◆フォーミュラE開幕戦で見えた!/④『FUN BOOST』
グリッドに掲げる準備中のFAN BOOSTプラカード。
フォーミュラE開幕戦で見えた!③から続く。
◆オーバーテイクの新アイデア
スーパーフォーミュラのオーバーテイク・ボタンや、インディカーのプッシュtoパス、F1のDRS(可変リヤウイング)など、追い越しの場面を創り出そうとするさまざまなアイデアが出ているか、フォーミュラEでは、”ファン・ブースト(FAN BOOST)”という新機軸を打ち出した。
ファン投票によって、上位3名のドライバーに、5秒間、通常150kwのモーターパワーが、180kwに上げられる。要するに、ファン投票による上位3名に、特別にオーバーテイクのためのパワーがプレゼントされる。
ファン・ブーストは、レース当日に締め切られ、スタート20分前に、権利保有者が発表される。スターティング・グリッドでは、”FAN BOOST”と書かれた3本のプラカードが権利を得たドライバーのマシンの横に立てられて、観客に伝えられ、同時に、フェイスブックやツイッターでも結果が報告される仕組みだ。
ファン・ブーストをどこで使うかドライバーの自由。例えば今回のレースの最後で、1-2のプロストとハイドフェルドが接触するような場面も、どちらかが権利を持っていたら、別の展開になっていた可能性がある。
今回の開幕戦で、ファン・ブーストが与えられたのは、以下の3名。
1. ブルーノ・セナ
2. ルーカス・ディ・グラッシ
3. キャサリン・レッグ
要は人気投票の結果と思えばいいが、セナは、アイルトン・セナの甥としての知名度があり、ディ・グラッシは、テスト段階からドライバーとして協力していた関係から貢献度が認められた格好だ。3番手のレッグは、佐藤琢磨のチームメイトとしてアムリン・アグリの77号車に乗ったイギリスの女性ドライバーだ。
フォーミュラE開幕戦で見えた!⑤に続く。
[STINGER]山口正己
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