イタリアGP 予選トップ3記者会見
1位 セバスチャン･フェッテル
2位 ルイス･ハミルトン
3位 ジェンソン･バトン
セバスチャン･フェッテル（以下、フェッテル）：たしかにもっと接戦を予想してたよ。タイヤの状態が1周目と2周目のどちらがいいか判らなかったけど、2周目にミスをしてしまったから、最後のアタックに賭けることにしたんだ。タイムを伸ばす余地はあると思っていたけど、2回目にコースへ出たときは誰もいなかったんだ。2周目に1〜2台のマシンが前にいたから、利用することができたんだ。過去2年間、ここでは苦戦していたから、これほど大きな差をつけてポール･ポジションを獲れるとは思ってなかったよ。今年はマシンのバランスもよかったけど、マクラーレンには敵わないと思ってたんだ。ダウンフォースを低くして走っているから滑りやすかったけど、3つのセクターともいいタイムをマークすることができたんだ。レースを重視して作業をすすめていただけに、この結果は嬉しいよ。
Q.途中までは接戦でしたが、最後の走行が上手くいかなかったようですね？
ルイス･ハミルトン（以下、ハミルトン）：それでも半秒のペースアップはなかったと思う。せいぜいコンマ2秒というところだろうね。チームは新しいパーツを用意してくれて、おかげで有利な戦いを進められてるよ。ジェンソンと僕でフロントローを独占するつもりだったけど、セバスチャンが予想以上に速かった。初日から順調に作業を進めてきたけど、とにかく最後のセバスチャンには手も足も出なかったよ。
Q.去年はここでいいレースをしましたが、3番手から優勝を狙えると思いますか？
ジェンソン･バトン（以下、バトン）：普通は3番手でも悪くないんだけど、ここでは前に二人いるとなかなか抜けないだろうね。今日の展開については、ルイスとまったくおなじ意見だよ。最高の走りをしていたとしても、セバスチャンにはと届かなかった。とにかく速かったんだ。不思議なのは、レッドブルがウイングを効かせているように思えないのに、高速コーナーが続くセクター3で僕たちよりいいタイムを出していたことだね。理由が判らないよ。これから研究してみる必要があるね。あとは、明日のレースに集中するだけさ。2台ともいい位置につけているから、大量ポイントを狙えるはずさ。DRS（可変リヤウイング）が登場した今年は、去年までほどポール･ポジションが重要じゃなくなってる。
Q.どうやってダウンフォースを得ていたのですか？
フェッテル：ウイングだけの問題ではなくて、マシン全体の特性だろうね。去年まではウイングをほとんど利かせていなかったけど、上手くは走れなかったんだ。今年はウイングもあるけど、なにしろバランスが取れているからね。ラクに予選を迎えることができて、路面の状態がよくなるにつれてタイムも伸びていったんだ。
Q.半秒差をつけてのポール･ポジション獲得。どうやってタイムを稼いだのか、みんな不思議に思っていますが？
フェッテル：特別なことはないよ。低めのダウンフォースで走っていたけど、今年のマシンはバランスがよくて、姿勢が乱れることもなかったんだ。得意なサーキットじゃないから、クルーはいつも以上に頑張ったんだろうね。ウイングを利かせない状態で縁石を上手く使った走りをするのは難しいんだけど、今年はそれが上手くいって、この結果につながったんだ。うしろとの差については、ルイスとジェンソンの走りが完璧だったかどうか知らないから、なんとも言えないね。とにかく最高の結果が出たから、明日のレースが楽しみだよ。
Q.チームは夕べ遅くまで残っていましたが、マシンに多くの変更ヵ所があったのでしょうか？
フェッテル：そうじゃなくて、マークのマシンがトラブルを抱えていたためだと思う。それも解消されて、今日の結果には影響がなかったはずだよ。マークがなぜQ3で1回しか走らなかったのか、その理由は知らないんだ。ふつうはタイヤを交換するくらいしかやることがないはずなんだ。
Q.1セット目のタイヤを履いていたとき、2度ほど危ない場面があったようですが？
フェッテル：レズモですこし姿勢が乱れて、アスカリでもミスしてしまったんだ。1周目は上手くいったけど、おそらくタイヤが消耗し始めていたんだろうね。高速でシケインへ飛び込んでいくモンツァはなかなか難しいサーキットだけど、今回はそのあと完璧な走りができたんだ。思った以上のタイムが出て、すごく満足してるよ。
Q.今回も2週間前のスパも、レッドブルとはあまり相性のよくないサーキットということでしたが、何が変わったのでしょう？ 明日のレースに向けて、自信はありますか？
フェッテル：自信はあるし、これまで苦手だったコースだけに楽しみだよ。予選ではDRSもすごく役に立ったんだ。しかも、今回は決勝を重視して作業を進めてきたからね。実は予選がどうなるか、不安もあったんだけど、しっかりタイムを出すことができたよ。レースでは、初日からの準備がいよいよ効果を発揮してくれるだろうね。マシンとの相性を別にすれば、好きなサーキットだし、ぜひとも表彰台に立ちたいね。
Q.今回はレッドブルと勝負すると言っていましたが、半秒の差をつけられても大丈夫でしょうか？
ハミルトン：とりあえずは、ちゃんとゴールにたどり着くことだね。それさえできれば、ほぼ確実に結果を残せるはずさ。
Q.接線を予想していましたが、実際にやってみた感想はいかがでしょう？
ハミルトン：思ったほど簡単ではなかったよ。内容的にも、もっと接戦になると思っていたんだけどね。Q1とQ2は差がなかったけど、Q3で一気に半秒も水を開けられてしまったんだ。だけど、終わったことをあれこれ言っても仕方がないよ。それでもモンツァでレースをするのは楽しみだし、良い結果を残したいね。今日よりも有利な展開になることを期待してるよ。
Q.いちどタイムアタックを途中で止めたのはホイールをロックさせてしまったからですか？
ハミルトン：そのとおり。あれがなければ、かなり完璧に近いラップだったと思う。
Q.3番手という結果で、今回も最後のタイムアタックをおこないませんでしたが？
バトン：Q3の1回目は上手くいったんだ。それでもあとコンマ1秒ぐらいは伸ばせそうだったけど、セクター1でミスをして、100分の15秒ほど遅れてしまったから、そのままピットへもどってきたんだ。とにかく、明日のレースでは、もうすこし差を詰めることができるようにしておきたいね。セバスチャンはレース重視で作業をすすめてきたということだけど、どうなるか楽しみだよ。とにかく、レッドブルに独走はさせないよ。みんなもそんなレースは見たくないだろうしね。
Q.昨日、セッティングの変更がすべて上手くいったわけではないと指摘していましたが、昨夜のうちに細かい調整は進んだのでしょうか？
バトン：フリー走行の1回目では、いくつか試すパーツがあった。空気抵抗を減らすためのものだったけど、上手く調整できなかったから、午後は使わなかったんだ。今朝もマシンの状態は改善されていて、予選結果も悪くないから、それで正解だったんじゃないかな。予選でポール･ポジションを狙えるかどうか、あまり自信がなかったけど、明日のレースはまた別だよ。できれば上位をキープして優勝争いに加わりたいね。3番手のグリッドからなら、十分に狙えるんじゃないかな。
