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日本GPの余韻◆その1・長谷川プロジェクト総責任者の鈴鹿

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向こうに観覧車を眺めるS字コーナー。鈴鹿で最も難しいここが、マクラーレン・ホンダの鬼門だった。

マクラーレン・ホンダは鈴鹿で散々な成績だった。長谷川祐介F1プロジェクト総責任者は、「何の波瀾もなく、そのまま為す術なく帰って来てしまった。いいところなく終わってしまったというのがイベント的にも、非常に残念です」とレース後に肩を落とした。

金曜日、二人のドライバーとマクラーレンとホンダのチーム代表が質疑に応じる恒例の”ミートtheチーム”で、「うちはいいコースを持っている」と半ば自嘲気味に鈴鹿のコースの素晴らしさをコメントしていたが、そのコースに、マクラーレン・ホンダは苦しめられることになった。

レース後、長谷川F1プロジェクト総責任者は、いつものように真摯に、包み隠さずに鈴鹿の週末を振り返った。

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—-今シーズン後半のパフォーマンスからすると意外な結果でした。鈴鹿のコース特性とクルマのマッチングやセッティングということでしょうか。
長谷川:正直まだわからないですが、やりようはあったと思いますが、それが見つけられなかった。結果的にはクルマが遅いということなんです。いまのハードウェアではどんなセッティングをしてもダメなのかどうかは分かりませんが、コースに合うセッティングが見つけられなかったということです。

—-事前のシミュレーションと比べても、予選、決勝とも下だった?
長谷川:シミュレーションよりも踏めていなかったですね。シミュレーションよりも遅く、グリップが悪かったです。ただし、それは自分でやっているのではなくマクラーレン側がやっていることなので、どのパラメーターで確認しているのか分かりませんが、ラップタイムを見た限りですは、実際の方が遅かったです。

—-踏めない、というのは、パワーユニットの力を発揮できなかったということですか?
長谷川:そうですね。パワーユニットの課題は否定することではありませんが、マレーシアと比較したときに同じような順位が取れなかったということは、車体が決まらなかったことだと思っています。

—-それはセットアップの問題なのか、それとも車体の性能に起因するものなのでしょうか。
長谷川:う〜ん、そこはちょっとわからないですが。今のハードウェアでやりようがあったのか、根本的になにか足りないものがあったのか、そこはちょっと何とも言えないところです。セットアップをしくったと思いたいところです。

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—17レースですが。
長谷川:最悪の結果ですね。客観的にみてもそうですし、受け止めている感覚としても、クルマも決まらない、ストラテジーもうまくいかなかった。スタートでポジションを上げることもできなかった。そういう意味では、何も為す術がなかったということです。

—-ドライバーからのコメントは?
長谷川:今申し上げたようなことですね。クルマ全体とし手車体が悪いと申し上げているわけではなくて、マレーシアと比較した時に、やっぱり車体がうまくあわなかったよね、と。それでもパワーがあればなんとかなったりすると思いますが、ただそれはここで望んでもしょうがないことですから。

—-シミュレーションは、順位を予測するものではないですが、順位を予測したときに、どれくらいいけるとおもっていたでしょうか。
長谷川:う〜ん、おっしゃるように相対的なものではないですが、トップ10くらいには入れると思っていました。もうひとつは、レース戦略としても、ワンストップのザウバーやルノーに阻まれてしまった前に出られなかった。鈴鹿は抜きにくいサーキットなのは明らかなので、戦略的に悪かったというより、うまくいかなかったですね。

—-ワンストップの作戦はありだったでしょうか?
長谷川:あとからではなんとでもいえるので、それはあったと思います。ただ、フェルナンドはソフトタイヤを使って、1周目で順位を上げる作戦でした。実際、マレーシアではそれで成功していますし、それができなかった。ジェンソンも、スタートをちょっと失敗したんですね。それで順位を上げられなくてマノーに引っかかってしまった。そういう意味で、ストラテジーが悪かったとは断じられないと思います。うまくはまらかったということだと思います。

—-ジェンソンのストラテジーは2回?
長谷川:そうです。フェルナンドもそうでした。

—-残りシーズンのコース特性をみて、ここまで苦しむことはないでしょうか。
長谷川:う〜ん、正直、まだここでの状況を完全に理解していないので、なんとも言えませんが、少なくとも、鈴鹿ほど難しいところはない、と考えています。鈴鹿ほど、クルマの総合力が試されるところはないので、これより悪いところはないかな、と。でも、逆に言うと、ここで悪いということは、クルマが悪いと言っているのと同じことなので、パッケージ含めて実力が出てしまった、と考えられるので、そういう意味では大変残念です。

—-似たような状況もスパと比べて、スパはもっとよかったですが、スパ以降、進化が足らなかったのか、それとも。
長谷川:ここのコース特性だと思います。具体的に言えば、S字が圧倒的に悪かったですね。マレーシアでもターン1、2がありますが、コース全体がそうい受け以降のサーキットはありまない。鈴鹿はそういう意味では、そういう連続したコーナーが多くて難しい、ということですね。

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言葉を選びながら、かつ、パートナーであるマクラーレンを気遣いながら、誤解が起きないように最新の注意を払ったコメントだったが、今回も
この姿勢は、次を信じて、そして自信をもってやる決意を感じさせるものだった。
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