韓国GP 決勝 レース中断
<14時43分>
傘がなくてもしのげた雨が若干強さを増してきた。グリッドに向かったはずの各車は、ピットロードを通過して、路面とマシンの確認を繰り返している。
どのタイヤを選ぶか、どのラインを通るべきか。いつになく確認のための周回が多くなっている。
ハミルトン/2マクラーレンとフェッテル/5レッドブルは比較的早めにグリッドに着いた。
小林可夢偉/23ザウバーは、ピットにしばらく立ち寄り、一瞬ピットスタートを選んだかに見えたが、再びコースに戻り、グリッドに向かった。
<14時45分>
スタートまで15分。いつのまにやらスタンドは満員になっている。
<14時52分>
気温は19℃、路面温度は18℃。固唾をのんで見守るスタンドは、色とりどりの雨合羽と傘に彩られている。
<14時53分>
L.ハミルトンがヘルメットを身につけた。フェッテル/5レッドブルもヘルメットとHANSデバイスを装着した。
<14時54分>
ヘルメットを被ったM.ウェバーがコクピットに乗り込んだ。
<14時55分>
雨足が若干強まっている。上空は厚い雲に覆われ、天候回復の気配はない。スタートのエンジン音に呼ばれて、雨が強まる可能性もある。スタートには細心の注意が必要だ。そして、その中で前に出なければならない。
<14時57分>
すべてのドライバーがコクピットに座り、セーフティ・カーに先導されるフォーメーション・ラップの開始を待っている。
<14時55分>
天候の状況判断のために、レースは10分遅れでスタートすることが発表された。
<15時00分>
フェッテル/5レッドブルを先頭にした右側のグリッドは、左側よりグリップが高いと見られている。走行ライン上でラバーグリップが乗っているからだ。
しかし、セーフティ・カースタートが告げられた。2年前の富士と同じだ。しかし、雨は強くなく、ドライバーたちが状況を確認した数周後には正式スタートが切られることになると思われる。
<15時04分>
セーフティ・カー・スタートになると、最初のリスクは大きく減ることになる。しかし、全員の条件が同じであることに変りはない。誰かがなにかを企んでいるかもしれない。
<15時07分>
心なしか雨が強さを増してきた。気温は19℃、路面温度は18℃のまま。
<15時09分>
エンジンが息を吹き返し、緊張が韓国国際サーキットを包み込んだ。
<15時10分>
セーフティ・カーが動き出し、24台がそれに続いてゆっくりとコースを巡っていく。
<15時11分>
セーフティ・カーが慎重に隊列を先導する。コース裏手は、思ったより水が深い。2番手のウェバー/6レッドブルの位置でさえ、前方視界が遮られるほどだ。しばらくはセーフティ・カーの先導が続きそうだ。
<15時13分>
マッサ/7フェラーリのチームラジオが、「20分間は雨が続く見込みで、セーフティ・カーは5〜6周コース上に残りそうだ」と伝えられた。
<15時15分>
セーフティ・カー・ランのスピードでも、各コーナーでコントロールが乱されている様子がモニターで伝えられている。
<15時16分>
赤旗が提示された。雨足は弱まらず、レース続行は不可能との判断だ。
<15時30分>
雨は弱まらない。S.フェッテルはコクピットの中で待機し、L.ハミルトンはコクピットを出て、眉間のシワを深くして空を見上げている。
<15時31分>
コースのセクター1がクリアーになったとこが報告された。
雨は弱まらず、気温は19℃、路面温度は18℃のまま、時間だけが経過している。
可夢偉も、L.ハミルトンも、S.フェッテルも、表情から精気が消えている。チームメンバーも、そして観客席も、心配そうに事態を見守っている。
コントロール・タワーでは、FIA(国際自動車連盟)の技術責任者チャーリー・ホワイティングとハービー・ブラッシュが、天気図を観察している。
グリッド上でF.アロンソとM.ウェバーがなにやら語っている。そこに、セーフティ・カーのドライバー、マイランダーとクリスチャン・ホナー(レッドブル・チーム代表)が加わった。
N.ロズベルグは、メルセデスのスタッフとモニターを見ている。
F.マッサはフェラーリのコクピットで孤独の時間を過ごしている。
<15時54分>
雨足が弱まったか。コースに、路面清掃車が出て、水溜まりの排水作業を始めた。
<15時55分>
天気図とにらめっこをしていたレース・コントロールから、「レースが16時15分に再開する」と報告された。
<15時55分>
セーフティ・カーが1周以上隊列を先導することが伝えられた。同時に、ウェットタイヤの装着が義務づけられた。
<15時57分>
F.アロンソがヘルメットを被り、ゆっくりとコクピットに向かった。
<15時58分>
ドクターカーがコース・インスペクションを行なっている。
<16時01分>
雨は弱まっている。S.フェッテルはコクピットでレッドブルの缶に入ったドリンクをストローですすり、グローブを付けた。
<16時02分>
J.バトンはマクラーレンのコクピットで準備を整えてスタート合図を待っている。