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GPホットライン 09-17 アブダビGP 1/2

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2009年F1GP最終戦アブダビGPは、盛りだくさんの話題の中で展開した。産油国の資金力を再認識させる超の付く近代的なコースで行なわれたその初の”日没レース”で注目を集めたのが小林可夢偉である。クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとスティンガー編集長が、バーレーンGPの裏舞台をズバリ診断する。


◆アブダビを盛り上げた”コバヤシ”!

[STINGER/山口](以下[STG]
) 小林可夢偉+トヨタのおかげで面白いレースでした。
羽端恭一(以下、羽端) そうですね、最後まで、目を離せないグランプリでした!
[STG]  確かに!
羽端 あ、最後まで……といったのは、ときどき、あ、これはもうキマリ! 注目してた誰それも消えちゃったし……といった、あんまりコーフンできないレースもあるので!?(笑)。
[STG] 今回も、驚異的に速かったハミルトン+マクラーレンがブレーキパッドのトラブルで消えた時がそんな感じ?(笑)。
羽端
 いえいえ、今回のアブダビは、エンターテインメントとしても完璧! ポールシッターが必ず勝てるとは限らない、レッドブルのワンツー・フィニッシュは成るのか!? そして何といっても、小林可夢偉! 彼はやっぱり、直感してたとおり、「《夢》を《可》能にする《偉》いやつ」だった!
[STG] 上手く歯車が噛み合ったですね。というか”噛み合わせた”。

◆シューマッハと可夢偉の共通点!?
羽端
 なるほど、そこですね。……で、私が可夢偉のコメントで一番すごいと思うのは、あれです、「あ、それ、ワカンナイッス」(笑)。
[STG] 彼は、誤魔化しとか、余計なことを言って飾ることをしないですからね。
羽端 暖っためて使うタイヤにしても、二つのタイヤをひとつのレースで使わなきゃならないことも、これまでは、やったことがない。だから、ワカンナイ! ……ワカンナイけど、でも、ワカンナイからそこに留まっていないで、じゃあどうするかと、たとえば、浜島さんに聞きに行ったりしちゃう!(笑)。
[STG] 浜島さんに聞きに行った有名な話が、20年前のシューマッハ、という・・・。
羽端 え、あのミハエル・シューマッハ!?
[STG] そうなんです。それも日本の菅生サーキット、F3000レースの話です。
羽端 おお!
[STG] 当時のF3000は、予選用の1周しかもたない”Qタイヤ”ってのがあった。
羽端 ありましたね、クォリファイ用という意味の”Q”ですよね。
[STG]
そう。で、シューマッハは、当時F3に乗っていて、そこで初めてF3000に乗った。
羽端
 F3000って、いまはないけど、当時はF1のすぐ下のカテゴリーということになっていた。ということは、いまでいえばGP2ですね? ……で、菅生が、その初レース?
[STG] そう、F3000が初めてってことは、Qタイヤも初めて。
羽端
 可夢偉は、いままでタイヤウォーマーを使うレースをやったことがないと言ってましたが。
[STG] 状況が似てますね。で20年前のシューマッハは浜島さんにQタイヤの暖っため方とか、要するにタイヤを有効に作動させるにはどうするかを聞きに行った。
羽端 おお、おんなじようなことをするヤツって、やっぱりいるんですね!(笑)
[STG] そして、結果は、当時絶好調だったドライバーに次ぐ2位!
羽端 へぇー!
[STG] これにはまた裏話があって、それが面白い。
羽端 ナニナニ??
[STG] シューマッハは、浜島さんにしつこく食い下がるわけです。
羽端 うん、うん!
[STG] 2時間近くになったそうです。浜島さんは、「ボクの英語力がなかったせいで」とジョークを言ってましたが、そこである”事件”が起きる。長い時間話をしていたので、すっかり夕闇が迫って、メカニック以外は全員ホテルに引き上げてしまった。シューマッハは暗くなったピットに戻って、自分のクルマとチームメイト(ジョニー・ハーバート)のクルマのアンダーパネルを観察し始めた。で、自分のクルマの方の表面がザラザラしていることを発見して、メカニックにチームメイトのアンダーパネルと交換させたんです。
羽端 やるなぁ!
[STG] しつこく食い下がって訊く、ということがなかったら、アンダーパネルのことを発見できなかったわけです。
羽端 浜島さんって、シューマッハでもなく、ミハエルでもなく、彼のことを、必ず「マイケル」っておっしゃいますよね。それはこのとき、二人で懸命に英語で話し合ったことから始まってるのかなあ? いや、きっとそうだな!
[STG] 多分。浜島さんは”マイケル”が大好き。といううより、浜島さんのようなちゃんとしたエンジニアにきちんと、そして即応してくれるのがシューマッハ、と言った方がいいか。
羽端 でも、可夢偉がマイケルより”エライ”ことが、ひとつありますよ。可夢偉は、ブラジルの段階では、まだ、浜島さんのところに質問に行かなかった。というのは、いろいろ未整理だったから。会見のなかで、可夢偉は、質問をちゃんと用意していかないと、レクチャーは、10分で済むところが1時間かかったりするから、と語ってました。若きマイケルも”熱かった”けど、可夢偉も、とてもいい生徒だ!
[STG] ですね。彼は、トヨタの山科チーム代表の言葉を借りれば、「外見に似合わず繊細な奴」、ということで(笑)。でも、マジでそう思います。
羽端 可夢偉って、何というか、できることとできないことの区別がついている。ワカンナイっていう裏側には、実は、これはできます!ってことが潜んでいる。だから、「テーマ」も決められる。
[STG] わからないから訊きに行くいく。で、ちょっと面白かったのは、浜島さんに、”訊きに来たんですか”と尋ねたら、「呼び出されました」って(笑)。
羽端 へ……!?(笑)
[STG]
でも、実は、可夢偉は浜島さんを探したけれどうまくみつからなくて、結果的に、トヨタから連絡があって浜島さんが出掛けるかたちになったんだけど、話としては、”呼び出した”って方が面白い(笑)。
羽端 ははは、浜島さん一流のジョークですね(笑)。でも、一気に伝説にしてしまうのもいいかも!? ともかく可夢偉は、自分のできることのなかから、テーマを決めて、それを実行している。アブダビでいえば、決勝レースで、安
直に他車にパスされないようなクルマをつくる。ブラジルのときのようなクルマにはしないというのを、とりあえず、自身の二回目のグランプリでのテーマにした。
[STG] ですね。実は、中嶋一貴も、運転の能力的にはもしかすると可夢偉より上じゃないか、という意見もあるんだけれど、歯車を”かみ合わせる”という強引さとタイミングで、可夢偉が少し上でしたね。いまのところ、速さでは一貴、レースのうまさでは可夢偉、ということじゃないかな。
羽端 
フム。
[STG]
一貴がアブダビの会見の後に可夢偉のことを尋ねられて、「なんか、いいとこ取りされちゃった感じです」と珍しくすこしだけやっかみに聞こえるコメントをしていました。でも、それをグチグチ言わないのが一貴のいいところでもありますけど。

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【11月02日 西湘 - シンガポール(帰り道)ホットライン】
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