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浜島裕英の タイヤ”deep”トーク(ハンガリーGP)

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セッション終了後に、タイヤの入念なチェック/解析が行なわれる。

◆路面とコースから、軟らかいタイヤ2種を用意

浜島 前回のニュルは、寒かったんですが、硬い側(のタイヤ)も、ちゃんと作動していたという人(ドライバー)もいるし、バトン選手みたいに、「作動しなかった」といってる人もいます。まあ、クルマによって、若干差があるということではないかと思います。
走ったあとのタイヤですが、ブロウン・グランプリは、フロント・タイヤの”ささくれ”が若干多かった。でも、リヤは、そんなでもない。
一方、レッドブルの方は、前と後ろで”ささくれ”はバランスが取れていた。

というのが、前回のレースです。シルバーストーンでもお話ししましたけど、レッドブルのクルマは、前後のバランスがよくなっているのではないかということが、タイヤから見た場合は推測されます。

今回のハンガリーは、スーパーソフトとソフトということで、「ロー・ワーキング・レンジ」側二つの組み合わせです。
(サーキットの)路面もよくないし、遅い(低速コース)し、ミュー的に も低いということで、「ロー・ワーキング・レンジ」側の2種を持ってきてます。

それでも、ソフトの方で、とくにフェリッペ・マッサ選手は、ソフトを履いてもグリップ感がまったくないということで(コースから)飛び出しています。(チームは)四輪にかかる荷重を測ったりしてますけど、なかなか改良されないですねえ。最後にタイムは出してますけど、(フェラーリは)あまり”いい状態”ではないです。

◆レッドブルの2台は、クルマが違う!?
あと、ベッテル選手のクルマは、若干おかしいのではないかと思われます。ウェーバー選手と較べて、”摩耗肌”が全然おかしいですね。ドライビング・スタイルがどうのこうのということではなくて、タイヤから見ると、クルマ自体がちょっとおかしいのではないか。最後の方で、(ベッテルは)ちょっとよくなってきてるんですけど、でも、”ささくれ”の量が圧倒的に多いから……。

ベスト・タイム同士は、ウェーバーとベッテルは似たようなものなんですけど、”ささくれ”も多いし、(ベッテルは)クルマをちょっと直さないといけないのではないか。走りはじめてからずっと、(ベッテルは)オーバー・ステアばかりをいっていて、「リヤが全然スタビリティがない」という表現をしていました。

スーパーソフトとソフトのタイム差ですけど、スーパーソフトの平均ラップタイムが1分21秒08くらい。そして、ソフトの方のラップタイムが1分22秒32。ですから、タイム差はだいたい「0.5秒」くらいと見ています。

—-「デグラデーション」のレイト(タイヤの磨耗でのタイムの落ち)は?
浜島
 ハーフ・レース・ディスタンスで、スーパーソフトが4.9秒、ソフトが2.99秒です。

ちなみにここは、1周するのに使う燃料は、うちの知ってるデータですと「2.1㎏」。それから、フューエル・エフェクト(重量がタイムに及ぼす影響)は10kgで、コンマ3〜4秒です。※10kg重くなると1周で0.3〜0.4秒遅くなる)

あと、路面なんですけど、FP(フリー走行)1は非常に汚かったんですけど、タイヤから見ると、午後の2時半過ぎてから、急激によくなってるという感じがあります。これ以後と、これの前では、タイヤの摩耗肌が違うので。

それと、リヤがオーバーヒートしてるのではないかという人(ドライバー)がたくさんいるんですけど、タイヤの温度は、表面温度で98度しか行ってないんで・・・・。実際には、後ろ(リヤタイヤ)が滑って、表面温度が(瞬間的に)上がって、後ろがステイブルでなくなっている可能性が高いかなと思います。・・・・ですから、滑らせないで走れば、たぶん、大丈夫なんですよね。

◆マクラーレン、フェラーリがよくなっている!
—-タイヤを巧く使っているのはウェーバー?
浜島
 ウェーバーが、一番”キレイ”じゃないですか、今回は。

—-マクラーレンのタイヤは?
浜島
 マクラーレンも、悪くないですよ。よくなってますね、クルマが。

—-ライコネンはどうですか?
浜島
 キミ? あ、キミも悪くないですよ。マッサは、何度も飛び出して、ガードレースぎりぎりを走ってましたけど(笑)。

—-ロングランで、スーパーソフトの方がいいという人が多いんですけど?
浜島
 (走ったあとでも)多少、グリップがあるから。その感じでいってると思いますけどね。見た目はやっぱり、スーパーソフトは”ささくれてる”し、とくに重いクルマの場合は(ささくれが)出てますよ。だから、オーストラリアGPのようなことはないですね。

でも、ここは、土・日と、路面はどんどんよくなるので。ですから、いまはオーバーステアだといっていても、だんだん、ニュートラルに変わっていくんで……。そのへんは、チームはよく読まないと、間違えますよね。

—-ブロウンは、またよくなってきてますか?
浜島
 うーん、一時ほどのアドバンテージは(いまは)ないんじゃないでしょうか?

—-バトン選手は、プライム(硬い方のタイヤ)だと、フロントが温まらないという話をしてましたね。
浜島
 気温が上がって、フェラーリも上がってきてますね。暖かいからかどうかはわからないですが、「1秒」(の範囲)に17台ですか、入ってますよねえ。ですから、ワン・ミスで(順位は)ずいぶん変わっちゃいますよね。

—-ロー・ワーキング・レンジのタイヤ二つを供給したことへの、チームの反応は?
浜島
 柔らかいタイヤを持ってきたんですけど、今回は、グリップ感がないから、みんな文句いってますね(笑)。二つのタイヤの「差」も、去年のプライムとオプションの違いと同じくらいなんですけど。ただ、軟らかめにして、グリップを落としてるから、去年よりイメージ悪いんでしょうね。
だから、去年のタイヤ持ってきて、誰かに走らせたいね! そうすれば、(去年のタイヤは)「遅い!」っていうのがわかるから(笑)。

—-中嶋一貴選手は、ロングランでも軟らかい方がいいといってましたが?
浜島
 いやあ、ロングランでも”タレ”ますよ、ちゃんと(笑)。さっきの計算でいっても、(二つのタイヤの性能は)どこかで交錯してくると思いますけどね。

たしかに、硬い
側が”使えない”となったら──でも、使わなくちゃいけないんだから、それなら、ショート・スティントで(硬いタイヤを)使って、軟らかい側をどうやって”保たせる”かというセットアップをした方がいいですからね。

あと、路面がよくなると、タイムの”落ち”は少なくなりますから、そういう意味でも、スーパーソフトの(レースでの)使い方というのはありますね。

                【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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