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FIA 金曜日会見P.ザウバー発言全録

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GP開催中の金曜日には、チーム関係者が会見場に招かれる。本日の出席者は、コリン・コリス(イスパニア)、アダム・パー(ウィリアムズ)、エリック・ブイユ(ルノー)、そして、可夢偉(カムイ=小林可夢偉)が所属するザウバーのペーター・ザウバー。このなかから、P.ザウバー代表のコメントを抽出してお届けする。

— 今シーズンは非常に厳しい滑り出しになっています。以前とはかなり違うと思いますが、いったいどうなっているのでしょう?
ペーター・ザウバー(以下PS)
 簡単に説明できることではない。エンジニアに訊いてもらった方がいいだろう。もちろん、特に冬のテストが上出来だったから、もっといい結果を期待していた。

— たとえば前回のレースで基本的な問題は何だったのでしょう?エンジンか、それともセンサーの問題でしょうか?
PS プレッシャー・センサーが原因で、あのエンジンはもう使えない。

— 開幕戦でも、問題がありましたが…
PS
バーレーンのときは油圧系の問題だんだ。そのうちひとつは単純なミスで、どっちも起す必要のないトラブルだった。

— ドライバーはベテランと新人の興味深い組合せですが、あのふたりについては、どう感じているのでしょう?
PS
この3レースというもの、問題ばかりだったから、ドライバーについて話すのも難しい。ああいう状況では、可夢偉(小林)もペドロ(デ・ラ・ロサ)も実力を発揮することなどできなかった。

— 早く落ち着かせたいところですね?
PS
そう、是非そうしないと。

— 今回はトラブルなしに切り抜けられそうですか?
PS
そう願いたいところだ。

テクニカルディレクターが長年チームで働き、数々の成果を挙げてきたウィリー・ランプから、ジェームス・キイに変りましたが?
PS
ウィリーは何年も前からチームを離れるつもりだった。

— 彼のいちばんの強みは何だったのでしょう?
PS
いろいろあったよ。いろんな強みが。チームへやってきたのは14年前で、最初は現場のエンジニアだった。そこから徐々に力をつけ、結果を残してきた。とくに2001年はニック(・ハイドフェルド)とキミ(・ライコネン)がいて、ランキング4位になった。

— ジェームスはうまくその後を引き継いでいますか?
PS
まだ判断するのは時期尚早だと思う。このように難しい状況ではなおさらだ。この状態でチームを引き継ぎ、早く結果を出すのは難しいだろう。

— チームを離れたあとも、ウィリーはレースの現場へやってくるのでしょうか?
PS 
ウィリーが指揮した最後のレースはセパンのマレーシアGPだった。そして今回からジェームスが担当している。ウィリーは今月いっぱいでチームを離れることになっている。

(以下、質疑応答)
— (ジー・ウー オートニュース・チャイナ) ザウバーチームは、またプライベートになり、その指揮を採ることになったわけですが、BMWが入ってきたときと今とでは、環境や雰囲気がどう違っているのでしょう?
PS
雰囲気はワークスだったころもプライベートになったあとも同じでとてもいい。その点で違いはないと思う。もちろんチームの規模ははるかに小さくなった。従業員が260人だから、3分の1くらいだろう。その意味で、大企業と組んでいるときにより家族的になった。

—(ジー・ウー オートニュース・チャイナ) これまで多くのメーカーチームがF1に参戦していましたが、プライベート・チームが生き残る難しさはどのようなものでしょう?
PS
メーカーチームのいくつかは撤退していった。私が言っているのは3つの大メーカーチームだが、今は有力チームとプライベーターのバランスが取れていると思う。ウィリアムズもイスパニアも、生き残るのが難しいのは同じだ。ウィリアムズはもう40年も苦労して続けてきた。とてもたいへんなことなんだ。最近の20年間で、25のチームがF1から撤退していった。とても難しいんだ。アダム(・パー)なら、もっと詳しく知っていると思うけれど…

100415FIA2.jpgアダム・パー(ウィリアムズ・チーム代表) そう、1970年から数えると、その数は50以上になる。それだけ、F1で生き残れないチームがあったということだ。まず、とにかく難しいことだ。その理由は、つねにレベルを上げていかなければならないから。収入の多くはスポンサーからのもので、スポンサーは活動を続けるか止めるか、選ぶことができる。F1の広告価値はたいへん高いが、それでもスポンサーを獲得するのは容易ではない。とはいえ、状況はよくなったし、これからさらに改善されてゆくと思う。今年ふたつのメーカーが撤退し、チームの大半が予算の増加について現実的な見方をしている。無駄に大金を使いたいとは思っていないし、去っていったメーカーチームでさえ、おなじ考えだった。いわゆるコスト削減の合意ができたわけだが、みんな真剣にそのことを考えており、ちゃんと実行するはずだ。生き残るのは厳しいけれど、先行きの見通しは明るいだろう。私がはじめたころは、11チームのうち10チームまでがメーカーの支援を受けていた。その点、現状はかなりよくなっている。

—(ジョー・サワード グランプリ・スペシャル) 来シーズンのタイヤについて、大手メーカーのものを使うか、安いものを使うかを選ぶことになるようですが?
PS
もちろんタダのタイヤがいい。とにかく、重要なのは、タイヤの供給元がひとつだけになることだろう。

— (ジョー・サワード グランプリ・スペシャル) エンジンについても訊きたいのですが。エンジンメーカーをふたつに絞る話があります。2つのグループだけがエンジンを作ることになるわけですが、2013年にそれが実施されると、投入される予算に違いが出てくるでしょう。一方はフェラーリ、もう一方は小規模なたとえばコスワースのようなメーカーになるということもあるのでは?
PS
私たちはフェラーリのエンジンを使うから、問題ない。ただ、現在のメーカーはF1に留まるだろう。それに、フォルクスワーゲンといった新しいメーカーが参入してくるかもしれない。

【翻訳:Shigehiro Kondo】
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