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浜島裕英 タイヤ”deep”トーク アブダビGP

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◆ブラジルでのセーフティカー、以前と以後
浜島:
前回のブラジルでのタイヤは、まったく問題なしです。スーパーソフトも非常によい状態で終わってましたし、ミディアムもグリップもそこそこで、よかったなと思います。
ただ、マクラーレンはちょっと「デグラデーション」(タイヤの磨耗による劣化)が大きくて、前の方の三台(レッドブル、アロンソ/フェラーリ)に引き離されてしまったというのが、こないだのレースでした。

—-ハミルトンは、グリップがない!といいながら、かなりのタイムで走りつづけてましたが?
浜島:
ええ、夜に、食堂でたまたま出会ったので訊いたら、「そういう風に感じたんだもん!」と言ってました(笑)。タイムは出ていたかもしれないけど、フィーリングは、もう、ヌルヌルの感じ。オイルが載ってヌルヌルという感じで、すごかった、だからぼくはああいう風に言ってたんだ、と。

まあ、実際にも路面は、ドライバーのフィーリング的には「よくなかった」んですね。でもタイム的にはちゃんと出てたから、データ的には悪いとはいえないんですけれど。

レッドブルは、セーフティカーが入る前は、オーバー・ヒーティング気味だった、と。「リヤがグニュグニュしたよ」と。今朝、ベッテルに(ブラジルでは)どうしたのか訊いたら、セーフティカーで(自分のタイヤが)冷えて、路面もよくなったところで走れたから、(それ以後は)タイムが上がったんだ、と言ってました。

◆今日はタイヤより、路面の変化の方が影響が大きかった
浜島:
で、今日(アブダビの金曜日)ですけど、非常に(解析が)むずかしいですね。路面のインプルーブがよすぎてですね、ちゃんとしたところ(データ)がよくわかりません。

まず、フューエル・エフェクト(重量がラップタイムに与える影響)から行くと「0.03秒/キログラム」。フューエル・コンサンプション(1周の消費燃料)は「2.63キログラム/ラップ」。

それから「デグラデーション」は、スーパーソフトでは、割りとちゃんとした人(ドライバー)の(データ)を見ると、アベレージで行くと、12秒/ハーフレース・ディスタンスくらい。

それで、運よくウイリアムズだけが(クルマが)重い状態で、スーパーソフト(柔らかい方のタイヤ)と(硬い方の)ミディアム・タイヤ(のテスト)をやっていて、それを比較すると、スーパーソフトが「15秒」で、ミディアムが「9秒」くらいですから、今日の路面のインプルーブを考えると、たぶん、スーパーソフトがレースでは「7秒」くらい、ミディアムが「5〜4秒」くらいになるんじゃないかなと、去年のデータから行くと、考えられます。

タイム差は、スーパーソフトとミディアムであまりなかったように見えてると思いますけど、フィーリング的には、フェラーリ、レッドブル、ルノーあたりは、やっぱりオプション(スーパーソフト)の方がよくて、「コンマ2秒(0.2秒)くらいは速いんじゃないの?」って言ってるんだけど、ほんとかな?というところが、ちょっとあります。

ここのサーキットの特徴で、去年もそうでしたけど、スーパーソフトとミディアムの差が、なかなか付きにくいサーキットなので、あんまり差がないかなという感じもします。

ただ、デグラデーションは、スーパーソフトは、大きい人(ドライバー)は大きいので・・・。とくに、”摩耗肌”の悪い人がいるので、そのへんの人たちは、やっぱりスーパーソフトで予選をしないと、苦しいかもしれないですね。

ちなみに、レッドブルは”摩耗肌”はいいですね! 次に、意外と、ハミルトン選手の”摩耗”はいいです。いまちょっと辛いのは、やっぱりフェラーリ。前後ともに、ちょっと辛いですね。ただ、”横滑りのグレイニング”なので、路面がよくなったら、直ってしまう可能性もあります。

◆最後のレース、トラブルがないことを祈っている
—-二種のタイヤの差が付きにくい理由は?
浜島:
ストレートが長いから、ですね。

—-タイヤが冷える?
浜島:
ええ。それと、どっちのタイヤでも滑るから、というのも大きいと思います。ここの路面は(舗装が新しいので)アスファルトが残ってるんですよ、(舗装の)骨材が(表面に)出て来てない。それで、ツルツルで、ドライバーはみんな、ダスティでグリップがないと言ってる。

—-フリー走行の二つのセッションで、気温の差がこんなに大きなサーキットはほかにないと思いますが、その影響は?
浜島:
その影響で、苦しんだですよね、去年のレースは。”可夢偉に抜かれた人”(J.バトン)は。

—-午後の6時以降に、タイムが出てないのは、タイヤが温まらないから?
浜島:
でも、タイヤの温度は、70〜80度ありますよ、ちゃんと。ただ、ラインを外すと、ヘンなゴム・カスがいっぱいあるんで、それを(タイヤ表面に)くっつけちゃうと、なかなか(その滓が)取れないかもしれない。(タイヤの)温度も下がっちゃうし。

—-ここは、タイヤの使い方がむずかしいサーキット?
浜島:
・・・かもしれない、ですね。普通の計算すると、スーパーソフトは、ヘタしたら、10周くらいしか(保たない)、かもしれない。

—-デグラデーション(タイヤの磨耗による性能の落ち)は?
浜島:
午後(二回目のセッション)は、軽い(燃料)タンクで走っていたときは、”ささくれ”はあんまり出てないんですよ。クルマを”重く”した途端に、やっぱり、ダーッと(ささくれが)出た。だから、路面がよくなれば、”助かる”可能性はかなり高いと思います。

—-クルマが重いと?
浜島:
重いと、すぐ(ダメージが)来る、とくにフロントは、可夢偉のところはね。フェラーリは、両方(前後とも)来てる。

—-ここへ持ってきたタイヤは、予想の範囲?
浜島:
はい、もうひとつの組み合わせでは、硬すぎたと思います。去年は、コンサバで、硬めを持ってきてましたが。

—-ブリヂストンとして、最後のレースになりましたが?
浜島:
(タイヤが)トラブルを起こさないように! 真剣に、取り組んでおります。みんな(全チーム)そうですけど、とくに、タイトルを争う上位四台のタイヤにトラブルが起きないことを祈ってます。・・・祈ってるというか、(トラブルが)起きないように、メンテナンスをしています。

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bsp;               【STINGER / text by Iemura Hiroaki】


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