「トヨタがF1撤退に至った理由」というある内部証言(1/4)
◆社長が参加するスパ24時間の”周到な”準備
トヨタのF1撤退から1カ月が経過した。ドイツのケルンのトヨタF1前線基地TMGでは、12月上旬に600名以上のスタッフに正式解雇が通達された。
日本のトヨタ自動車社内では、すでに”F1″というフレーズがタブー視されているとも言われる。豊田章男新社長が、”グラスルーツこそ重要”という大義名分で、自ら参戦するニュルブルクリンク(*スパ-フランコルシャンを修正)の24時間レースを中心に添えた”方針”を表明しているためだ。この会社の社長の意志には誰も逆らえない。
GAZOOレーシングという旗印の元に、たとえばF1で使ったトランスポーターやモーターホームを、そっくりニュルブルクリンクの24時間レースに投入する計画もあるという。すでにTMGには、その”社命”による準備のために、日本の本社から社員が送り込まれている模様だ。解雇されるスタッフには、彼らが、第二次世界大戦の後にやってきた進駐軍のように映ったかもしれない。しかし、彼らの任務は、そこにいる先住民のためではなく、社長直下のプロジェクトを遂行することにある。
来年のスパ24時間のために待機中!?
ちなみに、スパ-フランコルシャンで行われる24時間レースのために、F1で使われたモーターホームで炊かれる米は、”無洗米では、おいしくないので、普通の米にするように、というお達しまである”という。まさか、F1を撤退した会社の社長が、社費でレースに出るとは思えないことから、そうした費用は、社長個人の懐から捻出されるはずだが、GAZOOという旗印とその辺りの関係を、機会を見つけて、株主総会でも通用するようにきちんと説明していただきたいところだ。