F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集 F1 STINGER 【スティンガー】 > F1ニュース >   ブラジルGP木曜記者会見

F1ニュース F1の動向が一目でわかる新着ニュースや最新トピックを随時更新。

ブラジルGP木曜記者会見

木曜恒例の記者会見。今回はブラジル出身ドライバーのルーベンス・バリチェロ (ウィリアムズ)、ルーカス・ディ・グラッシ (ヴァージン)、フェリペ・マッサ (フェラーリ)、ブルーノ・セナ (HRT)が出席。

Q.まずは一人ずつ、今シーズンをふり返ってください。
101104TPC4.jpgブルーノ・セナ(以下、セナ) みんな知っているように、ウチのチームは始動が遅れて、実際のレースを通じてマシンの開発を進めてきた。そこで多くのことを学んできたから、素晴らしいシーズンだったと思う。今年の経験はすごく貴重なもので、F1というものに触れられたことが、何よりも重要だったんだ。もちろん、優勝や表彰台、ポイント圏内を争えるようならもっと良かったけれど、一歩ずつ確実に前進しているから、自分では満足してるよ。最初の状況を考えると、チームは頑張ったと思う。ずっと進歩してきたし、まだ2レース残ってるから、このまま全力をつくしたい。

ルーカス・ディ・グラッシ(以下、ディ・グラッシ) F1の1年目は、誰にとっても難しいものなんだ。僕の場合は、チームも1年目ということで、さらに特殊な状況だった。マシン面にも自分のドライビングにも困難なものがあったけれど、それが成長する上で役立ってるよ。知らないサーキットをずんぶん走ったし、マシンの開発についてもいろいろなことを憶えた。難しい状況だったからこそ、貴重な経験をすることができたんだ。優秀ですごく経験豊富なチームメイトがいたことも、大きなプラスだった。ここまでの17戦は良くやったと思うけど、まだまだ多くのことを学ばなければならないんだ。というわけで、全体的には満足のゆくシーズンだったよ。

ルーベンス・バリチェロ(以下、バリチェロ) 本当に最高の1年だったと思ってる。勝てるマシンから勝てないマシンに乗り換えたわけだけど、開幕当初から格段に進歩することができたという意味で、素晴らしいシーズンだった。特にトルコGP以降は、有意義な話し合いをずいぶん行なって、マシンの性格を変えることができたんだ。モントリオールでは、すでに大きく進歩していたし、結果もついてくるようになった。チーム自体は、とても仕事のしやすい環境だったよ。金銭的な制約がある中で、精一杯やったと言えるんじゃないかな。

フェリペ・マッサ(以下、マッサ) 去年はケガで後半戦のほとんどを棒に振ってしまったよ。今年の内容は、特に予選で期待どおりとは言えず、マシンやタイヤの性能を100パーセント引き出せなかったんだ。それが一番の問題だったから、残る2レースで、なんとか克服したいね。予選はレースの結果を大きく左右するから、きわめて重要なことなんだ。ポイントが獲れなかったり、1コーナーでクラッシュしたり、シンガポールでは最後尾からスタートするなど、不本意なレースもあったけれど、常に集中して戦ってきたつもりだよ。

Q.全員サンパウロ出身ということで、このサーキットについての想い出があると思いますが?
セナ:
最初の記憶は、もちろんTVで観たものだけれど、実際には1993年に初めてやってきて、アイルトンと対面した。小さかったけれど、1992年型のマクラーレンに乗せてもらった。その時にあなた(インタビュアー)とも会っているということだけど、残念ながらまったく憶えていないんだ。次の年のことも憶えてなくてね。とにかく、ここは初めてフォーミュラ・マシンを走らせて、ドライバーとしての実質的なスタートを切ったところだから、特別な場所なんだ。実際にレースをしたことはないし、走行距離も限られているけれど、それでもコースは頭の中に焼きついているよ。

ディ・グラッシ: 最初の記憶は、バック・ストレートの裏にあるカートコースから見たものだよ。12〜13才のころから、そこに通っていて、本コースを眺めては、いつかそこを走ることになるのだろうかと思っていたんだ。初めて本物のレーシング・マシンを走らせたのも、初めてレースをしたのもインテルラゴスだった。ただ、最後に走ったのは、もう7年も前。初めてF1マシンに乗るのは、きっと特別な想い出になるだろうね。

101104TPC2.jpgバリチェロ: 自分がブラジル人だからというだけではなく、ここは特別なサーキットなんだ。自分で限界ぎりぎりの走りをしているつもりでも、実はもっと攻める余地があるんだ。去年のように、天気が悪くて手を焼くこともある。もちろん、ここはフォーミュラ・フォードに乗っていたころから知っているし、旧コースも走った。あのあと、すぐに改修されたから、長かった以前のサーキットを知っているということが、僕自身にとっておおきな誇りでもある。ここにいるブルーノが生まれる前のことで、たしか1990年だった。次に走ったのはF1だったから、実際にはほとんどF1マシンにしか乗っていないことになる。コースの性格から混戦になるし、本当に素晴らしいサーキットだと思う。

マッサ: 2006年から3年連続でポール・ポジションを獲ったコースだから、もちろん大好きな場所だよ。F1に乗る前も、フォーミュラ・シボレーで2度優勝しているんだ。ここはセッティングを決めるのがすごく難しいコースでもあるし、難しいコーナーがいくつも含まれてる。毎年かならずオーバーテイクの場面があって、長くはないけれど、味のあるサーキットと言えるだろう。F1でも2回勝っているから、僕にとってはいい想い出がいっぱいあるコースだよ。スタンドを見上げると、ものすごく熱いブラジルのファンが応援してくれてるんだ。それも、ここを特別な場所にしている要素のひとつだろうね。

Q.来年の予定について、それぞれ聞かせてもらえますか?
セナ:
まだシーズンは終っていないから、今年の残るレースに集中しているんだ。来年のことを考えるのは、まだすこし先になると思う。

ディ・グラッシ: まだ決まっていないよ。1年を過ごしてきたシーズンに残ってマシンの開発を進めていくのが自然な展開なのだろうけど、まだ契約を交わしたわけではないからね。チームとの話し合いは続けて
いるけれど、どういう結論が出るかは未定だよ。

バリチェロ: ウィリアムズとしか話はしていないよ。たぶん来年も残ることになると思う。
マッサ: 何も聞いていないから、残留すると思う。変化はないね。

Q.アイルトン・セナの伝記映画が出来ましたが、観た人はいますか? その感想も含め、アイルトン・セナとの想い出があれば聞かせていただきたいのですが?
セナ:
昨夜、初めて観たけれど、素晴らしい映画だった。いろいろなことを思い出したよ。僕にとってはもちろん特別な作品だし、ドライバーやアイルトンのファンにとってもそうだろうね。アイルトンを知らない人も、きっといい印象を持つと思う。レースの映画というよりも、アイルトンの人生そのものが描かれているんだ。僕にとっては、嬉しいことも悲しいことも含めて、いろいろな想い出を甦らせてくれる素晴らしいフィルムだったよ。

101104TPC3.jpgディ・グラッシ: まだカートも始めていなかったころのことだから、実際に走っていたアイルトンについては、ほとんど記憶がないんだ。でも、あの事故があった日のことは鮮明に憶えているよ。ラジコン飛行機で遊んでいると、父に家へ呼びもどされたんだ。あの日は、ブラジル全体が悲しみに包まれていた。決して忘れることはないと思う。あの出来事が、カートを始める大きな動機になったことは間違いないね。

バリチェロ: 僕にとっては、まさにアイルトンこそ本物の男だった。カートの世界チャンピオンになったときも、ずいぶん助けてもらったよ。残念ながら、昨日は映画を観られなかったけれど、予告編は見たし、いずれ観てみるつもりだよ。公開されたら、すぐに劇場へ行くと思う。

マッサ: ルーベンスも言ったとおり、セナは驚異的な存在だった。憶えているレースもたくさんある。それ以上に、予選の走りは信じられないようなものだった。あれが、大きな強みだったと思う。もちろん数々の勝利を手にしていたわけだけど、予選の走りは、本当に特別だった。映画はまだ観ていないけれど、とても楽しみにしているよ。

Q.フェラーリはアロンソのタイトル獲得に全力を挙げると思いますが、あなたもサポートに回るのでしょうか?
101104TPC5.jpgマッサ: ポイントリーダーだから、もちろんフェルナンドには大きなチャンスがあると思う。もちろんここで優勝できなれは最高だろうけど、それよりもチームはタイトルを獲ることを第一に考えている。何戦か前までは、みんながレッドブルの勝利を確信していたんだから、何が起るかわからない。何しろセバスチャンは10回もポール・ポジションを獲ったんだから、ここから逆転することも、じゅうぶんにあり得ると思う。ただ、現在の状況を考えれば、あきらかにフェルナンドが有利だと思う。

Q.そのタイトル争いにおいて、あなたはどんな役割を果たすことになるのでしょう?
マッサ:
もちろん、チームの中にタイトル獲得が可能なドライバーがいれば、それをバックアップするのが当然だろうね。僕としては、最高の位置からスタートして、できるだけ役に立ちたいと思っているよ。そのためにも、1周目からタイヤを上手く使えるようにしたいね。それが今シーズン抱えていた一番の問題だった。仮に自分がトップに立っていれば、フェルナンドに勝ちを譲ると思う。以前にも同じようなことがあったよ。2007年のシーンを、みんなも憶えていることと思う。


【Shigehiro Kondo】
記事が役に立ったなと思ったらシェアを!

F1 最新レースデータ

F1 ポイント・ランキング

F1ドライバーズ・ポイント
1位マックス・フェルスタッペン491ポイント"
2位セルジオ・ペレス240ポイント
3位ルイス・ハミルトン220ポイント
F1 コンストラクターズ・ポイント
1位レッドブル・レーシング860ポイント
2位メルセデス409ポイント
3位フェラーリ406ポイント

PARTNER
[協賛・協力企業]

  • CLOVER