夏休み前のF1通信簿:その3–フェラーリの二人
21戦で行なわれる2016年F1GPは、7月31日のドイツGPで12戦を消化して、約1カ月の夏休みに入った。
テクノロジーの進化を最後に担うのが言うまでもなくドライバーだ。
与えられた道具をどう使うかは、ドライバーの力量次第。同じチームなら、基本として与えられる道具が同じだから、その視点で眺めると、一人一人の能力が見えてくる。
<成績>
数字は順位。×は入賞せず。最後に、12戦で獲得したシリーズポイントと順位をみながら12戦の闘いの軌跡を辿ってみた。
<素行>
12戦の闘い振りからどんなドライバーかを診断する。
では早速。
—-
[STINGER]が独自の視点でF1ドライバーの通信簿!!その3。
◆フェラーリの二人
5)セバスチャン・フェッテル
<総合評価>
速さ:10
巧さ:10
安定性:8
パッション:10
若さ:8
トータル:38
<成績>(×は入賞せず)
3位-×-2位-×-3位-4位-2位-2位-×-9位-5位-3位/獲得点数120点(5位)
2010年から2013年の4年間で77戦中34勝の連続チャンピオンの後、2014年には勝利なし。2015年待望のフェラーリに移籍して3勝したのは見事だったが、今年は未勝利。それでも6回表彰台に上がっているものの、不運なトラブルも多く、12戦終了時点のポイントでキミ・ライコネンに置いていかれている。
<素行>
よくしゃべる。会見では、独演会になりがち。もちろん、それはサービス精神の現れだが、時には他人のコメント中に”乱入”することもあるが、皆笑ってすませている。セバスチャンの人徳? しかし、ステアリングを握ると果敢な精神構造になり、特に周回遅れに対する無線の叫びが”ピー”音乱発になりがち。今年は、12戦終了まで勝利がないフラストレーションもたまっているか。
– – –
6)キミ・ライコネン
<総合評価>
速さ:9
巧さ:10
安定性:8
パッション:8
若さ:7
トータル:42
<成績>(×は入賞せず)
×-2位-5位-3位-2位-×-6位-4位-3位-5位-6位-6位/獲得点数122点(4位)
気がつけばそこにいる感じだが、それでも12戦終了時点で122を獲得、メルセデスの二人とレッドブルのダニエル・リカルドに次ぐ4位に付け、同僚のセバスチャン・フェッテルに2ポイント差を付けている。18歳の最年少GPウィナーのマックス・フェルスタッペンとの先陣争いが多いのが印象的。最年少と1979年生まれの36歳(ぴったり倍)の最年長のバトルが2016年シーズンを盛り上げている。
<素行>
最近は、いるのかどうかわからないほど、あまり目立たない。酒の話題も影を潜めている? 目立つと言えば、18歳の暴れん坊マックス・フェルスタッペンに対して、”ラインが乱暴だ”と無線で文句を言うところくらい? しかし、ポイントでは、よくしゃべって目立つセバスチャン・フェッテルをしのいでいる。今年いっぱいで引退かチーム移籍かとの噂をキッパリ打ち消して早々にフェラーリと契約更新した。
※結婚したので、シーズン後半は別のキミがみられるかも?!
[STINGER]山口正己
Photos by
Ferrari S.p.A / FERRARI PRESS OFFICE / FERRARI MEDIA