ハンガリーGP 予選トップ3 記者会見
Q.マシンに大きなアドバンテージがあるようですが?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル) 先週、ホッケンハイムでは逆にフェラーリが優位に立っていたよね。ここは以前から路面が荒れているし、マシンがかなり神経質な動きを見せるサーキットと言われている。コースへの理解を深めることも重要だけど、バランスの取れたマシンも大きな違いを生むんだ。今回はここまで、僕たちにとってかなり順調にことが運んでいるよ。マシンがコースに合っていたおかげで、他のチームより少し速く走れたんあじゃないかな。ただ、明日は厳しい戦いになるはずだよ。土曜の成績にポイントが与えられるわけではないけれど、とにかく今夜はいい気分で眠れそうだよ。
Q.Q3でセバスチャンに水をあけられましたが?
マーク・ウェバー(以下、ウェバー) 1周目に良い走りができなかったけれど、結局はセブ(フェッテルの愛称)が頑張ったということさ。今日は僕の日ではなかった。それでもフロントローからスタートできるし、文句はないよ。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。ここはバルセロナに少し似ているから、たぶんチームメイト同士の争いになると思っていたんだ。今日は他のチームにつけいるチャンスはなかったみたいだしね。僕たちのうち、どちらか速い方がポール・ポジションを獲るという状況だったんだ。
Q.フェラーリはレッドブルを除くと最速でしたね?
フェルナンド・アロンソ(以下、アロンソ) 昨日のフリー走行から、ここではレッドブルとの間に大きな差があると思っていたよ。レッドブルには、ここでフロントローを独占する資格があったということさ。ここまでは楽をさせすぎたから、レースで少しはプレッシャーをかけたいね。ハンガリーでスタートが重要なのは判っているよ。追越しがかなり難しいからね。ホッケンハイムの時みたいに、良いスタートを切りたいよ。
Q.真後ろにアロンソがいて隣はウェバーという状況ですが、どんなスタートを切るつもりですか?
フェッテル: とにかく真っ直ぐ進む。それで前へ出られれば理想的さ。ただ、ホッケンハイムみたいにスタートが悪かった場合は、左か右、どちらへ行くか考えることになるだろうね。おそらく、いつものように良いスタートが切れるはずさ。ハンガリーでは路面のきれいな側にいるのが重要なんだ。去年はフェルナンドがポール・ポジションにいたけれど、僕が良い方の側からスタートしていれば、違った展開になっていたと思う。
Q.チームメイトや他のドライバーに大差をつけた秘訣は?
フェッテル: そんなものはないよ。昨日から調子は良かったから、フロントローには並べると思っていたけどね。マシンそのものは、1週間前とそんなに変っていないんだ。先週はフェラーリに合ったサーキットでレースがあって、今週は僕たちの番ということさ。ホッケハイムでは、みんな何故フェラーリが急に速くなったか、首をかしげていたけどね。今回は僕とマークの争いになって、幸いポール・ポジションを獲ることができたよ。
Q.前にもここでは活躍していましたが?
フェッテル: ここはかなりトリッキーなサーキットで、上手く走るのは簡単ではないんだ。路面は荒れているし、マシンも神経質な動きを見せるからね。もちろんマシンも大事だけれど、自信を持って走れるかどうかが重要なポイントだと思う。5m深くコーナーへ突っ込めれば、5〜10km/h速いスピードでクリッピング・ポイントに到達しちゃうから。去年もこのコースとは相性がよくて、マークが最速ラップを記録したんだ。ダウンフォースを効かせるサーキットに、マシンが合っているんだろうね。
Q.午前から午後までに、どんな変化があってマークを逆転できたのですか?
フェッテル: 今朝はコースの混雑に巻き込まれて思い切り走れなかったんだ。マシンそのものは、午前中から悪くなかったんだけどね。大きく手を加えたわけではなくて、フロント・ウイングとディファレンシャル、それからタイヤの空気圧をすこし変えた程度だよ。それでも、ちいさな変更が大きな効果を発揮することがあるんだ。
Q.あなたも1分18秒7が出せると思いますか?
ウェバー: タイヤを含めて、すべてが完璧な状態になるかどうかだろう。セブが2周目にどんなタイムを出すか、僕が走っている時点では判らなかった。可能性があったとしても、出来なかったから僕が2位だったというだけの話だ。
Q.昨日から今日にかけて、いろいろと手を打つということでしたが?
アロンソ: いつも初日はデータを収拾したり、今回と今後のレースで使う新しいパーツをテストするのに費やしているんだ。そして土曜の午前中に、最終的なマシンの仕上げを行うわけさ。そこから最善の状態を作り上げる。ただ、今回はレッドブルとの差が大きすぎて、1晩で追いつくことはできなかったよ。今朝の走行で、もう今回はレッドブルにかなわないことがはっきりしていたからね。それでもレースは明日だし、相手も今日のようなペースで走り続けることはできないと思う。どこまで迫ることができるか、やってみるしかないんだ。マシンの状態は悪くないから、表彰台に立つ可能性はじゅうぶんにあると思う。レッドブルに次ぐ3位でゴールできれば、まずまずの結果と言えるんじゃないかな。
Q.1.2秒もの差を予想していましたか?
アロンソ: いや、驚いたよ。数日前、ホッケンハイムではフェラーリが最速のマシンだったのに、6日後には1.2秒も水を開けられたんだからね。それでも、マシンの状態には満足しているよ。2秒も離されて5〜6番手というドライバーもいるくらいだから、それに比べれば、まだマシだよ。
Q.去年に比べ、タイムが驚くほど伸びていますが、想定の範囲内でしたか?
フェッテル: 去年はダブル・ディフューザーを途中で取り入れるチームもあったけれど、今年は全チームがレギュレーションを把握した上でマシンを設計していたからね。予選の
時に積んでいた燃料の重さも違うし。それ以上に大きいのが、コンディションの違いだろうね。天候も関係しているよ。ハンガリーではいつも路面が急激に良くなっていくから、その違いがタイムに出た面もあると思う。
Q.明日はどんな作戦を採りますか。手堅く走ってマクラーレンを抑えるのか、それともレッドブルに戦いを挑むか?
アロンソ: レースが始まってみなければ、何とも言えないよ。ここではスタートと1コーナーが重要だから、どんな展開になるか予想できないからね。ただ、これまでの展開から、今週末は表彰台に立てればよしとするべきだろう。現状ではマクラーレンの二人がドライバー選手権をリードしていて、マクラーレン・チームがコンストラクター選手権の暫定ランキング1位だから、その差を詰めていく必要があるんだ。レッドブルがトップに立つようなことがあれば、違った戦い方を考えるかもしれない。
Q.今日は予選タイムはともかく、レースのペースには自信がある、とうい話でしたが、仮に1コーナーを2番手で抜けることができれば、優勝のチャンスもあると思いますか?
アロンソ: それもまた、明日のレースが始まってから判断しなければならないことのひとつだろう。これまでも、土曜にレッドブルとポール・ポジションを争うことができなくても、レース中のペースで接近していることはよくあったから。それにしても1.2秒の差はかなり大きいし、多少ちいさくなったとしても勝負になるかどうか難しいところだよ。もちろん、それもスタートしてみなければ判らないけどね。純粋なペースの比較を別にしても、レースとなれば何が起っても不思議ではないよ。ドライバーやギヤボックスやエンジンやブレーキにかなりの負担がかかるサーキットを70周もするわけだからね。過去にも、ハンガリーでは非常に面白いレースが何度もあったんだ。だから、結果はチェッカード・フラッグを受けるまで判らないよ。
Q.今回、あなたはフェッテルとまったく同じマシンに乗っているのですか?
ウェバー: そう。