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ウィリアムズ「FW34」 解説

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一見して2011年シーズンを戦ったFW33の進化型を思わせるフォルムをしているが、チームの発表によると、FW33とFW34の共用部品は5%以下だという。最大の変更点はエンジンで、コスワースからルノーへスイッチした。J.ビルニューブとH-H.フレンツェンを擁し、ダブルタイトルを獲得した1997年以来の黄金コンビ復活である。

悲しいかな、ギヤボックスを切り替えたところで即座にマシンのパフォーマンスが上がらないように、エンジンがパフォーマンスに与える地位も相対的に低下している。だが、ウィリアムズに関する限り、それなりの効果は現れているようだ。ルノー・スポール・F1製エンジンはコスワース製に比べて高い油温・水温で運転させることが可能なため、熱交換機のサイズを小さくできる。だからそのぶん、ボディワークをタイトに設計できるというわけだ。見た目の印象はそれほど変わらないが……。

FW34は何のてらいもなく段差ノーズを採用してきたが、モノコックとノーズの融合は大胆で、つまり傾斜が急。リファレンス・プレーンからの高さ625mmのモノコックと550mmのノーズを融合させるには150mmの移行ゾーンが定められているが、FW34は規則で定められた寸法を目一杯使わず、もっと短い距離でつなげているように見える。素人目にも空力的に疑問の残る処理だが、特別な思惑があってのことだろう。

FW33ほどには目立っていないが、度肝を抜いたウルトラ・ローギヤボックスの基本コンセプトは受け継いでいるようで、リヤエンドは相変わらず低い。FW33はリヤウィングを支えるセンターピラーをアッパー・ウィッシュボーン後ろ側アームのマウントに利用していたが、FW34はピラーレス式に変更したため、ギヤボックスの上部に設けられた突起は、アームとビームウィングを支える構造に変更されている。

2011年のヤングドライバー・テストでは、エンジンカウルから派手にテールパイプを突き出してテストを行っていたが、FW34ではサイドポンツーン後端にうまくなじませている。ただし、リヤウィング方面に向けて吹き出しているのは相変わらず。リヤウィングまわりで発生するドラッグ低減を狙っているのだろう。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】

「FW34」の大きい写真はこちら(WEB専用ページです)。
http://www.f1-stinger.com/f1-data/2012/machine/williams/photo_gallery/index.php?pid=00

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