韓国GP 木曜記者会見
木曜日恒例の記者会見。今回はフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、 セバスチャン・フェッテル(レッドブル)、マーク・ウェバー(レッドブル)といった、今期ドライバーズ・タイトルを争うドライバーたちが参加した。
Q.タイトル争いも大詰めを迎え、知らないサーキットでレースをするわけですが、今の気持ちはいかがでしょう?
ジェンソン・バトン(以下、バトン) 今シーズンは知らないチームに入って、新しいチームメイトと組むことから、かなり緊張していたんだ。タイトル争いをしているドライバーは、みんなそれぞれに浮き沈みがあっただろうけど、やっぱり一番厳しい状況なのは、トップに31ポイント差をつけられている僕だろうね。それでも、まだ可能性はあると思う。残りの3戦では、もちろんさまざまなドラマが展開されるはずだよ。このところフェラーリが強くて、僕たちもレッドブルに接近しているから、面白い展開になることは間違いないね。
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン) 新しいサーキットを走るのは、誰にとってもワクワクするものだよ。路面に砂が積もっていたりするけれど、運がよければレッドブルやフェラーリを相手に、いい戦いができるだろうね。
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル) マシンの状態は良いし、最近の2レースはいいレースができた。このレースはどうなるかわからないけれど、上手くやれる可能性は高いと思う。セクター1はあまりレッドブル向きではないけれど、セクター2と3はよさそうだね。面白そうなコースだから、走るのが楽しみだよ。
マーク・ウェバー(以下、ウェバー) ここまで、多くのウィナーが誕生して、ポイントも接近した面白いシーズンになっている。残りが3レースだからといって与えられるポイントが変るわけではないから、これまでどおりにやるだけさ。コースに出て、全力をつくすだけ。今回は全員にとって初めてのサーキットだけど、どこまでやれるか、楽しみにしてるよ。
フェルナンド・アロンソ(以下、アロンソ) もうあまりつけ加えることはなさそうだね。ただ、僕自身はフェラーリに入った年にタイトル争いができて、よかったと思っているんだ。気持ちよく走ってるし、たぶんこれまでで最高のシーズンだと思う。ここ5〜6戦、マシンは確実に進歩しているし、残る3戦でも力を出せるんじゃないかな。
Q.このサーキットと、韓国についての印象をきかせてください。
バトン: 1999年にF3で走った時は、なかなか楽しかったよ。一部が公道になっているサーキットで、僕は2位に入ったんだ。当時から、韓国のファンはとても熱心だったよ。このコースもなかなか興味深いレイアウトだし、サーキットの完成度は高いと思う。最初のセクターでは追越しのチャンスもありそうだね。ただ、舗装が新しいから、滑りやすそうなのがちょっと気になるね。
ハミルトン: 2003年に出場したF3のレースについては、あまり憶えていないんだ。ポール・ポジションを獲ったけれど、決勝では他のマシンにぶつかられてコースアウトしてしまったからね。とにかく、また来ることができて嬉しいよ。ソウルには初めて行ったんだけど、楽しい1日を過ごすことができたよ。きっと中身の濃いレースになるだろうね。
フェッテル: 韓国は初めてだし、まだほとんど何も見ていないんだ。今朝、コースを歩いたんだけど、スタンドの数が多かったね。たくさんの人に観に来てもらいたいよ。路面の状態が気になるけど、一時は開催が危ぶまれることもあったほどだから、サーキット側は良い仕事をしたと思う。ほぼ完全に完成してるし、レースをするのに支障はないと思うよ。
ウェバー: 僕も韓国は初めてで、受け入れ側の仕事ぶりには感心したね。かなりへんぴな場所だけど、それもまた良いんだ。この場所がF1カレンダーの中に定着するよう願っているよ。地元の人たちは、なかなか熱心そうだよ。
アロンソ: 準備は99パーセント整っているよ。新しいサーキットを走るのは楽しみだし、いいレースを期待している。ドライバー全員にとって、新しいチャレンジということになるね。
フェッテル: 将来的には、サーキットの近くにチームのスタッフを収容できるだけのホテルをつくって欲しいね。ドライバーは大丈夫だけど、遅くまで働いて、早朝から仕事をしなければならないメカニックには、負担が大きいかもしれないから。
Q.日本GPのあと、どうしていましたか?
バトン: イギリスへもどって、ルイスと1日チャリティ・イベントに参加したんだ。そのあと、もういちど日本へ向かって、広島を訪問したよ。
ハミルトン: 2日ほど、家に帰れてよかったよ。すこしトレーニングをして、息抜きもできた。ここへは水曜に到着したんだ。
フェッテル: 日本GPのあとは、アジアに留まって時差の影響を抑えることにしたんだ。トレーニングもして、昨日の夜に到着したよ。
ウェバー: 鈴鹿のあとは急いでオーストラリアへ向かい、実家で過ごしたんだ。インタビューとかもしないで、のんびり過ごせたよ。バーベキューをして、エビをたくさん食べたしね。
アロンソ: アジアに残って、日本の南の方にある小さな島へ行ったんだ。トレーニングをしたり、ゴルフコースを回ったり、別に変ったことはしてないよ。
Q.このレースの結果次第では逆転が難しくなる状況ですが?
バトン: レース前は、いつもそれが決定的なものに思えるよ。たしかに厳しい状況だけど、過去にもそこから逆転した例がある。1戦も落せないという点は、誰にとっても同じだろうね。
ハミルトン: まったくその通りで、つけ加えることは何もないよ。
Q.予選に強いレッドブルがここでもフロントローを占めるのでしょうか。他の人たちにも予選でトップに立つチャンスはあると思いますか?
ウェバー: 明らかにセブ(フェッテルの愛称)は予選が得意だ。僕も何度かポール・ポジションを獲っているから、マシンが予選に向いているということかもしれないね。今シーズンはずっとフロントの車高を調整していて、それが1発のタイムを出す上で効果を発揮しているんだと思う。
フェッテル: フロントの高さを調節するレバーがあって、それが予選でタイムを出すための有効な武器になっているんだ。
ハミルトン: もちろん、予選でレッドブルより良いタイムを出すことも可能だと思う。僕たちにもフェラーリにも、チャンスはある。実際に、予選でレッドブルを抑えたこともあるしね。
バトン: レッドブルが特に大きなアドバンテージを持っているというわけじゃないよ。特に最近のレースでは、差が小さくなってきてるしね。序盤戦は、予選でやや弱かったけれど、それも改善されてるし。今回も、新しいパーツを持ち込んでいるから、それが効果を発揮してくれるように願ってるよ。
アロンソ: できれば、土曜にレッドブルを破りたいね。
Q.最後にチームメイト同士がタイトル争いを演じたのは2007年のマクラーレンで、良い結末にはなりませんでした。それについて、どう思いますか?
ウェバー: たぶん、スペイン人(アロンソ)にとっては、同じようになった方がいいだろうね。残念ながら、その心配はないよ。チームでさまざまな可能性について話し合ってきたんだ。ふたりともチャンピオンになる可能性があって、コンストラクターズ・タイトルを獲得することも重要だ。相手が誰であれ、まず重要なのは完走することだから、無理はしない。ただ、もちろん簡単にポジションを明け渡すこともないだろうね。それがレースというものなんだ。
フェッテル: まったくその通りだよ。2007年の争いがああなったのには、それなりの理由があった。あの時は、残り2レースというところで、キミ(・ライコネン)がたしか17ポイント遅れていたんだけど、逆転でタイトルを獲得した。もちろん、そういうことが起っても不思議じゃない。ただ、今年はあのときと条件が違うと思うよ。
Q.シーズン序半に何度かエンジン・トラブルがありましたが、最終戦までまかなえるだけのエンジンが残っているのでしょうか?
アロンソ: 問題ないね。もちろん、2戦目と3戦目でエンジンが壊れたから、難しい状況になったことは間違いないけれど、その後は予定どおりに進んで、状況を把握しているから。残りのレースを消化するだけのエンジンは残ってるよ。
Q.残りの3レースのうちに1勝して、残りも表彰台に立てばチャンピオンになれる状況ですが、そうした計算をしたことがありますか?
ウェバー: 何が起るか予測できないんだから、計算しても仕方がないよ。たしかに2勝すれば決着がつくけれど、レースは毎回違うし、不測の事態が起るかもしれないから。とにかく、目の前のレースに全力をつくしてできるかぎり良い結果を残すしかないよ。最善をつくしていれば、結果はついてくるはずなんだ。