トヨタF1撤退会見全録-2/3
(1よりつづく)。
--2問お伺いします。一つ目は、撤退の判断が、現在のの経済環境とか中長期的観点から、ということでご説明いただきましたが、どうして撤退に至ったかをもう一度伺いたい。また、これまでは2012年まで参戦を続けると伺っていましたが、この時期に撤退を判断した経緯も併せて願いします。
もう1点は、すでにホンダが去年をもってF1から撤退ということになっていますが、これでトヨタも撤退することになりますと、日本の自動車メーカーの参戦ということがなくなるわけです。このことについて豊田社長はどのようにお考えでしょうか。
豊田 あのぉ、お答えさせていただきます。あのぉ、皆様ご存じのように、私自身、非常にあのぉモータースポーツは、個人的にも推進をしている一人でございます。こういうモータースポーツを自動車文化の、ひとつにしていきたいと思って精一杯がんばって参りました。そこでの応援の部分と、6月以降、社長になってから、のことでは、ちょっと、その、お〜立場が変わったということが、ご理解いただきたいというふうに思います。
で、この昨年来の経済危機以降、大変、え〜この、F1を続けるか続けないか、というようなことが、社内でも大変な議論になったことがございます。その中でも、モータースポーツを文化として育て上げたいという強い意志の元、TMG、ここにいる山科専務始め、ハウエット(ジョン・ハウエットTMG社長)さんを中心にですね、非常にチーム、がんばってコスト削減をやってもらいました。そいで、ありとあらゆる手を尽くしてやって参りました。で、ファンの方々からも、あのぉ、唯一残された日本チームとして、あの、応援いただきましたことを、ホントに感謝申し上げたいと思いますし、年初、富士での撤退を決めました時も、サーキットは、モビリティランド、そしてチームはトヨタとして、全日本の気概で頑張っていくと、いうことで、本当に最終戦まで頑張って参りました。最終戦を終わった段階で、今日、社内で取締役会を開きまして、え〜、やはり、今の経済状況を考えた上で、撤退せざるを得ない、ということを決定いたしました。
え〜、しかしながら、あのぉ、やはりここまでお育ていただいた関係者の皆様方の期待を裏切ってしまったことを、私もいちモータースポーツのファンとしても、苦渋の決断であったということをご理解いただきたいというふうに思います。
司会 はい、それでは、次の方。
--ひとつは、この決定が業績にはどういう影響を与えるのか教えてください。年間数百億円の参戦費用といわれていますが、今期、あるいは来期以降にどう影響するのか。また、今の話とも重なるが、豊田社長は以前、F1のあり方についてお考えだったということもありますが、今回、どのように決めていったのか。コスト削減が最も大きな理由と思いますが、コスト削減とすると、来期からのF1の予算上限を巡る議論で反対されたのは、トヨタを含めメーカー系のチームだったと聞いていますが、その辺の整合性をどのようにお考えかお聞かせください。
豊田 え〜収益に与える影響でございますが、あの明日、え〜第二四半期の後の決算発表をさせていただきますので、収益の点は、その場に委ねさせていただきたいと思います。で、あのぉ、判断、でございますが、あのぉ、これはですね、え〜私自身、6月以降、社長という立場になりました。そしてまぁ最終決断は、取締役会という場で、え〜、みなさんの意見を聞きながらやりましたけども、お〜、最終判断は、私がさしていただきました。で、え〜私自身、レースはクルマを鍛える、と同時に、人を強く育てる素晴らしい現場である、そういう意味でのクルマ文化、を育てるために、え〜、これからもですね、あのF1は残念ながら撤退いたしますが、あのぉそういう意味で、え〜アウトプットを、今後の商品、というものに持っていきたいようにやっていただきたいと思いますし、あの、ファンの方々、に関しては、F1の、F1だけのファンの方々には大変申し訳ない、というふうに思っておりますけれども、モータースポーツをホントに底辺から、かつ幅広く、我々もあのこれから支えていきたい、というふうに思いますし、え〜その辺はですね、ぜひとも、そういうことで、ご理解たまわりたいと思います。
山科忠専務(以下、山科)
あの、一言、付け加えさせ、てください。予算の上限枠を、あの〜、メーカー系、のチームが、反対をしていたというふうに捉えられていると思いますけども、実際は、あまりにも急激な予算削減案が、最初出てきたもんですから、そこまではすぐには行けない、ということで、FOTA、フォーミュラワン・チーム・アソシエーションの中で、いろんな話し合いをしながら、FIAとやってきた経緯があります。で〜、一面だけで、”反対”というふうに、捉えられる場合が多いんですけれど、必ずしもそうではない、ということをご理解いただきたいと思います。
司会 後ろのネクタイ締めた方。
--今シーズン、ウィリアムズにエンジンを供給していますが、それも含めて完全撤退と考えてよろしいでしょうか。もうひとつ、WRCやルマンにも過去、参戦していますが、収益が改善するまで、国際的なレースに参戦しない、と考えてよろしいでしょうか。
豊田 F1に関しましては、完全撤退と考えております。ほかの国際レースに関しましては、あの〜、現在やっております他のレースは継続、させていただきますが、それ以外のことは、今はまったく白紙でございます。
--今回、今年のF1の結果が、かなり優勝の可能性がありながら果たせなかったと思いますが、タラレバになりますが、優勝していれば、継続していたので
しょうか。また、トヨタの社長自身が、モータースポーツを自動車文化として強調されておられたのですが、今回お撤退は、単にトヨタというひとつの会社が撤退するということは、世界一の自動車メーカーがF1から撤退するという意味のことになりますが、本来なら、もっと頑張って、モータースポーツ文化を発展させるためにF1を続けていくべきではないかという意見も出ると思いますが、世界一の自動車メーカーとしてどうお考えでしょうか。
豊田 え〜っとですね、今年の結果、でございますが、私もですね、今年は、大変よく頑張ってくれたな、と思います。ひとつは、シンガポール・グランリ、え〜そして、日本グランリ、で準優勝をさせていただきました。で、この特に、え〜この日本グランプリは、私も、あの、観に行きましたけども、ホントにその、チームワークそのものが、勝利であったというふうに思います。ですから、え〜、優勝を逃したというよりは、私は、チーム全体が素晴らしい準優勝、というものを勝ち取ったなぁ、と思っておりますので、ホントに、あの、チームメンバーに対して、ホントに準優勝、胸を張れよ、というようなことを伝えました。
そして、え〜、残る2戦においては、あの〜ぅ、ま、グロッグさんのですね、あしいうこともあったんですが、え〜私どものTDP、トヨタ・ヤング・ドライ
バーズ・プログラム出身の、いわゆる小林ぃ可夢偉君が、F1の第三ドライバーをずっと勤めながら、え、最後に2戦出れたこと、これは、私自身も非常によ
かったなぁ、というふうに思っております。あの〜、2戦ではありましたけれど、F11サーキットを、実際に、日本人としてですね、え〜入賞をやり、立派な闘いをできたと思います。その後、継続してチャンスを与えてあげられないこと、は大変申し訳ないことだと思いますけれども、あの、彼等、中嶋君も含めまして、若いので、え〜、このあとですね、え〜今年までの走りを、お〜いろいろご評価されて、必ずや、彼等にまた、チャンスが来ることをお祈りしたいし、いろんな形で応援していきたいと思っております。
このあのぉ、優勝したかしないかで、この結果は別に、変わらないと思いますし、私は、準優勝で胸を張らせてあげたい、というふうに思います。