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ホンダF1長谷川総責任者一問一答–その2

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2年目に、なんとかポジションを得られた。


F1復帰2年目を終えたホンダ。シーズンオフを休むことなく次への開発作業に明け暮れるホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者の胸の内。

その1からつづく)

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その2 ◆ 復帰2年目の感触

—-2016年シーズン終盤、引退やらなにやらでいろいろ動きました。ホンダとして、長谷川さんとしてはどんな1年でしたか。
長谷川:厳しい復帰初年度を体験して、ワンステップ確実に進められたかな、と。でも、おとぎ話のようによかったかというと、そんなこともないですが、2年目として、やらなければいけないレベルになったと思います。これで優勝でもしていたら、本当にドリームだったと思いますが、まぁ勝負は来年ですよね。その領域に通過点として近づいたと。

—-長谷川さんにとっては、第3期からの復帰初年度でした。
長谷川:思い出すことも含めて、いろいろ変化している中で仕事を理解して慣れるのに精一杯でしたね。こうしたインタビューも含めて、自分がどういう風に動けばいいのかがわかっていませんでしたので。

—-そうは見えませんでしたが(笑)。
長谷川:そうですか(笑)。

—-現場で変わったのは。
長谷川:闘いのクォリティの高さはやはりF1ですが、トークンがあるとか、レギュレーションも大きく変わって、仕組みが変化していました。F1を統括するFIAやFOMの動きかららも、F1GPが大きく動こうとしている変化途上にあるというイメージを感じました。僕自身がテクノロジーを理解して、次のステップにしなければならない、という辺りでまだまだあがいている状況ですね。

—-やるべき方向は見えていますか。
長谷川:今の段階でやるべきことはほとんどわかっているけれど、それがなかなか実現できない。時間も必要だし、経験値も必要。100mを9秒9で走ればいいことは見えているけれど、筋トレも必要だし、脚を早く動かす必要があることもわかっている。でも、できないものはできない、と(笑)。

—-でも、他の人ができるのなら。
長谷川:そう思っています。他チームの筋肉量も、ストライドの大きさもわかっているので、それを実現すればいい、といまは思っています。ただ、これでターゲットがいきなり8秒になっちゃうと、なにをやればいいかわからなくなる(笑)。

—-相手の力を見込んで開発を進めなければならないわけですね。改めて、戻ってみたF1はF1だったですか?
長谷川:それは間違いないですね。技術であったり、スポーツとして頂点を究めるためにみんながすべてを捧げて努力しているというのは、間違いのないところで、それは素晴しいですね。

—-素晴らしければ素晴しいほど大変だけれど、だからこそチャレンジのしがいがある。
長谷川:そうですね。たとえばQ3に入ったとか、目標値は低いかもしれませんが、それをクリアーするために本当にみんな必死になって、コンマ05秒を削っていく状況には本当に感動しますよね。

—-それは、長谷川さんご自身だけでなく、研究所や現場のスタッフも意識も。
長谷川:そうなったと思いますね。モチベーション的にかみ合ってきた、ということだと思います。

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◆STINGERの観方

Q3を目指すというのは、外からみると低い目標設定に見えるが、2年目の設定としては、的を射たものだったと思えた。そして、長谷川さんじたい、その目標が満足できるものではないけれど、自分たちの”現状”からは、妥当なものだと認識をしていた。それは”次”にステップする自信と感触があるからこその意識だと言ってもいいかもしれない。

その3につづく)
[STINGER]山口正己
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