浜島裕英の タイヤ”deep”トーク ドイツ・グランプリ 直前スペシャル
◆フェッテルだけは、ハードでもグリップするとコメント
・昨日のGP2のレースで、フェラーリが、中古のスーパーソフトをロングランしているが、だいたい、金曜日にお話ししたようなデータになっている。
・デグラデーションは、5〜6秒/ハーフ・レース・ディスタンス。
・全般的に、各チームともに、ソフト側のタイヤでないとグリップが得られないというが、ひとりフェッテルだけは、ミディアム・コンパウンドであっても、2周もすればグリップするようになるし、バランスもいいと、コメントしている。
・タイヤの観察状況からいうと、レッドブルの”ささくれ”は、シルバーストーン以後の新パーツの導入で、前後のバランスが非常によく取れているという状態になっている。
・したがって、スーパーソフトでロングランしても、彼ら(レッドブル)は、いいタイムで走れるのではないか。
・一方のブロウン・グランプリだが、ここは以前とあまり変わっていない。フロントの”ささくれ”がちょっと多くて、リヤは薄め。つまり、若干「アンダー傾向」のバランスで走っているということ。
・いいかえると、ここはいろいろと改良している……ようには見えない。
◆「タイヤがグリップしないから、テストができない」ロス・ブロウン
・金曜日にロス・ブロウンは、「タイヤがグリップしないから、パーツのテストができない」と語っていた。だから開発が進まないんだ……と、暗に責められた(笑)。
・実際は、タイヤのグリップについて効果がないのであれば、その新パーツは、あまり威力がなかったのだと思うのだが、これは、なかなか本人(ロス)にはいえない(笑)。……まあ、一番わかっているのは、本人だと思う。
・ハード・タイヤについては、ブロウンは、フロントが「ガツッと来ない」(グリップしない)というのが、彼らのコメント。
・同じくハードについて、フェラーリは、「4〜5周すれば、まあ、グリップしてるかな」といった評価。
・ドライバーは、フロントにグリップ(ガツッ!)が来ないと、グリップしていると感じないので、これらはすべて、フロント・タイヤについてのコメントである。
・ここ数レース、ブロウンが停滞している……というより、ほかが伸びてきてい
るのではないか。
・予選で、フォース・インディアのスーティルが速かったが、これはシルバーストーンでの実績がフロックではなかったということ。クルマがよくなっていると、フィジケラもコメントしている。
・ただ、昨日の予選の場合は、コース・コンディション(天候)が微妙だったので、あの予選タイム通りのランキングであるとは思わない。
◆タイヤ選択がむずかしいレースになる
・また、昨日は風が強かったので、雨が止むとすぐに路面が乾いた。
・このサーキットは、地形的に”長い”ので、コースの全体が同じ天気になるとは限らない。ただ、舗装は全コースで共通で、場所による変化はない。
・今日は、ある天気予報では「降ったり止んだり」。タイヤ選択に、一番困るパターン。どのチームがどんな選択をするのか、とても興味がある。