FIA、2011年以降のレギュレーション変更点を発表
10日(土)、モナコ公国において、2010年最後の世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル-WMSC)が開かれた。
当日の夕方には、FIAがモナコのデテ・ド・モンテカルロにおいて、世界各地でタイトルを獲得した数々のチャンピオンを表彰した。さまざまなカテゴリーで獲得された念願のトロフィーを授与することによって、FIAの2010年シーズンは幕を閉じる。
■フォーミュラ・ワン
WMSCは、2013年からエンジンの仕様を新たにすることで合意した。これはFIAが自動車産業の安定した発展に寄与することを考慮して定めたものだ。エンジンメーカーやこの分野の専門家と協議した結果、パワーユニットは最高500気圧までの高圧インジェクションを装備した1.6リッター、4気筒とし、1万2000回転のレブリミットが設定される。
新しいレギュレーション下のエンジンは燃料消費量が35パーセント減少し、徹底したエネルギーの制御および回収システムが導入される。その一方で、エンジン性能そのものは、現在の水準が維持される。2013年にはドライバー一人につき年間5基のエンジンが使用できるが、翌年からその台数は4基に制限される。
■競技および技術規定
2011年からは、以下の項目を含むいくつかの競技および技術規定が変更される。
– チーム・オーダーを禁止する第39条1項は削除される。競技の品位を損なう行為の取り締まりは、国際競技コードの151条c項、および適宜決定される規定に従って行われる。
– 競技委員はペナルティの項目を変更することができる。
– ピットの走行レーンは最大の幅か制限される。
– 安全のため、競技委員長がレース中にピットレーンを封鎖する権限を持つことがレギュレーションによって定められる。
– 2011年から、インターミディエイト・タイヤの使用が再び認められる。
– レース中に2種類のドライタイヤを使用しなかったドライバーに対するペナルティを定める。
– ギヤボックスは同一の物を現在の4レースではなく、5レース連続で使用することが義務づけられる。
– マシンがセーフティ・カーを追い越して良い場合を明確にする。
– すでに合意された可動リヤウイングに関するレギュレーションを修正する。
– あらたな基準に従い、前部を中心とする車体の強度テストをより厳格なものとする。
– ドライバーの脚部を保護するため、変形しないパネルの使用が認められる。
以下の分野について、2012年シーズンにむけたレギュレーションの変更が検討される。
– チーム内の通信を放送関係者に公開する。
– バイオマス素材を含む燃料の使用。
– サスペンション・アップライトの面積の制限。