小林可夢偉木曜日会見全録【アブダビGP】
◆最後のレース、気持ちよく終わりたい!
—-ブラジルから、ここへは?
可夢偉:いったんパリへ戻って、すぐ飛行機に乗って・・・。(インテルラゴスから)24時間もしないまま、ここアブダビに来ています。
—-でも、時差もけっこうありますよね?
可夢偉:はい、(時差には)相当、苦労してます(笑)。体調は問題ないんですけど、夜眠れず、朝起きられず、ですね。
—-ここが”トワイライト・レース”というのは、時差には役立たない?
可夢偉:そうですね。でも、ここが(今年の)最後のレースなので、気持ちよく終われるように、仕事だけはしっかりしようかなと思ってます。
—-ここでは、去年くらいの成績を収めたい?
可夢偉:まあ、そうできれば、理想なんですけどね。でも今年、ぼくらが持ってるクルマで行くと、そう簡単じゃないし。トップチームがどういう動きになるかもわからないし。みんな(どのチームも)最後なので、いいカタチで終わりたいと思ってるので、やっぱり、きびしいレースになると思います。
—-このサーキットは好き?
可夢偉:嫌いではないですけど、(去年から)一年経って、路面の状況がどんな風に変わってるか? 去年は(できたてで)特別だったんで、今年、普通になっているのか、特別のままなのか。どういう状況でも対応できるように、しっかりやっていきたいと思ってます。
—-このサーキットは、前半部分と後半部分でキャラが分かれますが、前半部分は苦労しそう?
可夢偉:まあ、そうですね。でも、おもしろいことにね、この国、年に二〜三回しか雨がないのに、(予報では)日曜日が雨だという・・・。見事に、雨続きだなあ、と(笑)。もう、笑うしかない。その意味では、楽しみながら、最後のレースを終えたいと思います。
—-ここでの目標は?
可夢偉:うーん、目標というか、今年はそんなに(ここで)”できること”ないと思うし、最後のレースで──。最後にポイント取って終われれば、十分だなと思います。
◆アブダビを走る”気分”としては、去年と今年は大いに違う!
—-去年、ここのパドックに初めて来たときと、今年を較べると?
可夢偉:うーん、相変わらず、暑いな、と!(笑)これは変わらない、一年経っても、気分としては、全然ラクなんですけど。
—-去年、ここで好んで飲んでいたイチゴ系のドリンクは?
可夢偉:え、何ですか、それ? あ、(トヨタ・チームがサプライしていた飲み物なので)それ、ザウバーはないんですよ(笑)。
—-日曜が雨だという天気予報は?
可夢偉:ニック(ハイドフェルド)が言ってました。昨日は、天気が悪くて、外に出られなかったし、外に出ようにも、クルマの運転ができないし。
—-運転できないというのは?
可夢偉:ここは(交通ルールに関して)すごく”きびしい”ので──たとえば、携帯持ちながら運転してただけでも、牢屋に入れられる! だから、運転するなということになってるんです。
—-ザウバー車にとっての”ここ”は?
可夢偉:クルマ的には、どうなんですかね?(笑)・・・でも、やるしかないですよ、ポイント取って。キレイに、お疲れさま!って言って。
—-去年とは「気分」が違うということでしたが、具体的には?
可夢偉:えーっと、去年の場合は、ヘンなプレッシャーがあったんで。今年はまったく(それがなく)。ぼくとしても、”消化試合”みたいなものなので。(ここでの結果によって)ドライバーズ・ポイントがそんなに変わるわけでもなく、チームとしても、何かが変わるということもないので。だから、気楽にポイント取って終われたらいいなあ、と。
—-楽しめそうなレースになる?
可夢偉:ぼくにとっては、来シーズンのテストですよ!(笑)来年のクルマの、開発の方向が決まるということですから。だから、ぼくの勝負は、この最終戦ではなくて、来年の(来年につながる)テストです。
—-テストは、初めてピレリ・タイヤを履くわけですが、乗ってみるまで、まったくわからない?
可夢偉:そうですね、乗ってないですから。だから、楽しみやし。それで、来年のクルマの方向も決まるから。
—-気楽にポイント!・・・というのは、3点くらい?(笑)
可夢偉:いや、まあ、それはわからないですけど(笑)。気楽に走って、ポイント取って、帰ろうかな、と。
—-気楽に「25点」取って?(笑)
可夢偉:うん、それも、おもしろいですね!(笑)
◆最近増えた「反時計回り」のサーキット
—-ここは、ほかのどのサーキットと似てる?
可夢偉:うーん、別にないですね。
—-サーキットが「反時計回り」ということでは珍しい?
可夢偉:いや、韓国もそうだし、ブラジルもそうだったし。
—-たとえば、「首に来る」(負担がかかる)サーキットだ、とか?
可夢偉:いや、それはない。ブラジルも、まったく(負担は)なく、終わったし。(レースが)こんなに短いと思ったし。
—-身体が慣れた?
可夢偉:慣れたのもあるし。去年(のブラジルGP)は、何十周もバトンが後ろにいて、がんばったので。今年はけっこう、(バトルなしで)ひとりのときも多かったし。最後は、一生懸命、前に追いつこうとして、速かったし!
—-フィジカル・トレーニングを積んだせいもある?
可夢偉:トレーニングはあるかもしれないですけど。今年は、すごい、ラクでしたね。
—-フィジカルだけでなく、精神的な部分もある?
可夢偉:まあ、両方でしょうね。・・・去年のブラジルは、八ヵ月、F1に乗ってなかったから、キツいですよ! それがいきなり「ブラジル」(インテルラゴスでのレース走行)ですからね。
それと、けっこう「シートの位置」も高かったんですよ、去年(トヨタ車)は。なぜか、去年のシートは高くて。何か、間違ったんでしょうね。(レギュレーションで)カーボン・シートしかレースに出られないから、それに乗ったんですけど。でも、今年は乗り慣れたシートで、位置も低いし。
—-薄暮レースの対策は?
可夢偉:それは、あんまり・・・。暑さは若干、気になりますけど、でも寒いよりいいし。
text by Iemura Hiroaki】