっと長く、ハードの性能が保てるかといったら、割りとむずかしいと思いますよ。
—-ハードでスタートして、行けるところまで行く、というのは?
浜島 あ、それはアリでしょう! でも、クルマのバランスからいうと、最初にソフトを履いた方が、やっぱりトクなんですよね。