F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集 F1 STINGER 【スティンガー】 > F1ニュース >   浜島裕英 タイヤ”deep”トーク–モナコGPのためのメモ

F1ニュース F1の動向が一目でわかる新着ニュースや最新トピックを随時更新。

浜島裕英 タイヤ”deep”トーク–モナコGPのためのメモ

100513_bs.jpg

◆ウォームアップは、ハード側でも3〜4周すれば温まる
浜島
 まず、スペインでのハミルトンのパンクは、タイヤが原因ではない。このことは、はっきり言えます。

レース(でのタイヤ)は、(プライム、オプションの)両方とも、問題はなかったと考えています。ソフトもハードも、ちゃんと「ワーク」してました。ただ、多くの選手が、ハード側(タイヤ)のウォームアップが悪い、グリップが低い・・・という意見が出ています。今週は、スーパーソフトとミディアムにしたわけですけど、ミディアムについて、(ウォームアップなどが)ちょっと心配だと、そういうことを言っていました。

実際に走ってみると、ハイ・ワーキング・レンジのミディアムも、だいたい3〜4周でウォームアップして、温まれば、ラップタイム的には(ミディアムは)けっこう速い。そういうことがいえると思います。
スーパーソフトは、ウォームアップにだいたい1〜2周かかります。

ただ、(今日、各チームが)スーパーソフトを履いたのはフリー走行2で、かつ曇ってきて、温度が急に下がり始めるときに使っていたので・・・。ですから、午前中のように、路面温度が40度近くあれば、1周くらいでウォームアップしていたと思います。

うち(ブリヂストン)の持ってるデータで、ここのサーキットのフューエル・コンサンプション(燃料消費量)は、1.71㎏/周。そして、フューエル・エフェクト(重量がタイムに影響する度合い)が、0.025秒/㎏。(=0.25秒/10㎏)

◆10周走ると、二種のタイヤはコンマ1秒しか違わない

浜島
 スーパーソフトのデグラデーションは、だいたい3秒/ハーフレース・ディスタンスくらいと考えられます。

(これについては)極端な人(ドライバー)もいて、全然(タイヤが)タレていないような人もいるんですよ。でも、極端に、10秒近くタレてる人もいて、何人かを平均すると、だいたい3秒くらいが妥当じゃないかなと考えられます。

ミディアムについては(デグラデーションは)まあ、ゼロですね、ほぼ・・・。あんまりこちらは(これについては)いいデータがありません。あるチームのデータがあって、それがゼロ秒、ですね。

10ラップの平均ラップタイムで行くと、(二種のタイヤは)コンマ1(0.1秒)くらいしか違わないです。

(二種のタイヤを)「ベスト/ベスト」(のタイムで)比較すると、コンマ7(0.7秒)くらい違うんですけど、でも10周くらいロング(ランを)すると、コンマ1(0.1秒)程度の違いしかないといえます。

◆舗装が新しくなって、走りやすくなった

浜島 
さっき、スーパーソフトですごく”タレちゃう”人(ドライバー)がいると申し上げましたが──10秒くらいタレちゃうんですけど、ハーフレース・ディスタンスですね。そういう人の場合は、やはり、リヤタイヤのデグラデーション、”ささくれ”がすごいために起きてるのだと思われます。そういう使い方をすると、たぶん15周くらいしか、レース的には保たないだろうという可能性があります。

去年は、ベッテル選手が15周くらいで(タイヤが)苦しくなってピットインしてましたが、それと同じようになっちゃうし。(タイヤを)上手に使える人は、バトン選手みたいに、もっと長く使える可能性があると思います。

ただ、予想したよりは路面がよくなったせいか、「グレイニング」は少ないし、ミディアムもきちんとワークしているなというのが、いまの状況です。

そして、そのグレイニングを出さなければ、”摩耗量”的には、基本的には(チェッカーまで)ノン・ストップでも行けちゃうくらいの量しか、摩耗はしてないですね。

スーパーソフトは、モジュラス、ハードネスともに、去年のスーパーソフトより硬めになってますので、その分”ささくれ”なんかが少ないというようにも見てます。(レースでは)20周くらい、行けるんではないかと思いますけどねえ。

極端にお尻を振る(テールをスライドさせる)ような走りでなければ、デグラデーションは3秒くらいで収まるのではないかと思います。

—-ではチームにとっては、今年のタイヤは、去年よりずっと使いやすい?
 ・・・と、思うんですけどね。

—-スーパーソフトの走行タイムが頭打ちになったように見えたが、あれはデグラデーションの関係で?
浜島 スーパーソフトのロングランをやっているとき、雨がパラパラと来たので、それで慎重に運転したからだと、多くの運転手さん(ドライバー)は言ってますね。(雨は)とくに大きな影響はなかったんだけど、やっぱり、(ここは)すぐぶつかっちゃうからだと、コメントしてます。

—-今日の、フリー走行の後に激しく降った雨の土曜日への影響は?
浜島
 影響はないと思います。今日のデータのまんまで(予選に)行けると思いますよ。

舗装を新しくしたせいか、今日は(モナコの)”いつもの木曜日”よりは悪くないと、みんな言ってますね。思ったよりもグリップしてる、と。

—-レースでの、タイヤのマネージメントは?
浜島
 ここ(モナコ)のタイヤの使い方は、よっぽど”タレて”来ない限り、(ドライバーが)防戦できないくらいになるまでは、ずっと(交換せずに)引っ張ってる、というのが一番トクですよね。

—-ここは、フリー走行から予選・決勝まで、間が一日空くのはいやですか?
浜島
 それはあまり、ぼくたち(タイヤ・サプライヤー)には関係ない。でも、連戦だから、せわしないですよね(笑)。昨日も、マクラーレンなんか(モーターホームが)”工事中”なんですよ。だから、ジェンソン・バトンは、うち(ブリヂストン)のモーターホームで打ち合わせしてましたね(笑)。

                【STINGER / text by Iemura Hiroaki】


記事が役に立ったなと思ったらシェアを!

F1 最新レースデータ

F1 ポイント・ランキング

F1ドライバーズ・ポイント
1位マックス・フェルスタッペン491ポイント"
2位セルジオ・ペレス240ポイント
3位ルイス・ハミルトン220ポイント
F1 コンストラクターズ・ポイント
1位レッドブル・レーシング860ポイント
2位メルセデス409ポイント
3位フェラーリ406ポイント

PARTNER
[協賛・協力企業]

  • CLOVER