浜島裕英 タイヤ”deep”トーク ヨーロッパGP決勝直前スペシャル
・土曜日、FP3の始めは、一晩あいたせいもあって、路面は若干汚かった。
・ただ、金曜日のFP1とは違って、走るに連れて、どんどんキレイになった。
・QF(予選)がスタートしたときは、少しダスティだったが、すぐによくなった。
・以上が、トラックのコンディションである。
・タイヤのウォームアップについては、ほとんど問題はない。
・ミディアムの方が、0.5〜1ラップ、余計にかかるということくらい。
・スーパーソフトのメリットが少ない、とコメントするドライバーが多い。
・その理由は、リヤのスタビリティが足らないこと。
・トラックのコンディションがよくなって、フロントが”効く”ようになったので、それとの相対で、リヤについては、こういうコメントになっているものと思う。
・デグラデーション(磨耗によるタイムダウン)は、ほとんど「ない」と考えていい。
・ただ、スーパーソフトで、「2タイムド」くらいのときに、ちょっとリヤが”タレて”そのあとステイする、という意見がマジョリティだ。
・クルマのバランスは、路面がよくなって、前が”効く”ようになっているので、一般的には「オーバーステア傾向」になっている。
・予選のときの、スーパーソフトとミディアムのタイム差は、普通に計算だけすると、ごく僅かだが、ミディアムの方が速い。
・Q3で、各チームがオプションを使ったのは、レースの戦略上のこと。
・プライムでタイムが出てしまったときに、決勝のスタート・タイヤがプライムになるのはイヤだ、ということからの選択だった。
・レッドブルからは、スーパーソフトでもタイムはいい、オーバーオールのグリップはある、という意見が出ている。
・アロンソは、プライムを履いた方が予選タイムはよかったはず。しかし、それは戦略上(最終予選でつかん田タイヤでスタートしなければならないという縛りがあることから)できなかったと、チーム側が述べていた。
・プライム・スタートでも十分に闘えるチームはあるはずだが、”練習”での確認ができなかったため、他チームと同じにしようという傾向になっているのが現状だ。
・ベッテル(S.フェッテル)は、「カナダは、チームの作戦ミスだった」とちょっとムクレていた。第一スティントのタイヤも、履き替えたオプション(柔らかい方のタイヤ)も痛んでなかったが、チームがピットインを求めたという。
・今回のフォース・インディアは、フリー走行まではよかったのだが、QFになって急に”失速”した。チームは、タイヤのせいではないかと疑っている(笑)。
・メルセデスも、どっちのタイヤでもタイムが出なくなってしまった、と語っている。
・もしかしたら、両者に共通する”何か”があるのかもしれない。しかしそれは、タイヤ・サプライヤーとしては、よくわからない。
・この2チームの場合、セットアップ&前後バランスとして、リヤの”食いつき”がよくなりすぎたために、相対的にフロントが食いつかなくなって、アンダー傾向となり、タイムが出せなくなったという可能性はある。
・フェラーリは、FP3で、上記の傾向が出始めていた。
・フロントの”食いつき”に期待して、セットアップを変更したのかもしれないが、ただ、両チームとも、セットアップはいじっていないと主張している。
・予選で上位に来られなかったチームは、オプションが”好きでない”と考えられるので、クルマが重いとき、つまりスタート時はプライムで走ると予想できる。
・ただ、チームは意外と”コンサバ”だ。優勝できないとわかっていても、”王道”と違う作戦は採らないという傾向がある。