シンガポールGP 予選トップ3記者会見
1位 セバスチャン・フェッテル
2位 マーク・ウェバー
3位 ジェンソン・バトン
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):最後の方で路面の状態がよくなったから、さらにタイムを伸ばすことができたかもしれないけど、ほぼ完璧な予選だったと思う。走っていて面白いサーキットだから、特に嬉しいよ。とにかく、コーナーの数が多くてすごく難しいコースなんだ。1周が長いから、全体をまとめるのが大変だけど、去年の予選で犯したミスからも学ぶところがあって、冷静さを失わないように注意したんだ。2台そろってフロントローに並べたのは素晴しいね。明日は長いレースになるから、やってみないとどんな結果になるかは判らないよ。
Q.最後は見応えがありました。コースの3分の2までセバスチャンと互角のタイムを出していましたが、フロントローに並べたことと、ポール・ポジションを逃したことのどちらが大きいでしょう?
マーク・ウェバー(以下、ウェバー):ポール・ポジションを逃したという気持はあまりなく、結果に満足してるよ。ここでは特に予選で、これまであまり良くなかったから、自分を試すいい機会だったんだ。過去の実績から、決勝の方がいい走りができると思う。セブ(フェッテルの愛称)は最初から好タイムを出して、みんなにプレッシャーをかけてたね。それから、ポール・ポジションを獲った速さはたいしたものだよ。ミスを犯すこともほとんどない。たぶん僕のデータを見て、何ヵ所かこちらの方が速いところがあったから、完璧な走りを目指したんだろうね。ターン10のシケインもそのひとつで、すこし無理をしたのかもしれない。いずれにしても、全体的にはセブの方が速かった。ここで最初から最後まで完璧な走りをするのが難しいのは誰でも同じだよ。どこかでタイムを稼いでも、次のストレートでロスするということがよくあるんだ。とにかく自分の成績に満足しているし、2台ともフロントローからスタートできるのは素晴しいことだよ。
Q.100分の5秒差でルイス・ハミルトンを抑えたのは見事でした。
ジェンソン・バトン(以下、バトン):そのことは、あまり考えていなかったんだ。とにかく、自分の走りは2回ともよかったと思う。両方のいいところを合わせられればいいんだけど、そうはいかないよ。はじめにタイヤの温度が低すぎるか、最後に上がりすぎるか、どちらかだから、1周ずっと完璧に走るのはすごく難しいんだ。ひょっとするとウチだけの問題かもしれないけど、とにかくずっとそのことで苦労してるんだ。昨日はコースアウトしたときに身動きが取れなくなって、十分に走りこめなかったんだ。そのことを考えると、上出来だよ。スタート位置は悪くないけど、今回はフルタンクの走行をしていないから、未知数の部分もあるね。レースでは思い切っていくだけさ。
Q.11回目のポール・ポジションといえば、これまでの最多記録はナイジェル・マンセルの年間14回となっています。これを破りたいという気持はありますか?
フェッテル:あれはすごい記録だからね。たしか1992年だったと思うけど、あのときのナイジェルは、信じられないほど速かったんだ。今年の経過は悪くないけど、記録なんて意識しない方がいいだろうね。それよりも、明日のレースが重要なんだ。目の前のことに集中するべきだと思う。簡単なことと思われるかもしれないけど、そうじゃないんだ。とにかく、今は決勝のことしか考えてないよ。
Q.予選の経過について聞かせてください。ここでポール・ポジションを獲る満足感は、ほかより大きいのではありませんか?
フェッテル:とにかくほかではお目にかかれないユニークなサーキットだからね。好き嫌いが分かれるんじゃないかな。まず、1周がすごく長い。コーナーが23もあるんだから、大変だよ。前回のモンツァは11だったから、倍もあるってわけ。公道サーキットだから、アベレージ・スピードは低い方だろうね。基本的には加速と減速を繰り返すんだけど、とにかくすべてのコーナーを完璧に抜けていくのは至難の業だよ。どこかで無理をすると、必ずツケが回ってくる。それだけに、ポール・ポジションを獲った嬉しさは大きいよ。
Q.明日は61周も走ることになりますが?
フェッテル:ここではたいてい2時間近い戦いになるね。しかもナイトレースで、この暑さと言う問題もあるから、かなり厳しいよ。水分をたくさん取って、たくさん汗をかくことになるだろうね。
Q.昨日、セッティングを変えると言っていましたが、どんなことをしたのでしょう?
フェッテル:セッティングを変更するのはいつものことだけど、昨日からマシンの状態はよかったから、それほど大がかりなことはしてないんだ。ちょっとした変更で、確実に改善されていたと思う。プライム・タイヤでもオプションでも、いい感触だったんだ。今日のフリー走行はコースが混雑していて思うように走れなかったんだ。そのかわりに予選は最初から順調で、レースに向けても自信があるよ。さっきも言ったとおり長いレースで、スピードだけじゃなくて、耐久性が試されるってわけ。タイヤの使い方も重要だろうね。今のところどういう戦術でいくのがいいか、まだはっきり判っていないよ。
Q.2位というのはシンガポールで自己最高の予選結果ですね。そして、いつもレースのほうがいいということですが?
ウェバー:昨夜のうちにマシンの状態をずいぶん良くすることができたんだ。だけど、より大きいのは自分自身のパフォーマンスだろうね。今日の予選は結果だけじゃなくて、内容的にも最高のできだったんだ。セブのポールタイムは素晴しかったけど、僕の走りも悪くなかった。おかげで好調を維持したまま決勝を迎えることができるよ。だけど、ちょっとしたことが命取りになるし、レースは長いのから、ミスは許されないんだ。今夜もまた、セッティングを見直して、より良い状態にもっていきたいね。もちろん、セブだけじゃなくて、ほかのライバルとも接戦になるだろうね。
Q.どんな戦術を考えていますか?
ウェバー:その点がすごく難しいよ。タイヤがどれだけ安定して性能を発揮してくれるかも判らない状態なんだ。しかも、明日使用する2種類のタイヤは、それぞれ性格がずいぶん違っているからね。
Q.明日はソフト・タイヤでスタートすることになりますね?
ウェバー:そういうことになるね。どちらがいいかわからないけど、その点で不安なのはみんな同じじゃないかな。
Q.このレースへの見通しやタイヤについて言っていたことを考えると、ここにいるのは意外な気もしますが?
バトン:僕もそう思う。昨日はスーパーソフトで走っているときにコースアウトして、ほとんど何もできなかったからね。だけど、昨夜のうちにセッティングを変更したのが効いて、今日はずっといい走りができたんだ。ペース的にも悪くないよ。難しかったのは、タイヤの性能を1周ずっと同じようにキープすることだったんだ。いい状態で走りだすと、最後のセクターでは温度が上がりすぎてリヤが滑ったからね。僕だけの問題なのかもしれないけど、とにかく微妙だったんだ。それでも予選3位になれたんだから、良かったと思う。スタート位置としては申し分ないね。心配なのは、まだ一度もフルタンクの状態で走っていないことだよ。
Q.タイヤのオーバーヒートと言う問題は解消できたのですか?
バトン:さっきの話は予選のことで、決勝のペースなら問題ないだろうね。ただ、フルタンクで走っていないことが気になるだけだよ。もちろん、タイヤの消耗は早いほうだろうね。ダウンフォースを強くした方が、タイヤの消耗を抑えるという意味でも有利かもしれないね。
Q.フルタンクで初めて走る影響は?
バトン:前にも同じことはあったし、そのときはすぐに感触がつかめたんだ。これでも、いろいろと経験は積んでいるつもりだよ。