熟成度は毎戦上がっています–ホンダの長谷川プロジェクト総責任会見
日本GPのセッション初日、フリー走行2でマクラーレン・ホンダは、8番手と16番手のタイムを記録した。ホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任に、週末の展開を訊いた。
◆初日はこんなのもかな、と
—-アロンソがトップ10でした。明日に向かってどんな感触でしょうか?
長谷川祐介F1プロジェクト総責任(以下、長谷川):フェルナンドは、バランス的にはクルマに満足していますが、トップとの差が大きい。ジェンソンは、初日よく言われるグリップ不足なすね。ラップタイム的には、フェルナンドからコンマ5秒ですが、順位がよくないので、まだやることは多いと思います。
マシンのポテンシャルが低いとは思いませんが、セッティングが満足できていません。明日は雨かもしれないので、そうなるとどの位置にいるのか、確認できませんが、まぁ、初日はこんなもんかな、と。
◆戦える一員になることを認められた
—-今回、エクゾーストの軽量化をしたとのことですが。
長谷川:相当に軽くなっています。バラストで重量は調整されますが、重量配分的に有利になると思います。
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—16時から行なわれた恒例のチーム関係者会見で、”去年、アロンソがジーピーツー・エンジン、と叫んだことも含めて、出席していた他チームの関係者に今年までの進化の感想が求められました。その解答をどんな感じで聞いていましたか?
長谷川:恥ずかしかったですね(笑)。もちろん、よくなったことを認めていただいているのはありがたいですが、お世辞も感じますし、まだまだだと思っているので、もっと頑張らなければと思いました。よくなったことも含めて、ちゃんとホンダはやってくる、と将来的には、戦える一員になると受け取られている気がしました。
—-長谷川さん個人はして10年ぶりの鈴鹿ということですが。
長谷川:非常に感慨深いものがありました。成績もですが、ここに帰って来た気持ちは強いです。
—-今日の手応えは、目標であるだろうダブル入賞に近づけたでしょうか。
長谷川:今日の状況でポジションを予測するのは難しいですね。フォースインディアとウィリアムズの前にいけるかどうかですが、今日の段階ではいける、と断言するのは難しいですね。しかし、大きく外れているわけでもないと思っています。
ただ、明日は雨の可能性が高いので、確認できない可能性があるのはなんともですね。
◆熟成度は毎戦上がっている
—-流れとして、現状のポジションをどう捉えていますか。
長谷川:夏休み明けのアップデイトに力を入れて、フォースインディア、ウィリアムズと戦えるレベルになってきて、シーズン前に描いていたところにはきたと思いますが、描いていたより、敵が強かった、という感じですね。それを何とか追っかけてきたのが、夏休み明けくらいです。
アップデイトは、”3.0″になったのがベルギーGPで、マレーシアで”3.5″と呼んでいる信頼性の向上と排気系の軽量化を最終アップデイトとして投入しました。それを今回のレースから適応しています。
こういうことを申し上げると情けないですが、今のエンジンは、ターボが入って電気回生が入っていることで、チューニングパラメーターがものすごく多いので、すべてのサーキットですべてのデータが熟成されるのは簡単ではないのですが、まだ完成していませんが、熟成度は毎戦上がってきていると思います。
◆もっと盛り上げるように頑張らなければ
—-地上波でのテレビ放映がなくなり、F1でさえ人気がなくなってきている状況をどうお考えですか?
長谷川:現行体制を批判すると問題が出るので批判したくないのですが(笑)、個人の意見としてお答えすると、”もっと盛り上げるように頑張らなければ”と思っています。
それが有料放送でも魅力的なコンテンツになれば結果的にお金を生むわけですが、誰でも観られるようにした方がいいのか、その方法論は分かりませんが、面白みが広く理解されれば、魅力的なイベントと思いますので、みなさんのお力を借りて理解していただき、是非、ファンを増やしていければ、と思っています。
まとめ[STINGER]山口正己