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アブダビGP 決勝トップ3記者会見

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優勝:ルイス・ハミルトン
2位:フェルナンド・アロンソ
3位:ジェンソン・バトン

Q.まず、優勝の感想を聞かせてもらえますか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):
今週末は母さんの誕生日だったから、最高のプレゼントになったと思う。しかも、観戦に来てくれてて、目の前で勝つことができたんだから、こんなに素晴しいことはないよ。夢みたいだ。また、内容がこれまでで最高のレースのひとつだったんだ。最後までまったく気を抜くことができなかったよ。なにしろ、世界最高のドライバーのひとりが、ピッタリ背後をマークしていたんだからね。本当に、苦しい展開だったよ。タイヤの消耗や、うしろとの差をずっと考えながら走っていたんだ。チームも最高のピット作業で僕を支えてくれたよ。とにかく嬉しいね。もちろん、表彰台の中央に立ったのが久しぶりということもあるよ。今夜のレースは、まったく非の打ち所のないデキだったよ。。

Q.ルイスとお互いの健闘を讃えあっている姿は感動的でした。あなた自身は、5番手から一気に2位へ浮上する素晴しいスタートを見せましたが、なにを考えながらルイスの後を追っていたのでしょう?
フェルナンド・アロンソ(以下、アロンソ):
僕にとっても、最高のレースだったんだ。スタートは上手くいったし、1周目にジェンソンと競り合った場面も印象に残ってる。セバスチャン(・フェッテル)に問題があった点をさしひいても、2位という結果は満足できるものだと思うよ。しかも3〜5秒の差で、最後までルイスを追いかけることができたからね。特に最後のピットストップをマクラーレンより2周遅らせることができたから、逆転のチャンスはあると考えていたんだ。ただ、ピットロードの入口ですこしHRTに引っかかって、タイムをロスしてしまったんだ。ただ、終盤に向こうがペースを上げてきたから、あれがなくても勝つのは難しかっただろうね。というわけで、相対的に素晴しいレースだったと思う。。

Q.ウェバーと競り合っていましたが、無線によるとKERS(運動エネルギー回生装置)に問題があったようですね?
ジェンソン・バトン(以下、バトン):トラブルがなくても、ソフト・タイヤを履いたときのペースが前の二人に届いたかどうかはなんとも言えないね。たぶん13〜14週目だったと思うけど、KERSがまったく使えなくなったんだ。ウェバーだけではなくて、マッサも迫ってきていたから、KERSなしでどこまで対抗できるか不安だったよ。ピットストップを終えたあと、ボタンの操作でKERSを復活させられるかもしれないと言われたんだ。実際に上手くいったんだけど、使えるのは2周くらいの間だけで、そのたびに複雑な操作を繰り返さなければならなかったんだ。過速時だけではなくて、減速の時にも影響があって、エンジンブレーキが効きにくくなるのが苦しかったね。KERSが働いている時は、エネルギーを蓄積する過程でエンジンブレーキがよく効くからなんだ。コーナーへ進入するたびに、エンジンブレーキの効きがどうなるか判らないから、かなり辛かったよ。ブレーキポイントをどうするか、判断できなかったから。そんな状態で3位になれたのは、大きな収穫だったと思う。

Q.ここ2〜3ヶ月の間、苦しい状況が続いていたということですが、この勝利でトンネルから抜け出せたと思いますか?
ハミルトン:
それはまだ、なんとも言えないよ。もちろん、今後に向けていい材料にはなるだろうね。次のブラジルも重要なレースだから、当面はそれに集中して、今回の勢いを止めないようにしたいよ。どういう展開になっても、とにかく全力で戦い続けることが重要だと思う。

Q.セバスチャン(・フェッテル)がコースアウトするのを見て、どう思いましたか?
ハミルトン:相手がどっちの方向へ進むか判らなかったから、とにかく避けるのに懸命だったんだ。タイヤに何かがあったみたいで、スライドしたのもそのせいだろうね。とにかく、目の前を横切られることになってもぶつからないように身構えていたんだ。そのあとは、後ろに速いドライバーが二人いたから、どうやって抑えるかということしか考えていなかったよ。そのあとは、ゴールまでほとんどセバスチャンのことは頭に浮かばなかったね。

Q.アロンソとの間隔は、最後までほとんど変わりませんでしたが、意識的にコントロールしていたのですか?
ハミルトン:
そんな余裕があることは珍しいんだけど、今回は主導権を握って間隔をコントロールできたんだ。ラクにペースを保てたから、フェルナンドが近づいた分だけ、次の周にスピードを上げることが可能だった。どの段階だったか忘れたけど、かなり差が詰まったこともあるんだ。向こうのタイヤのほうが長持ちするみたいで、ピットストップが近づくたびにペースを挙げてきたけど、なんとか抑えることができたよ。

Q.周回遅れが邪魔になったこともあると思いますが?
ハミルトン:
周回遅れにされる側も大変だと思う。どのポジションであっても、戦ってるわけで、ミラーを見る余裕がないこともあるだろうしね。予想外のタイミングでラップされる時は特にそうなんだ。僕自身も経験があるけど、競り合っていて前しか見ていないような状況も考えられるから。引っかかってタイムをロスしたこともあるし、ルーベンス(・バリチェロ)にはDRS(可変リヤウイング)を使って抜き返されたけれど、どうし
ようもなかったよ。もういちど前へ出た時には、おなじ周回で争っているわけではないのにって、思わずため息が出たよ。レースが終わったあと、祝福しに来てくれたから、いいんだけどね。

Q.素晴しいスタートについて話してもらえますか?
アロンソ:
僕自身のスタートがそれほどよかったわけではないんだ。出足では、目の前の3番手グリッドにいたジェンソンから、すこし遅れてしまったぐらいだよ。そのあと、1コーナーでアウト側のラインを取ってウェバーを抜くことができたんだ。それでようやくひとつ順位が上がったわけ。そのあと、セバスチャンがコースアウトして、スリップ・ストリームを使ってジェンソンを抜いたから、合計3つ前へ進むことができたんだ。スタートそのものは、今回よりよかったことも珍しくないね。

Q.ハミルトンの差については、全力でつめようとしていたはずですが?
アロンソ:もちろんそうだよ。まるでタイム・トライアルをやっているような感じだったね。前との差よりも自分のタイムを意識していたんだ。毎周、予選のような走りをしていたんだけど、1回の走行でコンマ何秒かしか差が変わらない状態だったんだ。むしろ周回遅れを交わすタイミングで間隔が変わることのほうが多かったね。むこうが引っかかると一気に2秒くらい差が縮まるけど、逆にこっちがもたつくと、おなじように離れてしまうんだ。問題はどういうタイミングで周回遅れを抜くかという点だったんだ。

Q.次のブラジルGPに向けて、どんな見通しを持っていますか?
アロンソ:
最終戦だから、もちろん楽しみにしてる。正直なところ、はやく2012年になればいいという気持もあるけど、今年の締め括りも重要なんだ。今年は1勝しかしていないから、勝ち星を延ばしたいと思うのは当然だろうね。ブラジルは天気も変わりやすいから、まだなんとも言えないよ。

Q.DRSについて、あまり効果が期待できないということでしたが? また、KERSの問題がなければ、優勝争いができたと思いますか?
バトン:
DRSが思ったよりも効いて、1周目から順位を落としてしまったんだ。KERSのトラブルでレース展開が苦しくなったことは言うまでもないだろうね。故障がなければどうなったか、はっきりとは言えないけど、2周ごとにボタンを操作しながら走っているよりも楽だったことは間違いないよ。

Q.ウェバーの戦術が意外ではありませんでしたか?
バトン:
たしかにね。どうしてああいう戦術をとったのか、理解できないよ。ずっと僕がKERSの問題を抱えていると思ったのかもしれないけど、修正できるようになってから、いったん落ちていたペースがコンマ5秒は速くなったんだから、ただ待っていても前へはでられなかったはずだよ。それにマークは1回目のピットストップで失敗してたからね。あれで逆転の可能性がなくなったと言ってもおかしくない。

【翻訳:Shigehiro Kondo】
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