モンテゼモロ、FIAの協力か分裂するしか道はない
13日(土)にスタートしたル・マン24時間耐久レースのスターターを務めたフェラーリのルカ・ディ・モンテゼモロ社長は、参戦チームの年間予算案をめぐって危機的状況にあるF1を正しい道に戻すには、FIAの改善か、F1から自動車メーカーが分離して新しいシリーズを立ち上げるしか方法がないと、集まった記者たちに語った。
「フェラーリとしては、F1に参戦し続けたいという思いがある。ただし、それはFIAが我々の信頼できる存在になってくれればというっものだ。そうならない場合は、自動車メーカーを中心に、新しいシリーズを立ち上げるしかない。我々にはそれを作るだけの技術、知識、投資力があるから、新しいシリーズを作ることはそれほど難しいことではない」。
「フェラーリのDNAはレースだ。F1は切っても切れない存在だが、F1をやめる場合は他のレースを探さなくてはならない。もちろん、ル・マンはその最優先事項の1つだ」。
※F1参戦チームの年間予算案(バジェット・キャップ)
FIAが2010年から導入しようとしている年間予算案は、基本的に4000万ポンド
(59億円)を上限とするもの。予算がそれを上回っても問題はないが、限度内に予算を抑えると、現在は制限されている一部の制限が解除され、レースを
有利に戦えることとなる。このように、2つのレギュレーションがF1に存在することに反対しているスクーデリア・フェラーリ、BMWザウバー・F1・チー
ム、レッドブル・レーシング、パナソニック・トヨタ・レーシングは撤退する意思を見せていたものの、FOTA(全チームからなる組織)は、条件付で
2010年のチャンピオンシップにエントリーした。この問題はまだ解決していないため、今後の動向に注目が集まっている。
なお、AT&T・ウィリアムズとフォース・インディア・F1・チームは、FIAの予算案に合意、無条件でエントリーを申請した。また、新チーム枠にはカンポス・グランプリ、マノー・グランプリ、チームUSF1が収まった。