ヨーロッパGP 予選トップ3記者会見
2位 マーク・ウェバー
3位 ルイス・ハミルトン
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):とくにそんなことを言った憶えはないけどね。このレースの前から、いろいろなことが話題になっていることは知ってたよ。きっと次のレースでもおなじようになるだろうね。レギュレーションの変更から影響を受けるのは、なにも僕たちだけじゃない。レッドブルはほかより不利になる程度が大きいといわれていたみたいだけど、そんなことはないよ。今日は、とにかくいい予選だったんだ。またフロントローを独占したんだから、これ以上の結果は望めないね。だけど、明日のレースは長いし、ここではいつも厳しい内容になるんだ。コーナーが1周で25もあるんだから、それだけで大変だよ。特に予選では、ミスなくタイムを出すのが難しいんだ。さいわい僕は1回目のアタックでいい走りができたし、マークは2回目がよかったみたいだね。最高の結果が出て、好位置からスタートできるのだから、明日のレースも頑張らないとね。
Q.去年に続き、セバスチャンとフロントローに並ぶわけですが、最後のアタックでタイムを伸ばしたのはあなただけでした。完璧な走りができたということでしょうか?
マーク・ウェバー(以下、ウェバー):自分でもなかなかいい走りだったと思う。セブ(フェッテルの愛称)も言っていたとおり、コーナーの数がすごく多いし、できればすべての周回からいいところを獲ってつなぎ合わせたいくらいだよ。もちろんそういうわけにはいかないから、予選ではできるかぎりすべてのコーナーをミスなく抜けるようにしなければならないんだ。Q3に進むまで、すべてが順調というわけではなくて、チームの働きにずいぶん助けられたよ。最後の周にペースを上げられるという手ごたえは感じていたから、できるだけミスをしないように気をつけて走ったんだ。それでも楽ではなかったけど、まずまずのデキだった。最後のセクターでタイムを伸ばせたのが大きいよ。セブは逆に1〜2セクターが速くて、フロントローを独占することができたんだ。いろいろと憶測が飛び交っていたから、なかなかいい気分だよ。ただ、もちろん今日の成績に対してポイントが出るわけじゃないし、肝心なのは明日だよ。
Q.最後までセッティング作業を続けていたようですが、今朝に比べるとマクラーレンの状態もよくなっているのではありませんか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):それは間違いないね。これほど前に並べるとは思っていなかったんだ。3回目のフリー走行が終わっても、まだタイヤの性能を十分に引き出せない状態だったから。それでもチームはデータを分析して、対策を考えてくれたんだ。それで予選までに状態がよくなったのだから、ほんとうに素晴しいよ。タイムを出した周の走りは悪くなかったんだ。最後にもっとペースを上げようとしたけど、無理をしすぎてダメだった。
Q.カナダに続いて今回も可変ウイングを使えるヵ所がふたつありますが、抜かれないためにはどうすればいいと思いますか?
フェッテル:周りとの位置関係が重要になってくるだろうね。真後ろに迫られているような状態だと、かなり厄介なことになると思う。しかもそういう場所が、ここでは2か所もあるんだ。バレンシアは公道サーキットなのにストレートが長い。前を走っているときは、いかに間隔を保つか、追いかける場合はいかに接近するかがポイントになるだろうね。そしてどちらの立場になっても、激しい減速をすることになる。まだ何回ピットストップをするか決めてないし、DRS(可変リヤウイング)の効果も未知数だから、実際に走ってみるのが楽しみだよ。距離が長い上に、この暑さだから、体力的にも厳しいレースになるだろうね。
Q.これがレギュレーションの変更に対するレッドブルの答えというわけですね?
フェッテル:そもそも今回のことで、どうしてウチだけがあれこれ言われたのか理解できないよ。バレンシアに入ってからも、いつもどおりやるべき仕事をやっていただけなんだ。おかげで初日からほぼ順調に作業を進めることができたと思う。だんだんペースが上がっていったし、すこしずつ楽に走れるようになったんだ。これが肝心なところだよ。こうしてポール・ポジションを獲れたのはいいことだし、隣にはマークがいる。どういうレースになるか判らないけど、とにかく有利な位置からスタートすることができるよ。
Q.Q1のとき、プライム・タイヤで7周も走ったのは、あの時間帯がもっとも暑く、レースのスタート時刻に当たっていたからでしょうか?
フェッテル:必要以上に周回を重ねたのは確かだよ。午前と午後でコンディションが変化するから、そのあたりを確認しておきたかったんだ。何周走ってもいいわけだし、ピットからもどってくるようにとも言われなかったから、コースにとどまっていたというわけさ。
Q.プライム・タイヤとオプション・タイヤで、どのような違いがあるのでしょうか?
フェッテル:違いはかなり大きいよ。タイムだけを見ても、平均で1.5秒ぐらいの差が出ていたんだ。明日は戦術面でも、すごく味深いレースになるだろうね。いろいろな局面で、各チームが違う作戦を選ぶことになるはずさ。まずは好スタートを切ってポジションを守らなければならないね。順調に後ろとの差を広げられるかどうかで、状況はまったく違ってくるんじゃないかな。
Q.フロントローからスタートするのは今年3回目ですが、明日は最初から先頭に立つチャンスをうかがうつもりですか?
ウェバー:もちろん狙っていくよ。長いレースになることは、誰にとってもおなじだよ。誰がどんな戦術で戦うか判らないから、前からスタートできるのはありがたいよ。予選は混戦になって、僕自身にとってはあまりスムーズな展開ではなかったんだ。ブレーキのバランスがよくなかったんだけど、今回もチー
ムのおかげで問題を克服することができたんだ。ライバル・チームを抑えられたことが、一番の収穫だろうね。
Q.レース中にブレーキの問題が再発する恐れはないのでしょうか?
ウェバー:もう大丈夫。心配ないよ。
Q.最終コーナーでみんながミスしていたのはなぜでしょう?
ウェバー:1速か2速で回るただのヘアピンなんだけど、とにかく進入速度が速いんだ。手前に浅いカーブがあって、位置取りを難しくしているんだ。それもあって、ブレーキング・ポイントを間違えやすいんだよ。予選の最後に、あそこを上手く走れたことが、今日の結果につながった。
Q.昨日、プライム・タイヤでの走行が難しいと言っていましたが、今日はよくなっていたのでしょうか?
ハミルトン:予選が始まるまでにいくらか使えるようになっていたんだ。チームが空気圧や温度などの、さまざまな条件を分析してくれたおかげだよ。とにかく昨日は苦労させられたから、ありがたいよ。初日はオプション・タイヤとの間に3秒近い差があったんだ。予選ではもちろんオプション・タイヤを使ったけど、フェラーリ勢より前からスタートできるのが大きいね。前回よりはいいレースができるんじゃないかな。
Q.レッドブルと勝負できると思いますか?
ハミルトン:今年は、ずっとそれが問題なんだけど、少なくとも近い状態にはなってると思う。ここは追い越しが難しいことで有名なサーキットだったから。2008年以来、前にいるのが誰でも楽には抜けなかったけど、今年どうなるか楽しみだね。今回はピットストップの回数も多くなるだろうね。いずれにしても、エキサイティングなレースになると思うよ。