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浜島裕英 タイヤ”deep”トーク–マレーシアGP

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◆豪州GP、ウェーバーとハミルトンは、タイヤを”きびしく”使った
浜島裕英 ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長(以下、浜島) 前回、オーストラリアでのソフト・タイヤが”保った”といわれてます。たしかに、51周、保ったんですけど、そこまで(51周)保った人は、はっきり言うと(タイヤを)上手に使った人です。

・・・で、ウェーバーとか、それからハミルトンは、(タイヤの)使い方がやっぱり”きびしい”んで、一回目の(ピット)ストップのときに、それまで使ってきたタイヤの摩耗を見ると、もう、けっこうスカスカになってます。
ですから、彼らは、作戦とかそういうのではなくて、(タイヤを)換えざるを得なかった。

それから、アロンソ選手に関しては、(タイヤ・サプライヤーとして)ちょっと”舌を巻く”くらいに(タイヤを)上手に使ってあった。摩耗もあんまり進んでなくて、非常にきれいに、使えてた。だから、あそこまで(タイヤが)保ったのかなという感じはします。

—-ジェンソン・バトンは、タイヤはギリギリだったとコメントしてますが?
浜島
 ジェンソン? あ、運が・・・(笑)、いや、作戦がよかったですね。先頭の人(S.フェッテル)が勝手に壊れたし。・・・あ、でも、「作戦」はよかったわけですよ。ちょっとセクター・ワンで、”散歩”に出た(コースアウトした)部分が少なかったから、というのはありますよね。

—-フェッテルが、もし、壊れてなかったら?
浜島
 もし壊れてなかったら、”余裕”(で勝利)だったんじゃないですか・・・と、思います。

—-アロンソのタイヤというのは、マッサとは違っていて?
浜島
 マッサと較べても・・・ほら、マッサは後ろから追い上げていないじゃないですか。アロンソは、(スタートでスピンして)最後尾から(タイヤ)ワン・セットで追い上げたというのを考慮すると、余裕で「ゲージ」が残ってるんですね。だから、そういった面で、やっぱり、上手だったなというのが言えますね。
マッサ選手も(ゲージは)残ってはいるけど、でも、かなり”きびしかった”です。

◆クルマが重いときのタイヤの使い方が、みんな上手くなっている?
—-オーストラリアでの”レース・ペース”ですけど、あまり速くなかったような?
浜島
 いろんな人(ドライバー)にけっこう聞き回ったんですけど、(レースが始まって)最初の頃は、みんな、タイヤを”タラしては”いけない(消耗させないように)ということで、最初の(クルマが)重い頃は、けっこうみんな、本気出して走ってないんですね。適当に・・・って言っちゃいけないけど、(タイヤ性能の低下を)”抑えられる”速さで走ってる。

こんな感じで、最初の頃はほんとに上手にやさしく「ナーシング」(看護士さんのような扱い方)してるから、実は最近、金曜日に取ったデータと、レースで取ったデータが合わないんです。デグラデーションなんかも、路面がよくなった分以上に”よく”なってる(性能が低下してない)から──。

ですから、ニコ(ロズベルク)が「オーストラリアは”目一杯”だった」といってるのも、レースを組み立てるということを含めて、目一杯だったということじゃないかなと思うんですけどね。
ですから、ニコの場合も、太陽が照っていてドライだったら、ルイス(ハミルトン)やウェーバーと同じように(タイヤは)減っていたと思います。

浜島 それから、ハードですけど、これはルーベンス(バリチェロ)が使ってくれて──覚悟して使ってくれたと思うんですけど、これも、そんなに悪くはなかった。ウォームアップも悪くないということで、ハードもそこそこでした。・・・というのが、オーストラリアの結果です。

100_0547bs2.jpg◆今回、ハードとソフトのタイム差は0.3〜0.4秒
浜島
 そして今日(マレーシア)ですが、オーストラリアと同じく、ソフトとハードを持ってきてます。ここは暑くなって(タイヤに)きびしいということで、スーパーソフトとミディアムの組み合わせはナシということです。

・・・で、まず基本データですが、フューエル・エフェクト(10kg重くなることでのタイムロス)はコンマ36秒(0.36秒)/10キログラム。それから、フューエル・コンサンプション(1周あたりの燃料消費重量)は2.7キログラム/ラップ。

(ソフト・)タイヤのアベレージ(平均)のラップタイムが、(1分)35秒1。ハードの同じくアベレージのラップタイムが35秒3くらい。ベスト/ベストのソフトとハードのタイム差は、コンマ3秒からコンマ4秒(0.3〜0.4秒)くらいです。

デグラデーションは、ソフトの方が1.9秒/ハーフレース・ディスタンス。ハードは1.2秒(/ハーフレース・ディスタンス)くらい。ですから、あんまり差がないですね。

—-去年よりは少ない?
浜島
 そうですね、ひとつは(今年は)フロント・タイヤを小さくしたんで、(前後の)バランスが取れちゃって、デグラデーションはやっぱり少ないですね。

◆今回の金曜のタイムは、そのままチームのランクを示している?
—-今日は全体にタイムがいいですが?
浜島
 今日は、FP1(フリー走行1)を走りはじめたときから、路面はいいということを、みんな言ってます。グリップ感はイマイチだけど、サーキットはキレイ! こういう風に言ってましたから、そのへんが(タイムに)”効いてる”かなというのがひとつですね。

ただ、グリップ感が悪い割りには、2秒以上(去年より)速いんですよね。・・・で、それ(その原因)は、やっぱり(タイヤより)クルマじゃないですか、中高速(コーナー)が多いし。

今日の二回のセッションだけでいうと、今日は(各チームの実力は)チャート通りじゃないかと思いますけど。マクラーレン、速いし。

—-メルセデスのリヤ・タイヤは、マクラーレンよりキレイだったですが?
浜島
 メルセデスのリヤはキレイですよ。だから、1セットでズーッと走ったら、マクラーレンは辛くて、メルセデスは(タイヤ的には)余裕があるという風に考えていいと思います。

—-今年も、レースは雨ですか?(笑)
浜島
 ねえ!・・・(笑)。昨日も(夕方の)5時半から
1時間(降水)でしたね。今日が、二回降ったでしょ。おとといが3時でしたよね。だから(決勝でも)降るかもしれないですね。

—-仮に雨が降らなかったとして、ソフトの方でも、デグラデーションの問題なく、走りきれる?
浜島
 ソフトであんまり”走れちゃう”と、文句出るから!(笑)・・・でもねえ、このまま(天気が)よくなって、ほんとに気温が高かったら、ソフト側の方はワーキング・レンジが低いんで、デグラデーションは辛いと思います。

あの、オーバーヒートを訴えている人(ドライバー)もいるから、そういった意味では、タイヤ自体の摩耗は大丈夫だけど、(デグラデーションによって)ハンドリングが悪くなる可能性はあると思います。

F12010MAL_88D7984.jpg—-今日のリザルトは、そのまま各チームのパフォーマンスを示している?
浜島
 そうですね。

—-こないだ(オーストラリア)は、金曜は一部、”三味線”もあったけど?
浜島
 今回は、メルセデスもちゃんと(適切なランクに)入ってるし。

◆セクター2を攻められないクルマは、タイムは出せない
—-ソフト・タイヤをタイムアタックに使うときは?
浜島
 それは”一周アタック”の方がいいと思います。やっぱり、オーバーヒートもしちゃうし。
それと、2周走る前提だと(燃料も積むから)クルマの重量的にも不利になりますよね? やっぱり、「ワンタイムド・アタック」で、しっかりタイムを出した方がいいと思います。

—-タイヤには、セクター2が一番きびしいですか?
浜島
 きびしいですね。かつ、セクター2が(クルマ&セットアップが)決まってないと、タイムは出ないですね。

—-お奨めはソフトですか?
浜島
 予選、ソフト。決勝、ハード(笑)。

—-もし雨が降った場合、すぐに止んだとして、どのくらいで路面は乾く?
浜島
 何年か前でもそういうのありましたけど、でも(乾くには)15周くらいかかりますね。ですから、その「15周」目に、インターミディエイトがたとえばスッテンテンになったとき、ソフトにするかハードにするかは、けっこう”悩みどころ”かと思います。

—-夕方4時のレース・スタートというのは?
浜島
 タイヤにとっては(気温が下がることで)ラクですけど、でも、差がつきにくいですね。

                【STINGER / text by Iemura Hiroaki】
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