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浜島裕英(ブリヂストン・モータースポーツタイヤ開発総括責任者)のタイヤ”deep”トーク(モナコGP木曜日)

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路面がよくなれば、2種のタイヤのタイム差は0.2~0.3秒?
ここは、「ロー・ワーキング・レンジ」(作動領域の温度が低い)のタイヤ、二つを持ってきてます。今日の結果だけ見てると、ハイ・ワーキング・レンジを持ってきても”おもしろかった”かなとは思いますが、でもやっぱり、作動温度を考えると、むずかしかったですね。今日の路面温度が35度ですから、ハイ・ワーキング・レンジを使うのは、やはりちょっときびしい状況であったと思います。

二つのタイヤ、ソフトとスーパーソフトのタイム差は、ザクッといって、0.5から0.6秒あるんですが、ただし、トラック(コース路面)のインプルーブメント(良化)を考慮に入れると、コンマ2(0.2秒)からコンマ3(0.3秒)くらいというのが現実じゃないかなと思います。

過去何年間かのデータを見ても、コンマ5秒から7秒差(0.5~0.7秒)なんで、そういう面でも順当なタイム差ではないかなと思います。

今日の段階では、スーパーソフトのタイム低下はかなりある……
デグラデーション(走行を重ねてのタイム低下)の方は、ソフトが2秒、ハーフ・レース・ディスタンス。スーパーソフトが7~8秒、ハーフ・レース・ディスタンス……ですけれど、これも過去のデータとあまり変わらないので、最終的には(決勝レースでは)、スーパー・ソフトをメインで使うというのがいいのではないかなと思います。

いま、スーパーソフトのタイムの落ちが大きいのは、リヤタイヤに、トランスバース……だから、進行方向に対して直角ですね、そういう”ささくれ”がでるんで、その分で、タイムの落ちが大きいですけど、今日のFP(フリー・プラクティス=フリー走行)2の終わり頃になると、だいぶ摩耗もよくなってるんで、そういう面では、このまま晴れていれば、順当に(レースでも)スーパー・ソフトがちゃんと使える状況になるんではないかと思います。

各チームのドライバーは、「スーパー・ソフトの方がグリップあるよ!」といってますから、路面次第ではやっぱり、スーパー・ソフトが有利であるというレースになると思います。

グレイニング発生の原因は路面にもある
今日の走行では、まだ、クルマ(リヤ)が滑ってますよね、プールの出口とか最終コーナーに向かうところとか。(路面がよくなって)そういうのが収まってくれば、グレイニング(ささくれ)は止まるでしょう。

それと、今年のクルマがオーバーステア傾向があるということもありますね。フロント・タイヤはほとんど痛んでないですから。

このグレイニングでは、リヤタイヤの内側にでているクルマもありました、レッドブルとか。ですから、タイヤにやさしいクルマと、きびしいクルマの違いというのは、モナコでも、ちゃんとでてますね。

タイヤに「やさしい」のはブロウン。フェラーリも、終わり頃にタイムでてましたし、そう悪くないですよ。

トヨタのタイヤの使い方ですか? うーん、そろそろ(チームから)いわれるんじゃないかと思ってますけどね、タイヤ暖まらない!とか(笑)。まだ、いわれてないですが。

一般的にいって、タイヤのグリップが上がると、クルマの欠点を隠せますから……。逆にいうと、グリップが低下することによってでてくる車体の問題というのもあるということ。そういう意味では、モナコでは「メカニカル・グリップ」がちゃんと稼げないクルマは辛いということになります。

スーパーソフトなしに「Q3」へ行けるチームは?!
予選のタイヤですが、フェラーリはいま、トップチームじゃないから、スーパーソフトで行かないと(途中で)落っこっちゃうでしょうね。路面がよくなると、さっきもいったように、差はコンマ2~3秒ですけど。

でも、タイヤがソフト(今回での硬い方)でも「Q3」まで行けるというのは、”真っ白いチーム”(ブロウン)だけじゃないでしょうか。これ以外のチームは、スーパーソフトを使わないと(残っていくのは)むずかしいでしょうね。

あと、ウイリアムズがここでは(いい)……というのは、トラクション方向に、あのクルマは”いい”ですね。だから、じゃないでしょうか。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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