カナダGP 予選トップ3記者会見
2位 フェルナンド・アロンソ
3位 フェリペ・マッサ
Q.7戦で6回のポール・ポジション。レッドブル向きではないと言われるサーキットでも結果は変わりませんでしたね。
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):去年より進化しているってことだろうね。去年は違う作戦で、予選を重視していなかったけど、今年はここでも気持ちよく走れたよ。昨日の朝、クラッシュしてしまって、波乱の幕開けだったけど、スタッフが頑張って間に合わせてくれたし、午後はさらに走りこむことができたよ。縁石の使い方やブレーキングなど難しいサーキットだけど、予選では2回ともいい走りができたんだ。タイヤの温度もスムーズに上がるようになって、最初からアタックできたのは大きな進歩だよ。明日は天気がどうなるか判らないけれど、ポール・ポジションからスタートできるのはどんな状況でも有利だろうね。
Q.セバスチャンとの差は僅か0.15秒。明日のレースは期待が持てますね?
フェルナンド・アロンソ(以下、アロンソ):今日の結果には満足してるし、レースへの自信もある。状況に応じて、着実に戦っていくつもりだよ。その意味で、今日は予選に集中してたんだ。2〜3番手というのは、もちろん今年最高の成績だし、レッドブルとのサーキットがコンマ2秒以下というのは予想していたよりもはるかにいい。序盤戦と違って今回は初日からすべてが順調だったんだ。明日も期待できると思う。セバスチャンも言っていたように、天気がどうなるかわからないから、予選はそれほど重要ではないかもしれないね。せっかくフロントローに並んだのに残念ではあるけど、どんな状況にせよ、前からスタートするに越したことはない。それに、天気に関係なく、チャンスはあると思う。
Q.Q2では最速タイムをマークし、フェルナンドと競り合って今年最高の予選結果をのこしたわけだから、きっと満足しているでしょうね?
フェリペ・マッサ(以下、マッサ):フェルナンドのいうとおり、ここまではすべて順調だったよ。昨日も今朝も、そして予選でもいい走りができたし、Q2ではレッドブルとおなじスーパーソフト・タイヤを履いてベストタイムを出すことができたんだ。チームにとっても、僕自身にとっても素晴しいことだよ。ようやく、いい位置からレースに臨むことができる。明日はコンディションが変わるかもしれないけれど、どんな状況にも対処できると思う。マシンの状態はいいし、今のところ不安な材料は見当たらないから。
Q.ここ2レースはいずれも接戦でしたが、明日はフェラーリと激しいバトルを演じることになるのでしょうか?
フェッテル:もちろんそうなると思う。予想していたとおり、今回は初日から混戦模様だった。ここのようなサーキットはあまり得意ではなくて、ウチのマシンには高速コーナーが向いてる。それでもトップに立てたんだから、チームがいかに優秀かということだろうね。レースでも、十分に戦えるはずさ。簡単に勝てるレースなんてないけど、とにかく明日が楽しみだよ。
Q.なかなか浮き沈みの激しい2日間でしたが、昨日はなにが起こったのでしょう?
フェッテル:金曜にクラッシュして土曜にポール・ポジションを獲るなんていう癖がつかないようにしないと…。初日は、当然できるだけ多く周回することを考えていたんだ。午後に走れるとは思っていなかったから、メカニックの仕事振りにはほんとうに感謝してるよ。さいわい、ダメージはそれほど大きくなくて、2回目のフリー走行を普通にこなすことができたんだ。ここでタイムを出すにはリズムをつかむことが重要で、あれは助かったよ。今日の予選ではQ1から徐々にペースを上げていって、最後に全力を出したんだ。それでも、後ろとの差はかなり小さかったけど、なんとかポール・ポジションを獲ることができたんだ。カナダ入りする前から、今回は難しいレースになるだろうと思っていたけど、それでも十分に戦えるマシンに仕上がっていたから、明日も予想以上に頑張れるはずさ。残念なのはマーク(・ウェバー)が午前中トラブルで走れなくて、予選にまでその影響が残っていたことだね。それでも、決勝になれば、きっと勝敗に絡んでくることだろうね。
Q.フェラーリが最速だったセッションもありましたが、いつも以上のプレッシャーを感じてはいませんか?
フェッテル:あまり関係ないと思う。予選までは、みんな自分とマシンのことしか考えないものだから。もちろん、ほかのドライバーと争うわけだけど、それよりもしっかりセッティングを煮詰めることの方が重要なんだ。本当の意味で戦いが始まるのは明日で、タイヤの消耗や作戦を含めて、相手の動きがすごく気になるよ。レースは長いし、またいろいろなことがお起るだろうね。最近の2レースを見ても判るとおり、接戦になることは間違いない。とにかく、今日の結果にはすごく満足してるよ。
Q.チームメイトがトラブルに見舞われたこともあり、またKERS(カーズ=Kinetic Energy Recovery Systemの略。運動エネルギー回生装置)について訊かなければなりませんが、問題はないのでしょうか?
フェッテル:さいわい、僕の方にはなんの問題もないんだ。もちろん外から見ているよりは判っていることもあるけれど、はっきりとは説明できないよ。今日のマークのように、それで1セッションを棒に振ってしまうこともありえるね。
Q.昨日は最高の金曜日と言っていましたが、土曜も同じですか?
アロンソ:今年に入って最高であることは間違いないよ。初日からずっと、マシンは高い戦闘力を示しているし、フロントローに並ぶと言う結果もついてきたから。1列目からスタートするのは、たぶん去年のシンガポールGP以来だろうね。だからもちろん、気分はいい。最速タイムをマークしたこともあったし、終了までポール・ポジションを争っていたからね。しかもフェリペと揃ってトップ3に入ることができた。フェラーリが2台とも上位につけるということは、すごく重要なことなんだ。ただ、肝心なのは明日のレースだね。なにしろ、明日の結果にしかポイントはつか
ないから。できるだけ多くのポイントを獲得して、追撃態勢を整えることが明日の目標さ。
Q.こうなった主な理由はなんでしょう? サーキットの特性によるものか、それともマシンが改善されているのか?
アロンソ:その両方だろうね。高速コーナーがないし、ダウンフォースがあまり重要ではないコースのレイアウトが、マシンの弱点をでにくくしていることは確かだよ。それから、新しいパーツも効果を発揮してるんだ。事前にテストがなくて、実戦でニューパーツを試すから、いいものもあればそうでないものもあるんだ。組み合わせの問題だし、現場でも開発作業が続けられてるよ。今回の場合は、初日からすべてのニューパーツが上手く機能していたんだ。どれもマシンの戦闘力向上に役立っていると言えるだろうね。それでも、ここの場合はサーキットの特性が最大の要素だと思う。
Q.3番手という予選結果には満足していると思いますが、いかがでしょう?
マッサ:なかなかいい内容の予選だったと思う。マシンの状態は、昨日走り始めた時から上々だったんだ。ほかのサーキットとちがって、マクラーレンなんかの有力チームと互角に渡り合うことができたから。昨日の段階では、まだ100%確信していたわけではないけど、今朝のフリー走行も順調だったから、自信が深まったんだ。しっかりグリップしていることが感じられたし、予選ではセバスチャンとのサーキットがこれまでよりずっと小さくなってるよ。このままの方向で開発を続けていけば、必ず優位に立てるレースも出てくるだろうね。実際、この2日間は走るたびにペースが上がっていったよ。サーキットがマシンに合っているということもあるだろうけど、それでも改善されていることは間違いない。ただ、明日はまたどうなるか判らないね。天気の問題もある。もちろん、どんな状況になっても、全力で対処するつもりだよ。ドライでもウェットでも、きっといいレースができるだろう。
Q.昨日から今日にかけて、セッティングは大きく変わっているのですか?
マッサ:大きくと言うことはないけど、あらゆるヵ所を調整してるよ。少しずつセッティングを進めていった結果だけど、昨日のままでも十分に戦える状態だったんだ。