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「メルセデス、やめてよ(笑)」–長谷川F1プロジェクト総責任初現場会見

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ときにジョークを交えながら、真摯な受け答えが印象的。


2016年F1GP開幕戦で、ホンダがイメージチェンジした。

EVやハイブリッド、自動運転など新しい技術領域の先進技術領域の担当から、F1の代表者となった長谷川祐介F1プロジェクト総責任が初めての会見を行なった。

時折ジョークを交えながら、モーターレーシングの機微を理解し、自分たちのポジションを弁えた発言に、ホンダの活躍を祈らずにはいられなくなった。


◆パフォーマンスをきちんとみたい
—-天気が気になる、ということでしたが、当然、晴れがいいですよね?

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長谷川祐介F1プロジェクト総責任(以下長谷川):う〜ん、難しいですよね。チームとしてもドライバーとしても、不安定な要素があった方が、よりチャンスがある、ということがいえるかと思いますが、ただ、パフォーマンスをきちんとみたい、という意味では、やはり安定した天候で走りたいですよね。我々のポジションが(いまは)ぜんぜんわからないですから。

—-逆に、ドライになって安定したとすると、当然、スピードも高くなって負荷が大きくなって、という心配が出ると思いますが、今までのテストからずっと拝見していると、安定性、という意味では、かなりいいところに行っている気がしますが、その辺りはどんなふうにお考えですか?
長谷川:いや〜、まだまだじゃないですか? ですからそれを”みたい”という気持ちはもちろあります。技術的にはそこをちゃんと把握しなければ、次のステップに進めませんから。

◆まずはQ3
—-社長が2月24日の会見で、”まずはQ3が目標”とおっしゃいましたが、レギュレーションが替わって、10台が8台になりました。その辺り、かなり厳しい気がしますが。
長谷川:厳しいですね。今の状況ではなかなか難しいんじゃないかと思います。でも、そこを目指さないのであれば、レースに参加している意味がないので、目指している、という意味では(まずはQ3です)。

—-今日の結果(6番手と7番手)の結果は、そのままの力ではないと思いますが、ウェットコンディションでの挙動については、相当苦しい?
長谷川:苦しい、というか、ダンプ(ウェット状況の変化)もそうですが、風がともかく強かったですから。クルマが飛んでっちゃうんじゃないか、と思うくらいで(笑)。

—-マトモにアクセルを踏めない状況で。
長谷川:そうですね。こういう中では、よくちゃんと走れたな、と。

—-第三期からしばらく間をおいて現場に戻られましたが、F1の雰囲気はいかがですか?
長谷川:やっている人たちがあまり変らないので、パドックにたくさん昔の仲間がいるのはとてもアットホームですね、みなさんも含めてお会いできて嬉しいんですけど(笑)、テクノロジーが大きく変わっていることが一番大きいですね。(第三期F1に関係し、その後フォースインディアにいる)オットマーからは、よく帰って来た、と(笑)。

◆言葉ではなく、まずはきちんと

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—-新井さん(昨年のホンダF1レーシングチーム代表の新井康久氏)が、去年活躍できなかった理由のひとつは、7年間、休んでいた間にF1全体が進化したことがあり、自分たちもさび付いていた部分があった、とおっしゃっていましたが、戻られて、いかがですか?
長谷川:スタッフに関しては、相当みんながんばっている、というか頼もしいメンバーになってきたと思います。彼ら自身も昔一緒に働いていたメンバーですから。当時は、若かったけれど、いまは責任者になったり頼もしくなりましたね。一方で、おっしゃるように、そもそも準備が足りていなかった。足りてない、というより準備に対して時間が、7年間離れていたことによって、他に水を開けられてしまった、というのは間違いなく事実なので、そこをどうやってキャッチアップするか、ということだと思います。

—-社内も含めて、周囲の期待が大きい中で、どう応えるかという辺りについてはどうお考えですか?
長谷川:どう喋るか、というのはもちろん大事ですが、結局、結果が着いてこないと何を言っても意味がないと思いますので、まずはきちんとした結果を出さなければいけないと思います。

—-“期待”をどこに置くかにもよると思いますが、ある程度の感触をつかめるまで、どのくらいの時間がかかりそうですか?
長谷川:あの〜、ひとつには、きちんと進化を見せられることですね。ひとつひとつ確実に進化するということが、まず大事だと思います。もちろん、最終的には、みんなチャンピオンを目指しているわけですから、それが何年後、というのは言えませんけれど、きちんとこの世界でやっていけるんだ、ということを、まず証明したいと思います。

—-期待感と言うと、社内での期待感もあると思いますが。、八郷隆弘社長からは、どんな言葉をいただいていますか?
長谷川:八郷さんも、ボクが言ったことと同じですね。やはり、一歩一歩確実に、ステップアップしなさい、と。その代わり、言った目標を達成するようにしなさい、と。ですから、いきなり優勝!!とか、そういうことではなく、きちんと設定した目標を有言実行で達成しなさい、とい
うことですね。

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—-信頼性はそれなりに達成できていると思いますが、性能と言う意味では。
長谷川:ぜんぜん足りてないですね。

—-とりあえずはまずはQ3に入るというのが。
長谷川:目標ですね。でも、自分たちがどの位置なのか、(今日の段階では)本当にわからないです。今日のけ状況ではまったく分かりませんし、でも、感覚的には厳しいと思いますね。

◆みなさんと同じです(笑)
—-今日の確認事項は?
長谷川:基本的にバルセロナのテストと同じ(パワーユニット)ですが、燃料の調整ですとかを確認して、基本的には特に問題はなかったのはよかったと思います。

—-足りていない、とおっしゃいましたが、デプロイ(溜め込んだエネルギーをどう使うか)とエンジンそのものとどちらが。
長谷川:両方ですね。

—-バルセロナのテストで、相手が何をやっているかわからないながら、ある程度の感触はつかめている?
長谷川:みなさんもそう感じていないですか(一同爆笑)。感覚的なものですけれど。

—-ライバルたちの底上げも、かなりのものである、と。
長谷川:ですね。

—-トークンの使用量が発表されましたが。
長谷川:フェラーリが使っているなぁ、と。あと、メルセデスも。あの、ちょっと言いたいこともありますけど、ヤメときます(笑)。

—-なんだろう、聞きたいですね。思った以上にトークンを使われてしまった、という意味ですか?
長谷川:いやいや、分析した意味ではなくて、随分、使ったな、と。

—-開幕前にそれだけ使う、ということはどういう理解をしていますか?
長谷川:基本は開幕前に使うべきですよね。それは普通のことだと思いますけど。やっぱり、手を抜いてないない、と。特にメルセデスは。ヤメてよ、と(笑)。
まとめ[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]
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