F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

◆ドライバーにとって、ここはチャレンジングなサーキットになる！
—-シンガポールの印象と感想は?
左近：そうですね、（いま）雨が降っているというのは、今週（末）どんな天気になるかわからないですけど、すごくおもしろいレースになるんじゃないかなと思います。ぼく自身、今回、シンガポールを走るのは初めてなので、明日、フリー走行で走るのを楽しみにしています。

—-コースについては?
左近：2008年に、このサーキットで初めてレースが開催されて、そのときにぼくもここにいたんですけど、非常にトリッキーなコーナーが多くて、ドライバーにとっても、エンジニアにとっても、すごくチャレンジングなサーキットだと思いました。

—-走る前ですが、ポイントになりそうなところというと?
左近：やっぱり「ブレーキング」が、このサーキットではポイントになると思います。路面も、一般サーキットと違って、市街地ということで、普段以上にむずかしさが要求されてくると思うので、そのあたりを明日のフリー走行で、しっかりと確認したいと思います。

—-ナイトレースについては?
左近：ナイトレースは、GP2のときに経験したことがあるので、今回も、必要以上に心配はしていません。ただ、F1では初めて走るナイトレースなので、その点でも非常に楽しみです。

◆この後、気持ちよく「鈴鹿」に行きたい！
—-これまでの自身の闘いについては、どう評価を?
左近：シーズンの途中からチームにジョインして走るというのは、そう簡単なことではないんですけど。前回のイタリア･グランプリでは、すごくいいレースができましたし、ずっと（いつも）前を向いて、チーム一丸となって、限られた「状況」ではあるんですけれど、精一杯、自分たちのベストを尽くすために、いま、ぼくたちはここにいるので。
そういう意味で、またシンガポールで、自分たちのベストを尽くして、また気分よく、日本グランプリに戻ってきたいなと思います。

—-イタリアで事故に遭遇したクルー（スタートOKの合図が早かったことで、左近はピットからのスタートでメカニックをリヤタイヤに巻き込んだ）については?
左近：事故のあと、ずっとチームには、容態がどうなのかというのを訊いていまして。その後よくなって退院して、ドイツに帰っていったというニュースを聞いて、大変嬉しく思っています。

—-ここから、アジア･ラウンドが始まりますが?
左近：やはり、アジアに来ると、いよいよ日本グランプリが待っているという感覚が、ほんとにいまから、もう待ちきれないですね。シンガポールで、いい成績を出して、気分よく日本グランプリに臨みたいと思ってます。
鈴鹿サーキットに、ぼくの応援席もできたということで、とても嬉しく思ってます。あとは、この帽子も、たぶん、そこの応援席で配られると思いますので、ぜひ、サーキットに来て、応援してほしいなと思ってます。

◆不安定な天気は、イスパニアにとってはグッドだ！
—-今週末は、どんな闘いを?
左近：そうですね、まず天候が不安定というのは、ぼくたちにとっては、いいように働くと思うので──。とにかく、自分たちのベストを尽くすということが、いま一番重要なので、そのことに集中して、ミスのない、いいレースをしたいと思ってます。

—-コースがバンピーだと、イスパニアのクルマにとっては?
左近：基本的には、このサーキットは、マキシマムのダウンフォースが要求されるサーキットなので、明らかに、ぼくたちにとってはきびしいレースになると思います。でも、こういう雨とか、不確定要素が入ってくることによって、そのなかで、いいチャンスをつかんで、結果を出していきたいなと思ってます。

—-雨は、実は、夜はほとんど降らないらしくて。セッション中にいろいろ条件は変わるけど?
左近：（レースでは）雨は降らなかったとしても、路面が濡れていたりとか、スタートで、その時点で完全に乾いているのか乾いてないのかというのも（レースを”動かす”要素として）大きいですし。
まったくのドライでレースするのも、ここはけっこう大変だと思うので、ほかの要素が加わってきたら、さらに大変なレースになると思いますけど、そのなかで、自分たちがミスせず、ベストを尽くして、ひとつでも上のポジションでフィニッシュするというのが一番重要なことですね。

-午後に激しい雨が降った木曜日の午後10時、路面にはウェット部分が残っていた。-

—-ドライバーとして、こういう公道コースというのは?
左近：あまり、（コースに関して）好き／嫌いというのはないんです。ただ、久しぶりの公道コースになるので、そういった意味では、フリープラクティスではクルマを壊さないように走りたいな、と。とくに時間が──クラッシュしたりして走れないと、その分、時間がもったいないので、そこは十分気をつけたいと思ってます。

—-公道レースは、いつ以来?
左近：2008年は･･･、あ、公道コースはなかったです。（公道は）2007年のGP2、モナコ･･･かな?　

—-ナイトレースというのは?
左近：2008年の「GP2アジア」のカタールですね。この後、エンジニアと一緒にコースに行くので、（照明などを）しっかりチェックしてと思ってますけど。

—-カタールは、普通の、パーマネントなサーキットですよね?
左近：そうですね。こことは違うでしょうが、まだ、違いがはっきりとはわからないんですけど。ただ、ナイトレースということについては、とくに問題はなかったので。

—-レースが夜で、夜型に身体を合わせるというのは?
左近：やっぱりちょっとヘンな感じはします（笑）。ただ、昨日も（ヨーロッパ時間でスケジューリングされているシンガポールGPのスケジュールに合わせて）朝6時とか7時とかに寝て、午後に起きているんですが、体調的には慣れているというか、ここに来る前に日本に戻っていて、日本でもその時間帯で生活していましたから。