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「方向性は正しいと信じています」–揺るがない長谷川F1プロジェクト総責任者

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ロシアGPの金曜日に行なわれた恒例の会見。今回の登壇者は、3メーカーのエンジン・エンジニア。フェラーリのルイジ・フラボーニ、ルノーのニック・チェスター、そしてホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者だった。

まず、3戦2勝を上げている好調フェラーリのフラボーニに、進化について質疑が行なわれ、続いて、長谷川F1プロジェクト総責任者に質問が向けられた。

いつものように、時折ジョークを交えながら、真摯な対応が印象的だったが、注目すべきは、「開発の方向は間違っていない」というコメントだった。

—-HondaのHasegawa Yusukeに移動しましょう。

司会が長谷川F1プロジェクト総責任者を指名し、遠慮なくストレートに質問した。

—-ホンダはフラストレーションに苛まれていると思います。2017年に新しいパワーユニットを導入しましたが、パフォーマンスは昨年よりも悪化しています。今年に向けての新たな方向は根本的な間違いだったでしょうか。

※これに対して長谷川総責任者の回答は、「フェラーリの質問の後では、非常に厳しい質問です!」とまずは軽いジャブで断った上で、実に明解な答えを出した。

長谷川F1プロジェクト総責任者(以下、長谷川):しかし、私は間違いを犯したとは思っていません。去年から今年にかけて、パッケージだけでなく燃焼も含むすべてを変えなければならないことが分かってたので、すべての領域を修正しようとしました。重量を減らし、COG(センター・オブ・グラビティ=重心)を下げるために成功したパートもありますが、確かに燃焼から十分な電力を得ることができませんでした。そう、まぁ、それは単なる言い訳ですが(笑)、まだ時間が必要ですが、大きなミスを犯したとは思わない、その方向性は正しいと信じています。

—-今年までにパワーユニットの進歩はどうでしたか?

長谷川:明らかに私たちは満足しませんでした。私たちは現在の状況にとても失望しています。しかし基本コンセプトは正しいので、シーズンの途中で良い進歩を遂げることができると確信しています。

※一昨年の新井康久代表の場合、こうした発言が常だったので信憑性に乏しかったが、長谷川総責任者がこういうことを口にするときは、確たる自信がある時に限られる。

そして、去年の8月にインタビューした時と、長谷川F1プロジェクト総責任者のコメントは寸分のズレもない。次の質問に対しても同様だ。

—-別の話題に移りましょう。2018年に2番目のチームにエンジンを供給するという話があります。決定の期限近づいています。これについて何を教えいただけますか?

長谷川:今回の活動の当初から、(参加する限りは)フォーミュラワン社会をサポートすることを念頭においていまし。その観点から、複数チームへのサポートをする必要があります。結果としてそれは、より多くのデータを得ることができ、マシンを走らせる機会が増えるので、複数のチームに供給するこで利益が得られると考えているので、2番目または3番目のチームの存在を否定しません。

—-どのチームに話をしていますか?
長谷川:様々なチームと話しています。残念ながらここでは何も言えません。

※質問者は、”成績不振でこまっている”というコメントを引き出そうとしているが、長谷川F1プロジェクト総責任者はなかなか簡単には軍門に下らない。信じた方向を見据えて前進あるのみ。今は辛いが、信じる”その時”の到来を待ちたい。
[STINGER]山口正己

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