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ホンダF1長谷川総責任者一問一答–その6

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パワーユニットは、2016年5月に開発に着手し、「全部を一からやり直した」。

F1復帰2年目を終えたホンダ。シーズンオフを休むことなく次への開発作業に明け暮れるホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者の胸の内。

その5からつづく)

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その6 ◆ 去年の5月から始めて、全部イチからやり直している

—-パワーユニットですが、今年は、電気の部分はやり切っていて、エンジン本体の出力と燃費の部分で差がついている、ということでしたが、来年に向けては?
長谷川:いままさにそこを必至でやっているところなので、なかなか具体的なことは申し上げられないのですが、まさにそこを頑張っています。

—-エンジン本体は別のものになる?
長谷川:エンジンは全部イチからやり直しましたね。

—-その作業はいつごろから?
長谷川:昨シーズンの5月からです。

—-エンジンを速い段階で仕込まなければ、というのは思っていたことだったので、翌年に向けての準備を予定通りそこから始めた。
長谷川:そうですね。

—-詳細はまだお聞かせいただけないとして、要するに、メルセデスに追いつけ追い越せということで5月から進めていた、と。
長谷川:まさにそうですね。

—-感触としては、今の段階(インタビューは2016年12月)でどんな感じでしょうか。
長谷川:いや、難しいですね。

—-相手の出方がわからない?
長谷川:ええ。そんなに簡単なもんでじゃない、ですね(笑)。ただ、そこに向けてできることは、あらゆることをやっています。

—-例えば?
長谷川:端的にいうと、昨年までやっていなかった、外国のエンジニアを使うとか、コンサルタントを使うとか。コンサルは前からやっていたことですが。特に海外からの人を使っている、というのは大きいですね。

—-規則が大きく変わります。車体は、サイズが大きく変わって空力的にかなりの変化になる。タイヤも太くなりますが、パワーユニットとしては?
長谷川:シーズン中に使える数が、5基から4基になるのが大きいですね。

—-数が変わると?
長谷川:使用マイレッジが変わりますね。2割増になりますから、それは大きいです。

—-2割増しというと、どれくらい大変になりますか?
長谷川:う〜ん、2割増しくらい大変になります(笑)。

—-それはたいへんだ(笑)。
長谷川:耐久で一番大変なのは、確認に時間がかかることなんです。いままで10日でできたものが12日かかることになります。もちろん、応力計算などを徹底的に行なってから作りますが、安全率があるので、限界ピッタリにはしないわけです。そこで確認が必要になる。それを全部やらなければならなくなりますから。

—-耐久性を上げるなら、例えば、部材を厚くしたり、要するに重くなる方向にすると思いますが、それでは勝負にならない。どんな方向で考えるのでしょうか。
長谷川:もちろん、骨格を工夫するとか、冷却を工夫するとか。あと材料が大きいですね。

—-例えば軽量化で、”何kg軽くなった”というのを聞くと、いままで、手抜きだったのかと(笑)。もちろんそんなことはないわけで、それまでも徹底的に突き詰めてピンピンのところまでやっていたはずですが、どういう考え方で開発を進めるのでしょう。
長谷川:正直、試行錯誤のところが凄く大きいんです。

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◆STINGERの観方

2016年で、トップ7が見えたが、目標は勝つことだ。とはいえ、2016年につかんだ感触で、”次”の目標設定が明確になった。パワーユニットをパワフルでかつ耐久性に優れたものにするため、「全部一からやり直し、あらゆることをやっている」と長谷川F1プロジェクト総責任者はコメントした。もちろん、”相手”があって初めて自身のポジションということになるが、大幅な規則変更が実施される2017開幕戦がますます楽しみになってきた。

[STINGER]山口正己
photo by HONDA

(その7につづく)

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