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ホンダF1長谷川総責任者一問一答–その5

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2017年、マクラーレン・ホンダのポジションはまだ、読めない。

F1復帰2年目を終えたホンダ。シーズンオフを休むことなく次への開発作業に明け暮れるホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者の胸の内。

その4からつづく)

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その5 ◆ 2017年の勢力図の行方

—-今年は、18歳のウィナーの話題もありました。
長谷川:フェルスタッペンは特別感はありますが、全体として若いドライバーがいない、というか、以前僕が現場にいた2003年頃は、ジェンソン・バトンにしろ、フェルナンド・アロンソにしろ、あとはキミ・ライコネンやフィリッペ・マッサとか、始めからスゴイな、と思う若い子たちがいた気がしますが、それに比べるともうひとつという気がしています。いまは、フェルスタッペンくらいですからね。

—-確かに。パスカル・ウェーレインとかエスティバン・オコン、ジュリオン・パーマーも才能はあるといわれながら成績はもう一つですね。
長谷川:結果として見えないですね。特定のチームにしかチャンスがなくなっているかもしれませんね。ジョーダンでフィジケラが優勝しちゃったとか、トロロッソでフェッテルが優勝したとか、そうしたことが起き得なくなってきていますから。アロンソがミナルディで活躍したとか、凄さを感じられましたから。

—-フェラーリが圧勝していた時より、さらにメルセデスが圧倒的すぎるようなことかもしれませんね。
ということで来年ですが、我々としましては、このままメルセデスの天下が続かないでほしいというか(笑)。
長谷川:(笑)。来年のことは正直わからないですね。ただ、メルセデスが弱くなるというのは考えにくいので、フェラーリとレッドブルに期待ですね。レッドブルは凄いクルマを持ってくるかもしれませんね。ルノーも、エンジンがよくなってくれば。いや、あまりF1の解説をしたくないですけど(笑)、今年のレッドブルとメルセデスの違いがもし、パワーユニットだとすると、その差は間違いなく縮まると思いますので、レッドブルはそうとうやってくるのではないかと思います。

—-トップ3のポジションに対して、他が追いつく、ということでしょうか。
長谷川:フェラーリがちょっとわからないですね。なんかまた、やっちゃうんじゃないか、とか。いや、わからないですけど(笑)。

—-逆にいうと、ドライバーや関係者が動いていない、ということからするとフェラーリは安定していると見ることもできますが。
長谷川:う〜ん、そうですね。

—-極論でいうと、デザイナーとしてニューウェイがいるかどうかで大方が決まってしまうような気がします。
長谷川:そうですね。彼は、大きな変化に非常に強いと聞いてますので、そこは凄く心配ですね。レッドブル以外の上位チームは、堅実にいいところに持ってくると思います。エアロの変化など、大きな規則変化がある度に思うんですけど、走り出してみるとタイム差がよくあんな僅差にまとめてくるな、、といつも感心していますから(笑)。

—-どこかで申し合わせをしているんじゃないかと(笑)。
長谷川:本当に(笑)。それくらい、コンマ1秒とかの中に入ってきますからね。なので、車体系だけでいうとそんなに大きなさが出るとは思っていない。そういう意味でマクラーレンもきちっとやってくれるだろう、と思います。そうすると、引き続き、パワーユニットの差が大きく出てしまうのかな、と思っているので、そこもスゴイプレッシャーーですね。

—-またまたプレッシャーですね(笑)。
長谷川:来年の規則は、ダウンフォースも上がって、タイヤも大きくなるので、パワーユニットへの依存度がさらに高くなると思います。ですから、今年のようなパワーユニットの差があると、さらに大きく差が開いてしまう、ということになるのは明らかですね。


◆STINGERの観方

2017年最大の話題は、大幅な規則変更。マシンは大きくなり、中でもタイヤのサイズ拡大で、コーナリングスピードも大きく上昇する。”5秒速くする”というのがFIAの狙いのようだが、実際にどんな性能のマシンになるのか、そして、各チームの差がどう変化するのか、誰にもわからない。「レッドブルは凄いクルマを持ってくるかもしれませんね」とおっしゃる長谷川F1プロジェクト総責任者の意見を解釈すると、メルセデスに対して、レッドブルの進化が大きくなりそうだが、マクラーレン・ホンダがどの位置につけるのか、明確な差が見えるのは、開幕戦のレースが始まるまで待たなければならない。
[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]
その6につづく)
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