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「FW35」 解説&スペック

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「FW35」解説

フェラーリ、マクラーレンと並んで、”名門”の時代を過ごした。ホンダ・ターボエンジンを搭載した1980年代終盤を席巻、ルノーにエンジンを交換した後も、ナイジェル・マンセルやアラン・プロスト、そしてアイルトン・セナを擁して黄金時代を過ごした。しかし、21世紀に入ったころから戦力低下が著しく、2004年最終戦にファン・パブロ・モントーヤの勝利以来、表彰台最上段に見放されていた。

昨年のスペインGPで、パストール・マルドナドがその流れを断ち切ったが、2005年以来、勝利はその1勝だけに終わっている。

そして、2013年を迎える今、参戦する11チームの中で、ニューマシンの発表が最も遅かった。その分、何か新しいアイデアが見えるのかという期待もあったが、2月19日に、F1合同テストの会場であるバルセロナのカタルーニャ・サーキットで発表されたマシンは、カラーリング以外に昨年型のFW34との違いを見いだすのが難しいマシンだった。

正面から眺めると、カラーリングの白い部分が面積を増しイメージを一新しているが、マシン自体の違いを見つけることはできない。

もちろん、カバーが許可されたことから、段付きノーズが姿を消し、ノーズ上面はスムーズなラインを描いているが、フロントから観察する限り、プッシュロッド式のフロント・サスペンションを含み、昨年型をそのまま流用していると思われる。

昨年型と明確な見分けがつく部分と言えば、ボディ後半だ。コクピット後半から伸びる垂直尾翼型のボディが、後方に張り出しているところは昨年型と同様だが、スムーズに伸びていた昨年のサイドポンツーン後半部が、すとんと切り落とされた形になったことで、エキゾースト・パイプの吹き出し口の形状も変化している。

昨年から財政難を噂され、経営体制も変革したことで、スタートが出遅れた感があり、競争力低下は否めないところだが、老舗チームの底力で、シーズンをどう戦うかが注目される。

【STINGER / Text by 山口正己】

「FW35」 スペック

■シャシー
型式:FW35
シャシー構造:カーボンファイバー&ハニカム・コンポジット構造
フロント・サスペンション:プッシュロッド式ダブル・ウィッシュボーンカーボンファイバー)/スプリング&アンチ・ロールバー
リヤ・サスペンション:プルロッド式ダブル・ウィッシュボーン/スプリング&アンチ・ロールバー
トランスミッション:ウィリアムズ F1製シームレス・シーケンシャル・セミオートマチック・シフト+リバース
クラッチ:マルチプレートカーボン)
ダンパー:ウィリアムズ F1製
ホイール:レイズ製マグネシウム・ホイール
タイヤ:ピレリ前:245/660-13 / 後: 325/660-13)
ブレーキ・システム:AP製6ピストン・キャリパー/ブレーキディスク&パッドカーボン/)
ステアリング:ウィリアムズ F1製
燃料システム:ATL製ケブラー強化ゴム製タンク
電子システム:FIA標準
冷却システム:アルミオイル&冷却水&ギヤボックス・ラジエータ
コックピット:6点式シートベルト75mmショルダー・ストラップ&HANSシステム)/ 各ドライバー専用カーボンファイバー・シート)

■エンジン
型式:RS27-2013
タイプ:90°V型8気筒
バルブ数:32
構造:アルミニウム製シリンダー・ブロック内蔵
最大回転数:18000 rpm

■サイズ
全長:5.000mm
全高:950mm
全幅:1800mm

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