ブロウンGPの強さと日本–その2【ヴァージンが払った金額】
この位置からもロゴは見えない。やはり2500万円の対価価値!?
ヴァージン・グループのパートナーシップを得て優勝したブロウンGPだが、ロゴが貼られた位置が気になった。
テレビの画面でも映り難い位置だった。どの写真を見ても、コクピットの前の部分にあるそのロゴに気付かない。そして、プロモーションの専門家はテレビに時々写る絵柄から判断して、「5ミリオンくらい、最大でも10ミリオン」と言った。ドル換算で「5~10億円」と言う意味だ。
しかし、アメリカのサイトでは、”年間契約ではなく、マレーシアまでの2戦だけ。額は1戦2500万円」という愕然の数字がささやかれた。
それを聞いたプロモーションの専門家は、「2500という数字には驚きましたが、それより、ブロンソンはさすがヴァージン・グループの総帥だけあって天才ですね。たった2500万円で、本人がどれだけテレビに映って、何度グループの名前が放送されたか」。
しかし一方で、「問題は、そういう安い金額でF1が勝てると思われること」という心配も出る。「例えばブロウンの活動資金は、実はホンダが払っているといわれていますが、要するに、ヴァージンの資金は、見え難い場所に貼られているロゴに見合ったもの、ということになります。F1は狭い世界なので、仲間に対する気遣いとして、大きく目立つロゴやカラーリングにしなかったという、ブロウンGPの気遣いが見えます」。
年間500億円で勝てなかったチームが、1戦2500万円で勝てる? 旧ホンダとブロウンGPの違いは、エンジンがメルセデスに換ったこと、日本人がいなくなったことだが、本田技研が撤退に当たって、F1社会への波紋を気遣ったようには、残念ながら見えない。
(つづく)
【STINGER / Yamaguchi Masami】