シンガポールGP 木曜記者会見 ニック・ハイドフェルト
Q.1カ月のうちに3つの仕事をこなすというのはなかなかのものですね?
ニック・ハイドフェルト(以下、ハイドフェルト) それだけの報酬をもらっているからね。
Q.3つの仕事を同時にこなすとしたら?
ハイドフェルト: もっと儲かるだろうね。
Q.ちょっと夢のような復帰ですが?
ハイドフェルト: そのとおり。サード・ドライバーというのは、ちょっと厳しい立場だったけれど、ピレリからのオファーがあって、来年に向けてプラスになると考えたんだ。ただし、シンガポールからザウバーに乗れるのなら、もちろん断る手はない。
Q.カムバックするには、ちょっと難しいコースなのでは?
ハイドフェルト: そうかもしれないけれど、好きなコースなだから文句はないよ。これ以上はないというようなチャンスさ。
Q.ここもそうですが、これから5レースのうち、左回りのコースが4カ所もありますね?
ハイドフェルト: 体はずっと鍛えてきたんだ。マシンに乗っていないときもシミュレーターを使ったり、自宅でトレーニングしたりで準備を怠らなかった。さいわい、トヨタのマシンでずいぶん走り込むことができた。それが、きっと役立つだろう。
Q.今回のレースで特別な目標はありますか?
ハイドフェルト: いつもどおり、自分にできる最高の走りをしたいね。マシンの性能を可能なかぎり引き出すのが仕事だけど、とくに最初のレースではマシンやタイヤを理解してリズムをつかむことが肝心なんだ。このマシンでは、まだ1kmも走っていないからね。タイヤも去年と違っていて、経験がない。だから、いろいろなことに短時
間で慣れることが重要なんだ。
Q.ピレリ・テストから何を学んだのでしょう。そして来年の見通しは?
ハイドフェルト: ピレリ・タイヤの開発を手伝うのは、すごく興味深い仕事だった。何より、ピレリは来年のF1タイヤを供給することが決まってから、短時間に素晴らしい仕事をしている。最初は、構造を中心に取り組んでいた。それからコンパウンドを手がけ、来年には優秀なタイヤができていることだろう。これまで、大きな問題もなく、グリップも必要なレベルに達して
いるから、見通しを明るいと思う。もちろん僕自身にとっても、ピレリのテストを行ったことはプラスに働くだろう。
Q.昨年から、いろいろなことがありましたが、F1ドライバーとしてのキャリアが終ってしまったのではと、不安になったことはないのでしょうか?
ハイドフェルト: いや、終りだと思ったことは一度もないよ。もちろん、100パーセント復帰できるという確信があったわけでもないけれど、常にどこかのチームと接触があったし、それ以外のチームからも打診を受けていたんだ。だから、きっといつか戻れるという自信はあったよ。
Q.メルボルンでペドロ・デ・ラ・ロサからGPDA議長の肩書を引き継ぎ、今回はやはりデ・ラ・ロサのシートに座ることが決まったわけですが、GPDA議長の座を誰かに譲るのでしょうか? それとも、このままシーズン終了まで続けるつもりですか?
ハイドフェルト: いや、ルーベンス(・バリチェロ)が2レース前から、すでに議長になってるよ。ただ、そのときには、まだ自分がこのレースに出場するとは思っていなかった。
ピレリの仕事が入って、グランプリのときにサーキット入りできない可能性があったから、替ってもらったんだ。現場でGPDAを代表して働くことは、非常に重要だから。今はルーベンスがその役割を果たしてくれているよ。