FIAとFOTAの協定に撤回の可能性
合意したばかりのFIAとFOTAの関係に、早くも暗雲が立ちこめている。
24日の世界モータースポーツ評議会で、来年の予算案を発端としたFIAとFOTA(フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション)の対立はなくなり、F1分裂の危機を脱した。しかし、FOTAがマスコミに与えた情報には誤りがあるとして、FIAのマックス・モズレー会長は、FOTAの議長であるルカ・ディ・モンテゼモロ(フェラーリ会長)に怒りの手紙を送った。
その手紙には、FOTAがモズレー会長は独裁者であるとマスコミに示唆したことや、10月で会長を退くことになったモズレー会長が、今後のF1の指揮を獲ることはなく、FIA議会のミシェル・ボエリが実質的な責任者になるといったことが間違いであるとした。また、モズレー会長は、24日の合意を有効にしたいならば、FOTAは、これらの誤りを修正し、謝罪して欲しいこと、今後はこのような間違いを流すべきではないと主張している。
※FOTA
AT&T・ウィリアムズとフォース・インディア・F1・チームを除いた8チームからなる組織。
※F1参戦チームの年間予算案(バジェット・キャップ)
FIAが2010年から導入しようとしていた年間予算案は、基本的に4000万ポンド
(59億円)を上限とするもの。予算がそれを上回っても問題はないが、限度内に予算を抑えると、現在は制限されている一部の制限が解除され、レースを有利に戦えることとなる。このように、2つのレギュレーションがF1に存在することに反対しているスクーデリア・フェラーリ、BMWザウバー・F1・チー
ム、レッドブル・レーシング、パナソニック・トヨタ・レーシングは撤退する意思を見せていたものの、FOTA(全チームからなる組織)は、条件付で
2010年のチャンピオンシップにエントリーした。現在はこの問題は解決されており、FIAとFOTAは合意。FIAの予算案は撤回され、レギュレーションも従来のものに若干の変更が加えられたものが採用される。