【パート6/6】 F1史上最大の大変革/シーズン開幕が待ち遠しい!!
ケータハム・F1・チームのシーズン序盤の立ち位置は?
3月14日(金)〜16日(日)に行なわれる、2014年F1チャンピオンシップ開幕戦のオーストラリアGPスタートまであと6日。STINGERでは、開幕戦に備えて、今年の見所やおさえておきたいポイントを6回にわたって紹介していく。
最終回の今回は、難しいプレシーズン・テストを経験したルノー・ユーザーの中でもダントツの周回数を稼いだケータハム・F1・チームのシーズン序盤のポジションについて検証してよう。
◆ケータハムにチャンス?
1月末からそれぞ4日間を3回、合計12日間行なわれた合同テストで、メルセデスに比べて、不調を囲ったのはルノー勢だった。レッドブルを筆頭に、走っては止まり、さらには走り出すことさえできずにテスト日程が消化された。
そのルノー・ユーザーの中で、唯一走行距離を伸ばせたのが、小林可夢偉が乗るケータハムである。ケータハムは、新興チームとして、例えばレッドブルに比べて予算は決して潤沢とは言えない。しかし、その中でできることを考えたエンジニアたちは、必要最低限の目標設定をして2014年型のCT05を製作したはずだ。
潜在ポテンシャルがトップランナーよりも低いことは想像に難くないが、だからこそ、比較的多くの走行距離を稼げた可能性がある。今年のプレシーズン・テストでは一時、ルノーに請われて、パワーユニットのテストを担当した日もあったという。相対的なポテンシャルが低くても、それを引き出すための走り込みが、他のルノー・ユーザーよりもできている、ということだ。
もしかすると、 このままの状況が開幕戦に推移したなら、資金の少なさからコンベンショナルなマシンしか創りようがなかったケータハムは、それが結果として功を奏して入賞ラインを狙えるポジションにいるかもしれない。そして、少なくとも序盤は、そのポジションを守れる可能性がある。
ただし、F1は日進月歩の世界であることも覚えておきたい。まずは、レッドブルを中心とするルノー勢がどこまで帳尻合わせをしてくるか。さらに今年の面白さは、開幕戦での勢力図ではなく、シーズン終盤に向けて、F1グランプリというテクノロジー集団が、どれだけすさまじい進化をやってくれるか、ということになるはずだ。
F1のテクノロジーの凄さにビックリする準備をして、開幕を待ちたいと思う。
[STINGER]山口正己
Photos by
CATERHAM F1 TEAM / LAT Photographic(マシン / 扉用素材)
CATERHAM F1 TEAM / LAT Photographic(マシン / 扉用素材)
CATERHAM F1 TEAM(マシン製作風景)