ベルギーGP 予選トップ3記者会見
1位 セバスチャン・フェッテル
2位 ルイス・ハミルトン
3位 マーク・ウェバー
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):Q1とQ2は特に難しくて、驚くほど急速に路面が乾いていったんだ。それでもインターミディエイト・タイヤ(レインとドライの中間の浅溝タイヤ)では無理できなかったから、とにかく先へ進むことだけを考えたよ。あらためてスパを攻略しなおしたようなもので、ラインをすこし変えるといい走りができたんだ。Q3のコンディションは明らかにスリック・タイヤ向きだったけど、最後まで雨がふらなければ、タイムアタックをできるかぎり後でおこなわなければならないんだ。まず2周して、それから2周を全力で走ったけど、特に最後の周は頑張ったね。最終コーナー手前で2秒ほど前にルイスがいて、タイヤをロックさせるのが見えたんだ。そこでこちらは、同じようにならないように、慎重に減速することができたんだ。すごくいい1周になったし、最後の方は路面もほぼドライだったよ。今日は難しい1日だったけど、明日は晴れそうだね。それでも、ここではなにが起こっても不思議じゃない。
Q.最後といい第2セッションの終わりといい、なかなかドラマチックな予選でしたね?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):よく分析しておかなければならないね。Q2がもうすぐ終わるところでシケインに入ると、2台のウィリアムズが止まりそうなスピードで走っていたんだ。たぶん次の周に備えていたんだと思うけど、そのときにはもうシグナルが赤に変わってたんだ。なんとか抜いたけど、ずいぶんタイムをロスして、1コーナーを立ち上がると、今度は(パストール・)マルドナドが目の前にいたんだ。故意かそうじゃないかはわからないけど、これから調べることになるだろうね。マクラーレンのブースには戻らずに、このままFIA(国際自動車連盟)の事情聴取を受けるつもりだよ。
Q.あのまま走れないのではと心配しましたが、どの程度のダメージだったのでしょう?
ハミルトン:フロントウイングがかなりひどく痛んで、サイドポッドとサスペンションにも損傷を負ったよ。フロントのアライメントが狂っていたと思うけど、クルーは素晴しい仕事振りを見せてくれたんだ。ああいうアクシデントは、残念ながらレースにつき物なんだ。
Q.誕生日おめでとう。もうすこしで自ら最高のプレゼントを手に入れるところでしたね。マーク・ウェバー(以下、ウェバー):たしかに接戦だったね。最初はスリック・タイヤだと厳しい状況だったかもしれないけど、僕は問題なかったんだ。あちこちに濡れた部分があって、どう走るべきか直感に頼るしかなかったよ。それで予選が終わると、また雨が降り出したんだ。あるいは少しずつ確実にタイムを伸ばしていった方が良かったのかもしれないね。初日から順調だったけど、それでもジェンソン(・バトン)のような結果に終わっていた可能性はある。ひとつ間違えば、致命的なミスを犯しかねない状況だったから。できればもうすこし上へいきたかったけど、チームはよくやってくれたよ。明日はいいレースができるだろうね。
Q.2日間、あまり走り込めませんでしたが、どんなレースになると思いますか?
フェッテル:いつものように、スタートからゴールまで、なにが起こるか判らないよ。天気予報もあてにならないだろうしね。ここでは空を見上げて自分で判断するしかないんだ。たしかに周回数は稼げなかったけど、最後の方は自信をもって走れるようになっていたよ。おおよその方向性は見えてきたから、明日どうなるか、楽しみにしてるよ。
Q.チームはスパで苦戦を予想していたようですが、ポール・ポジションを獲ることができましたね?
フェッテル:肝心なのは明日だね。苦戦を予想していたのは、コーナーなら問題ないけど、ストレートで不利になると考えたからなんだ。あまり距離を伸ばせなかったけど、コンディションにかかわらず、マシンの感触は上々だったんだ。昨日と今日の午前中は、マークほどいい状態ではなかったよ。やっとラクに走れるセッティングが見つかったところなんだ。天気予報ではドライになるということだけど、完全にそうかどうかはわからない。予選結果がよかったのは、ちょっとしたタイミングのおかげだろうね。
Q.ドライの方がマシンの状態がよかったということですが、ドライ用のセッティングになっているのですか?
フェッテル:そんなこともないよ。だいたい最近では、いわゆるウェット・セッティングを施すこともなくなってるんだ。いくつかポイントはあるけど、それは完全なウェットのときだけしか使わないし、それほど大きな変更でもないから。今朝まではしっくりこないところもあったけれど、Q2あたりでは、路面が濡れていてもラクに走れたよ。ギリギリのタイミングだったと思う。
Q.全員がインターミディエイトで走り続けていたような印象ですが、その種類のタイヤは残っているのでしょうか。
フェッテル:あるはずだよ。金曜に1セット使ったけど、決勝当日の天気予報が雨なら、それ以外は残しておいただろうね。今年はタイヤを温存するためにガレージで待機していなければなら
ないこともあって、ストレスがたまるよ。みんあそうだと思うけど、明日は1セットでも多くのタイヤを残しておいた方が有利になるはずさ。
Q.頑張ってフロントローに食い込みましたが。マクラーレンは2連勝中なので、明日も自信を持ってスタートに臨めるのではありませんか?
ハミルトン:チームがいい状態にあるとこは間違いないね。今日も最高の仕事をしてくれたし、新しいパーツも役に立ちそうだよ。何があったのか知らないけど、ジェンソンはQ3に残れなかった。そうは言っても、これまでの実績から見て、素晴しい追い上げを見せる可能性はあるはずだよ。僕自身は残念ながらポール・ポジションを取れなかったけど、これからも狙っていくつもりさ。
Q.昨日、新しいウイングをテストすると言っていましたが、今回の結果はその成果でしょうか?
フェッテル:どういう状態であろうと、大事なのは適切なバランスを取ることだなん。ウイングを効かせずにストレートのスピードを伸ばすことはできるけど、そうなると中間のセクターで苦戦するだろうね。いかに妥協点を見出すか、だよ。いまもまだ路面は濡れているんだ。天気予報はドライだけど、どこまで信用していいか、微妙なところだね。それでも僕は、ダウンフォースの強さなんかは、ドライを意識したセッティングで戦うつもりだよ。できれば、ほんとうにドライのレースになってもらいたいね。
Q.誕生日に契約公開が決まり、大きな1日でしたが、どんな気持ですか?
ウェバー:予選結果も悪くないし、最高の誕生日だよ。ここにいる3人を中心に、激しい争いになるだろうね。予選ではずっとマシンの戦闘力が高かったけど、最後のセクターはスピードが伸びなかったんだ。ほかの二人はよくやったと思うけど、タイム差は、あってないようなものだった。Q1、Q2と慎重に走ったが、ミスを犯す可能性はあるから、最後まで気を抜けなかったんだ。セブ(フェッテルの愛称)も予選Q3から調子をもどして、間違いなく優勝争いに絡んでくるだろうね。どんなレースになるのか、自分でも明日の戦いが楽しみだよ。
Q.去年はあなたがポール・ポジションを獲得しましたが?
ウェバー:ここはすごく魅力的な、いいコースだよ。みんなスパで走るのを楽しみにしているし、こういうコースが今より増えると面白くなるだろうね。最近のサーキットはTV中継のやりやすさとか、グランドスタンドの大きさとかを中心に設計されたものが多くて、2〜3速をよく使うから、あまり面白くないんだ。スパのようなサーキットなら、1日中ずっと走っていても飽きないだろうね。ジャーナリストやカメラマンも、きっとそう感じているはずさ。とにかく、明日のレースがすごく楽しみだよ。