FIAの出方次第で主要チームはA1GP?
6月12日、FIAは、別項の通りの2010年エントリーを発表した。
それによると、FOTA(F1チーム協会)会長として、BC(バジェットキャップ)と2種類の車両規則の存在に真っ向から反対するモンテゼモロ会長の配下にあるスクーデリア・フェラーリも正式エントリーしていると伝えられたが、これに対してフェラーリは、「条件付きであって正式エントリーではない」とリリースを発表した。
トロ・ロッソとレッドブルもフェラーリと同様の状況であることを表明した結果、FIA発表は正式エントリー8チーム、条件付きが5チームだったが、3チームの意義申し立てを整理すると、その比率は逆転して以下のようになる。
◆正式エントリー(5チーム)
AT&T・ウィリアムズ
フォース・インディア・F1・チーム
カンポス・グランプリ
マノー・グランプリ
チームUSF1
◆条件付エントリー(8チーム)
スクーデリア・フェラーリ・マールボロ
スクーデリア・トロ・ロッソ
レッドブル・レーシング
ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス
BMWザウバー・F1・チーム
ルノー・F1・チーム
パナソニック・トヨタ・レーシング
ブラウンGP・フォーミュラ ワン・チーム
A1GPへ行く?
さらにこの内容を見ていくと、正式エントリーしている5チームのうち3チームは新規参入組。この事実は、”モズレー会長もウカウカしていられない”という状況を意味することになる。
フェラーリなど数チームは、仮にFIAがBCと車両規則を現状のまま強行採決するのであれば撤退も辞さずとしている。F1撤退後の行く先を、2輪のモトGPの統括団体とのジョイントに見いだそうとしているとの噂もあるが、すでにフェラーリ・エンジンで実績を持つA1GPとのジョイントではないかとの声も聞こえる。
2輪のモトGPでは、開催運営のソフト面はクリアーできたとしても、車体の準備などのハード面に不安が残るが、A1GPはすでに5年間の実績があり、フェラーリ・エンジンを使っていることから、F1との関連も強い。ここにF1チームがスライドすることで、A1GPが本来ターゲットとしている世界選手権のストーリーが増強されることにもつながる。
「むしろ、行き詰まったF1から脱皮して新鮮な形になる」という意見もあり、さらに、現在の参加23カ国に、トヨタが加われば日本チームも誕生するなど、A1GPは確実にポテンシャルアップすることが考えられる。
FIAは、来週の金曜日の6月19日、イギリスGPのスケジュール初日までにエントリー問題に決着をつけたいとしているが、こうした状況を感知したマックス・モズレー会長が、どう動くかが注目されている。