フェラーリ「F14 T」 ファースト・インプレッション
フェラーリは、2014年型を、1月26日に発表した。マクラーレンに続く2番目の公式発表である。
すでに、発表に先んじて、マシンの呼称は一般公募で”F14 T” に決定していた。2014年から始まるターボエンジン規定の最初のマシン、という意味である。
発表会に向けて、フェラーリ会長であるルカ・モンテゼモロは、”この4年間、ずっとチャンピオンシップの2番手だったが、今年は勝つときだ!!”と、意気込みと、スタッフへの檄を飛ばした。”コンペティティブになるのは、マシンだけではなく、チームもだ”と。
チーム代表のステファノ・ドメニカリは、”トータルな新しいパワートレーンは、非常に興味深いものだ。シーズンはすさまじく長いものになるだろう”とモチベーションを高めていることを表明した。
フェラーリF14 Tは、ジェームス・アリソンが指揮をとってデザインされた。アリソンは、”相変わらず空力は最も重要課題だが、新しい規則の中で、リライアビリティ(信頼性)も高めなければならない”と2014年の闘いを予見した。
フロントノーズは、流行になりそうな先端がとがった他のマシンのようなものではなく、のっぺりとなだからな曲線のフロント部分を特徴としている。
モノコック先端が10cm低められたことで、ドライバーの足の位置も低くなった。具体的には、横から見た場合、去年までの肩の高さから、胸辺りまで低くなっている。つまり、モノコック先端部の高さ規制の影響は、外見だけでなく影響が出そうなことを伺わせている。
フェラーリのタイトルは、2007年が最後。そのタイトルは、今年”復帰”するライコネンが奪ったものだ。モンテゼモロ会長の言葉を待つまでもなく、フェラーリ陣営のモチベーションは高まっている。
[STINGER]山口正己
フェラーリ「F14 T」 スペック
■シャシー
型式:F14 T
モノコック:カーボンファイバー&ハニカム・コンポジット構造
ギヤ・ボックス:フェラーリ製縦型ギヤ・ボックス
ディファレンシャル:サーボ制御式油圧リミテッド・スリップディファレンシャル
トランスミッション:セミオートマチック・シーケンシャル電子制御ギヤ・ボックス(クイックシフト)
ギヤ:8速+リバース
ブレーキ:ブレンボ製 ベンチレーテッド・カーボンファイバー・ディスクブレーキ
サスペンション:プルロッド式トーション・スプリング独立型縣架サスペンション(フロント&リヤ)
総重量:691kg(ドライバー、燃料込み)
ホイール:OZ製 13インチホイール(フロント&リヤ)
■エンジン
排気量:1600 cc
最大回転数:15,000
ターボ・チャージング:シングルターボ
燃料流量:1時間当たり最大で100 kg
タイプ:V690°
口径:80 mm
ストローク:53 mm
シリンダー数:6
バルブ数:シリンダーごとに4(計24)
■ERSシステム
バッテリーエナジー(1周ごと):4 Mj(メガジュール)
MGU-K(パワー):120 kW(キロワット)
MGU-K(最大回転数):50,000 rpm(回転毎分)
MGU-H(最大回転数):125,000 rpm(回転毎分)
そのほかのフェラーリF14 Tの画像はこちら