「その手があったか!!」–“Dream fulfilled”(夢は達成した)
最終戦アブダビでルイス・ハミルトンがペースを落して後続を近づけた”戦略”は、「その手があったか!! 」と、いかにF1のワールドチャンピオンが重要かを再認識させたが、今度は、ニコ・ロズベルグが驚かせる番だった。「その手があったか!!」。
ニコ・ロズベルグが引退した。12月2日、自身のフェイスブックで伝え、所属するメルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラ・ワン・チームから正式なリリースが届いた。
すでに、鈴鹿で勝った時に、タイトルマッチが自分の責任で左右することを悟り、強烈なプレッシャーにさらされていたという。同時に、タイトルを取ったら引退することを考えていたとも。
外から単にポイント争いを眺めて、ハミルトンとロズベルグはどちらが強いかを判断したがっていたことを恥ずかしいとさえ思った。ニコ・ロズベルグを見くびっていたということか。
小林可夢偉は、自分のツイッターで、ニコ・ロズベルグの決断を”かっこいい”と称賛した。確かに。プレッシャーにさらされて、堪えて堪えてタイトルを決めて、颯爽と引退した。こんなにかっこいい手があったのだ!
ニコ・ロズベルグから発表を前に意志を伝えられていたルイス・ハミルトンは、「来年は、レッドブルも手ごわい。ニコの後釜は、ポテンシャルがあるドライバーでなければならない」とコメントした。
そして、メルセデスF1チームのリリースのタイトルは”Dream fulfilled”、夢は実現しただった。なんとも颯爽とした人生!! ニコ・ロズベルグに一本取られた。
[STINGER]山口正己
Photo by MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team【STINGER】