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浜島裕英の タイヤ”deep”トーク ハンガリーGP直前スペシャル

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べッテルは、スーパーソフトをどう使うか考慮中!?
・一昨日(金曜日)の夜、雨が降ってしまったので、昨日(土曜日)のデータが、あまり変わり映えのしないものになってしまった。

・ただ、細かく分析すると、スーパーソフトで速い人(ドライバー)──アロンソも含んで、最初からガンガン行く人の「デグラデーション」はちょっと大きい。

・アロンソでも、6秒くらい、ハーフレース・ディスタンスで落ちるし、ベッテルも、いまの計算で行くと、ラップタイムが7〜8秒くらい落ちる。

・それを考えると、だいたい12周くらいまではスーパーソフトの方が速いが、そこから先は(タイヤ性能=走行タイムが)「クロスする」可能性が高い。

・したがって、(ポールの)フェルナンド(アロンソ)はスーパーソフトで行っていいとして、でも、その後ろにつく人(2位以下)は、ソフトで行って、後ろで我慢して、最後の2〜3周は”頑張る”(追い詰める)ということになる……かもしれない。

・ベッテルは心配している──スーパーソフトにするかどうか。あのクルマ(レッドブル)は非常に”繊細”で、(他車の)後ろにつくと、ゆっくり走っているように見えても、タイヤが痛むのだという。

・ニュル(ドイツGP)のときも、前(にいたクルマ)が(ピットに入って)抜けたあとに、攻めようと思っても、タイヤの余力が残ってなかった。

・……ということで、ベッテルは、スーパーソフトの使用を危惧している。

レースは、 KERS車がどのポジションで走行するかで大きく変化する!
・これは昨日、ベッテルがたまたま(BSに)来たので喋ったことだが、スタートで、 KERS搭載車に抜かれることは覚悟している。そうすると(他車の)後ろにつくことになり、そうなるとタイヤが痛むので苦しい……というのが、いまの彼(ベッテル)の心配条項だ。

・ポールを取っていれば、ひとりで走るので、スーパーソフトを履いても、(タイヤ性能を)コントロールしながら走れるんだけど……と、ベッテルは語っていた。

・だから、アロンソは、マクラーレン(=KERS車)が(自車とレッドブルの)真ん中(間)に入ると、勝てるかもしれない!?── KERS車が1周につき1.5秒くらい稼いで(後方のレッドブルを抑えて)くれれば。

・昔、フェラーリに、以下のような作戦を提案してみたことがある。当時、ロス・ブラウンには一笑に付されたけど(笑)。

・それは、チームに2台いて、片方を軽くしてポールを取って、もう片方が後ろ(の追撃)を抑える。その間に20秒、マイケル(シューマッハ)を先に行けば、余裕でピットインできる……というもの。ロスは取り合わなかったけど(笑)。

—-バリチェロのクルマがすごく重いが、これはタイヤに影響は?
浜島 ここのコースは、第一スティントの中盤からは、路面が急激によくなるという傾向があるので、タイヤ的には、そんなに痛むとは思えない。ただ、速く走ると、スーパーソフトはちょっと辛いところがある。

リヤ・タイヤの「グレイニング」も、横方向の(トラクション方向でない)”ささくれ”が出る傾向。路面がよくなると、これは止まるが、よくなる前にこの症状が出てしまうと辛いと思う。

・このコースは、フロントが”食いつかない”が、しかし、180度回るような大きなコーナーがあるので、フロントが食いつかないと、そのあとの”おつり”で、リヤが出て(滑って)しまう。このことで苦しんでいるのが、いまのブラウン・グランプリ。

・したがって、ブラウン・グランプリは、フロントタイヤのグレイニングが出ている。一方、リヤは大丈夫だ。

・レース展開は、 KERS 車が「どこに入るか」で、大きく変わってくると思う。

・アロンソは、このことを考えたはず。ともかくポールを取って、誰か遅いクルマに「間」に入ってもらって、それが(速いクルマを)抑えているうちに逃げる……という作戦。こうすれば、レッドブルに勝てる!

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ここは、タイヤがオーバーヒート気味になるサーキット
—-昨日の予選で、スーパーソフトで3周連続など、周回を重ねてアタックするチームがあったが?
浜島 それはムリ!(タイヤが)オーバーヒートする。このサーキットは、(1周の)後半にかけてずっとコーナーが来るので、タイヤ的には、だんだんオーバーヒート気味になって、グリップが落ちる。タイヤにとっては、ずっと攻めていると”辛い”サーキットだから、3周連続というのは、ちょっと無謀だ。

途中でいったん、クールダウンして、またウォームアップして……ということなら(再度のアタックも)行けるが、連続のアタックは辛い。

—-レース中での、プライムとオプションのタイム差は?
浜島 たぶん、コンマ5(0.5)秒くらいで、ずっと行くはず。そこから、速い人のスーパーソフトでの”落ち”などを考えると、ドーンと燃料を積んでワンストップにしてしまう……という作戦は、ないことはない。また、最後の方は路面も”できて”来るので、スーパーソフトも使いやすくなるし!


【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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